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単独!六甲全山縦走2往復!!〈176K〉④レポ後編(完結)
【2往復目】
▶︎▶︎3本目〈阪急宝塚駅 → 須磨浦公園駅〉
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
宝塚駅 | 87.4 | 11/16 17:46 | 16:49:00 | 8:15:00 |
レスト | 0:05:00 | |||
宝塚駅 | 87.4 | 11/16 17:51 | 16:54:00 | 0:00:00 |
駅前で写真を撮ると、そばにあったベンチに腰かけながらスマホとヘッドラの電池を交換する。そして何事もなかったかのようにまた来た道を引き返した。駅前での滞在時間はおよそ5分くらい。考えてはダメだ。1,2,3...と番号をつけて物事を一つ一つ片付けていくように粛々とこなしていく。もし先のことを考えたり、自分のやっていることに疑問の余地が少しでも生じれば即座に電車に乗って帰りかねない。
とは言え2往復目に入るときの心境は全く嫌々ではなく、むしろ初めての世界に入っていくようなワクワク感で溢れていたことを明記しておく。
塩尾寺までの登りで2本目で追い抜いた数組のグループとまた出会った。往復か!?と聞かれたので今から1.5往復目です!と答えるとお!ゲイか!?と言われた。この一連の会話は分かる人には分かると思う。
※決しておっさんずラブではない。
※決しておっさんずラブではない。
さすがに3本目ともなるとちょっとした登りでも物凄い負荷がかかってくる。ただ身体の奥にある芯ではまだまだ熱源を感じることができる。
うわー!
ほんとに往復してるー!!(´⊙ω⊙`)
覚えておられるだろうか。レポ前編で声をかけて頂いた3人組のスピードハイカーを。ほんとに2往復もすんのか?と疑われてたんじゃないかと思えるほどのナイスリアクション!!彼らも宝塚まで全縦をしている途中だ。距離は違えどお互いに必死でゴールを目指していることは間違いない。またどこかでお会いでき無事2往復達成できたことを伝えられればと思うのだが。
思わぬ声援で少しずつ弱りつつあった気持ちにまた火が灯り始める。しかしそう簡単にはいかない。
さ、最高峰が遠い...
登れど登れどたどり着かない。もう次か?あれの次か?と期待に胸を膨らませるもことごとく裏切られる。これは完全に悪い兆候だ。
さ、最高峰が遠い...
登れど登れどたどり着かない。もう次か?あれの次か?と期待に胸を膨らませるもことごとく裏切られる。これは完全に悪い兆候だ。
3回目— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 16, 2019
きつすぎる pic.twitter.com/GZPifHGFJ4
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
六甲最高峰 | 98.6 | 11/16 20:32 | 19:35:00 | 2:41:00 |
2晩目の夜景は若干霧がかっていた。それでも100万ドルの夜景と言われる神戸の街は90万ドルくらいにキラキラと輝いていたが、夜景に感動するなどという心の余裕は全く残されていなかった。
とにかく摩耶山までは頑張らんと
極楽茶屋、ガーデンテラス、記念碑台、丁字ヶ辻、三国池、杣谷峠と縦走路をなぞっていく。この時に抱いていた感情は一体どんなものだったのだろうか。記憶を掘り起こしても何も出てこない。まるで地図上にある駒を動かすかのように進んだみたいだ。
— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 16, 2019
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
摩耶山(掬星台) | 107.9 | 11/16 22:15 | 21:18:00 | 4:24:00 |
掬星台は薄紫色にライトアップされた寒空の下カポー達で溢れかえっていた。想像して頂きたい。そんな中を短パン薄着ヘッドライト野郎がドカドカと入って行く姿を。
肩を寄せ合い暖め合っているカポー達(囁くように会話している)を横目に黙々と補給を行う。温かいコーンポタージュを一気に飲み干し、チャリチャリとスニッカーズの袋を開けると、キャラメルとピーナッツの甘い世界に飛び込んだ。ダーーーイブ!!
...
全行程を通してみても摩耶山から市ケ原への下り(天狗道)が睡魔のピークだったと思う。ログを見返してみると、通常なら30分やそこらで降りれそうな所を1時間15分近くかけて下っている。
その後も鍋蓋山、菊水山とほぼ寝ながら進んでいた。何度も木や岩にぶつかって我に返ったにも関わらず谷底へ落ちなかったのは不思議でならない。
菊水山までほぼ寝ながら歩いてた pic.twitter.com/onhYRjJ9Jg— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 16, 2019
39時間弱という全体を通して考えてみても、酷い睡魔に襲われたのは22時間から24時間が経過したこの頃。ちょうど深夜の時間帯と被ったこともあったと思われるが、この時間帯をどう乗り越えられるかが今後の課題だと思う。
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
高取山 | 122.6 | 11/17 02:45 | 25:48:00 | 8:54:00 |
難所を越えた安心感からか、菊水山以降は割とスムーズに進んだ。さすがに食料が底をつきそうな気配があったので高取山を降りたところにあるコンビニ(ローソン)に足を運び、30円引になっていたおにぎりを3個購入した。店員さんからは「六甲全縦の大会が近いから深夜でもランナーが多いですね」と言われた覚えがある。おにぎりを頬張るとその美味さで涙が出そうになった。
さぁここまでくれば須磨浦公園まであと少し。さすがにキツかったが夜が明ければ必ず復活できる!と自分に言い聞かせながら須磨アルプス、高倉台、旗振山と駒を進めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あ、そうそう。レポ前編で話したナイトにおける目の疲労について。路面状況を注視し過ぎてピントを合わせようと必死になるから目が疲れていたように思う。もちろん危険な岩場などでは注視する必要があるが、それ以外の比較的走りやすいトレイルではボヤッと何となく眺める程度に留めても特に問題はなかった。これは明るい時間帯でも同様のことが言えるかもしれない。ピントを調節し過ぎると目の疲労につながるほか、目の前の路面状況だけに必死になり、その先にある路面状況を同時に拾えなくなる。ボヤッと眺める方が同時に情報収集ができるのでスピードも上がりやすい。そしてある程度予測もできるので安全性も高まるように思う。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
▶︎▶︎4本目〈須磨浦公園駅 → 阪急宝塚駅〉
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
須磨浦公園駅 | 132.3 | 11/17 05:10 | 28:13:00 | 11:19:00 |
レスト | 0:50:00 | |||
須磨浦公園駅 | 132.3 | 11/17 06:00 | 29:03:00 | 0:00:00 |
なんとかたどり着いた— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 16, 2019
とりあえず仮眠 pic.twitter.com/oeXrZD9VBm
須磨浦公園に着く頃には眠気と疲労でいっぱいいっぱいの状態になっていた。
とにかく寝んと...
すぐに折り返すことも考えたが、このままの状態で進めば下手すれば12時間以上かかってしまう可能性もある。そうすれば目標としていた