2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第4回 彩の国100マイル 2019 ③レースレポ〜North編〜

photo by Mカメラマン

第4回 彩の国100マイル 2019 ③レースレポ〜North編〜


<<①結果報告
<<②レース結果概要





【まえがき】

何ももったいぶるつもりはないんですけど、レポに入る前に少しだけ前書き的なもんを書いておこうと思います。これからのレポをスムーズに書くための助走みたいなもんです。悪い癖ですね(笑)時間がない方は読み飛ばしてもらってオッケー牧場です( ´ ▽ ` )


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彩の国は自分にとって特別な大会だ。何が特別かって?そりゃもう2度も真面目にチャレンジしてDNF(途中棄権)したレースはこれくらいしかない。1度目は洗礼を受けてSouth1関門に間に合わずジ・エンド。2度目はSouth1終盤で大失速しSouth2へ行く元気も気力も勇気もなく自らレースを投げ出した。

→→過去の記事はコチラ(2017彩の国2018彩の国)
興味のある方がいらっしゃればどうぞ(゚ω゚)

自分の力を過信してた訳じゃないけど、まさか2回もリタイアするとは...って感じだった。でもなんていうかショックと同時に嬉しかったというのが正直なところ。

完走するだけでも難しいレースが国内にあるんや(//∇//)

もちろん他の大会なら簡単に完走できるなんて思ってない。ただ、彩の国に関してはコースの厳しさはおろか、制限時間に関しても非常に厳しい大会。これはいかなるエリートランナーであろうとも失速すれば、完走が非常に難しくなるレベルだと思われる。

そんな厳しいレースがあることにワクワクさせられた。絶対に完走したい!!順位やタイム云々ではなく、シンプルにこういった気持ちにさせられたのは初めてかもしれない。

とはいえ、自分の中で制限時間いっぱいを使って完走するというレースプランはない。せっかくの機会。限界まで追い込んだ時どれだけ自分がボロボロになるのか。そして過去2度経験した"もう辞めたい"というところで如何に踏ん張れるのか。そういった状況に自分をもう一度置く必要がある。そして、その向こう側の世界へ進んでみたい。

どうやらこれまでのコースと異なり、今年は逆走となる上、一部コース変更もあってトレイル区間が更に増しているらしい。単純に過去のタイムと比較することは難しいが、とりあえず追い込む目安として以下のような目標を立ててみた。

North 7時間以内 → ok
South1 8〜9時間 →は?
Soutn2 11時間以内 →ギリギリ
トータル 25時間〜27時間 ←は?
※今考えてみると「ナメとんか!」というタイム設定(^^;;


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とまぁ、こんな感じで3度目の彩の国100マイルに挑んだ形です。無事に完走を果たすことはできましたが、本当に限界まで追い込めたのか。そして、その先の世界へ進むことができたのか。その辺のことにも注目しながら以下のレポを読んでもらえると嬉しいです(いい歳こいたおっさんの独り言としてはかなり痛々しいっすねw)。


果たして...


【レースレポート】

▶︎▶︎North Stage 51.0km↑3045m
《ニューサンピア〜A1飯盛峠〜A2堂平キャンプ場〜A3慈光寺〜A4くぬぎ村〜A5ニューサンピア》





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Sニューサンピア0.00:00:000:00:00

朝7時前。スタートゲート前には大勢の屈強なランナーが集結している。少しだけひんやりした朝の空気を感じるが、これから確実に暑くなることはここにいる全員が肌で感じていたはずだ。まさにリベンジするには絶好の彩の国日和というわけだ。

 

 
すごい(変な)ランナーばかりだ

顔見知りの方や、初めてお会いした方、twitterの有名人さんと挨拶を交わしているとあっという間にその時はやってきた。

photo by 石山匠さん

7時。スタート。

100マイル出走者は233名。結論から言おう。このうち完走するのは36名のみ。完走率は16.1%。もちろんランナー全員が「我こそは!」と言う意気込みで挑んだに違いない。この日のために何度も試走された方や、何度も山に足を運んだ方がそのほとんどだ。それでもこの結果になってしまう。如何にこのレースが厳しいというのがお分かり頂けるだろうか。

これが最初で最後の写真となる


周りのペースに合わせるようにゆったりと走っていると、自然と先導車が見えるような位置についた。先日さくらみちを2位で走った絶好調の岩ちゃんとおしゃべりしながら田舎道を走っていると、民家の横から山道に入っていった。

山に入ると自然とペースが上がる。三週連続100マイル中の河畑さんに前を譲ってもらい、少しずつ前へ出ていると「ひゃっほいさん!」と声をかけてもらう。後日分かったことだがこの方はtwitterで繋がってるkeisukeさんだった。自分と同じく2度DNFしていて今回が3度目の挑戦とのこと。無事に完走されていたのでよかった!(おめでとうございます)

いいペースで走るランナーの背中を追っているといつの間にか先頭になっていた。後ろに一人緑色の服のランナーがぴったりとついている。大築山の分岐ではマーシャルのいずさんに声をかけてもらった(その後のエイドでもお世話になる)。



気持ちの良いシングルトラックを快調に走っていると、背後にあったランナーの気配は次第になくなっていった。気にすることなくマイペースを維持する。先頭を走っていると何が怖いかってやっぱりコースロスト(昨年はNorthだけで大きなロストを3回もしている)だ。それに今回は逆走となっているため過去の記憶は全く当てにならない。しかし、今年は思った以上に案内板が貼られていたためその心配は特になかった。

林道に変わると飯盛峠への見覚えのあるコースだ。登りを淡々と走っていると「うわ!速い!自分は5時にサンピアを出たのに!!」とスタッフの方に声をかけてもらえた。

飯盛峠への登り
photo by 石山匠さん




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A1飯盛峠12.91:28:501:28:50

A1の飯盛峠につくと歓声が山に響く。ここまで結構な登りなので1時間50分くらいを想定していたが、まだ元気なせいかかなり速く着いてしまった印象。水はほとんど消費していないので補給せず、梅干しとあんこ餅を数個もらってすぐに出発した。

ここから次の堂平エイドまでアップダウンのあるトレイルが続く。何度もロードへ出るのだがすぐに山道へと引き戻される。え?ここロードで行ったら早くね?!って所でも容赦無く山道へ導かれる。普通の大会ならロードを走らされるはずだ。こういったところにコース考案者の巧妙さ(意地悪さ)がみてとれる。

先導車のバイクの方と何度も顔を合わせながら激しいアップダウンを走っていると、絶景の広がる場所で応援の方に声援を頂けた。確か大野峠だったかな。間違ってるかも。ものすごく元気をもらった。白石峠、剣ヶ峰の電波塔を越えてロードに出ると、先導者のバイクの方に「もうすぐだよ」と教えてもらい、またすぐに山道へと引き戻された。




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A2堂平キャンプ場23.62:45:231:16:33

A1-A2の区間タイムは1:16くらい。1:20くらいかなぁと想定していたのでここは予定通り。スープパスタを頂き、ここでも梅干し数個を手にとって一気に食す。スタッフの方の話によると、このあとガツンと下ってガツンと登るらしく、結構キツいコースのようだ。念のため水を満タンにし、お礼を言うとエイドをあとにした。

コースが逆なので、昨年キツかった笠山への登りが激下りに変貌する。その標高差は約700m。あまり足を使いすぎないよう心がけるがついついスピードが出てしまう。少し前に摂ったカフェイン入りジェルのおかげか、集中力が増して下りが楽しくて仕方がない。ひゃっほーーい♪( ´θ`)山道から林道に変わるとさらにペースアップ。そのまま一気に下ってしまうと、今度は激しい金嶽の激登りに文字通りぶち当たった。

金嶽の記憶はあまりない。

エイドに到着すると大声援で迎えてもらえたことはハッキリと覚えている。




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A3慈光寺33.54:13:041:27:41

photo by ms-ucdさん

ここやったかな。到着するなり女性の方に「ファンです〜!」と言ってもらえたのは。間違ってるかも。とにかく、おっさん以外にモテたのは初めてだ(笑)

慈光寺のエイドに4時間半でつけばNorthを7時間で行けるかなぁくらいに考えていたので、だいぶ時間に余裕のある形でエイドに到着した格好になる。発汗量が気になったので塩をざっと掴むんで口に放り込む。ウゲェ。ペッペ。ツイッターでフォローしてもらっているというms-ucdさんやスタッフの方と会話しているだけで疲れが嘘のように吹き飛ぶ。美味しそうなサンドイッチを二つ手に取ると「すごい!やっぱ食べるんやな〜!!」とエイドの方に驚かれた。

次のエイドまでは6.2kmと距離は短いが、またもガツンと下ってガツンと登らされる。まだ大きな疲労感は感じていない。この時、いつ不調がやってくるのか怖くもあり楽しみでもあった。

下り切ると市街地に出る。ロードが少しばかりある区間のようだ。とはいえロードでは飛ばさない。UTMFで学んだことだがロードで頑張り過ぎれば必ず山でしっぺ返しがくる。カンカン照りの太陽をまともに受けながら小気味よくジョグっていると、前から見たことのある方が手を振って近づいてくるのが見えた。

わお!丹羽さんですやん!!
※あの女性の方ではないです

utmfでお会いした時に「応援に行くよ」と言って下さっていたのだが本当にお会いできるとは!丹羽さんは昨年の彩の国で3位となっている神様仏様サイラー様。

丹羽さん「ダントツトップやん!調子はどう?」
ひゃっ「全然無理はしてないつもりなんですけどね〜」

みたいな会話をした記憶がある。時間にすれば一瞬のことだったが、何度も100マイルを一緒に走っているお互いだからこそ、一目見るだけで会話で得る以上のものを瞬時に分かりあったように思う。※おっさんずラブではない

このあと標高差400mほどを一気に登り、新柵山を越えるとエイドまでもうすぐだ。



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A4くぬぎ村39.75:05:390:52:35


photo by いずさん

ここの区間タイムも想定していた1時間より少し早めに到着。再会したいずさんに梅干しを食べる瞬間を激写される。今思えばノース区間では梅干しと塩を山ほど食べた。

ノース終了となるサンピアまで残り11キロ強。下り基調のコースだが実際は微妙なアップダウンがあるので気が抜けない。この時間帯になると気温もぐんぐん上昇し、容赦なく太陽がランナーの士気を奪っていく。気になることと言えばペースか。いくら何でもちょっと速すぎる。この調子でいけば予定していた7時間以内よりも大幅に早く到着しそうだ。


暑さは?
足の状態は?
身体の調子は?

走りながら、工場で検品作業をするように一つ一つ丁寧にチェックしていく(工場での検品作業はしたことはないが)。全てクリア。何も問題がない。ほんまに山を40キロも走ってきたのかと思うほど頗る調子が良い。もちろんまだまだ序盤に過ぎない。経験上これからいくらでも状態は悪化することは分かっていた(ほんの数分後にゾンビになることだってある)が、"いけ!いける!大丈夫や!ヒャッホイや!!"という謎の声が頭で鳴り続けていた。

コースロストしないよう時折不安な箇所ではGPSを起動させ現在地を確認しながら走った。下りは一定ペースを心がけ体重移動を意識しながらダメージを作らないよう淡々と進む。「これ、いる?(笑)」とちょっとだけ悪態をつきながら雨乞山をクリアすると、一気に下ってサンピアを目指した。



▶︎▶︎トランジット(Norh→South1) @A5ニューサンピア 6分



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A5ニューサンピア
in51.06:24:551:19:16
out6:30:550:06:00

( ˙-˙ )ポツーン
あり?誰もおら〜んww

ニューサンピアに到着してもシーンとした静けさが漂っている。自分からテントに近づいていくと「え?!もうきたん?!」と驚かれたので「なんかすんません」と謝る。実はこの時、急ピッチでエイド設営作業中だったようでエイドメニューのカレーもまだ調理中とのこと(笑)なんかこの状況橘湾と似てるなぁなんて思いつつ、一旦体育館に入って急いで補給食をザックに詰める。
※橘湾では早くつき過ぎて、ゴールゲート未設営、自分から「ご、ゴールしましたぁ」と言いにいった経験ありw

photo by 白石さん
リタイアして戻ってきたのかと思われたらしい

体育館で荷物を詰めていると、全身から異常なほどの熱気が漏れ出ているのが分かった。ここで初めてクッソ暑いことを実感する。※越生は最高気温30℃だったようだ。

1回目のトランジットタイムはできるだけ減らしたかったので水分の補給だけするとすぐに出発。時間にしてちょうど6分。10分以内が目標だったのでこれもクリア。自分で用意していたあんぱんを片手にSouth1のコースへと足を踏み入れていった。




つづく_φ(・_・






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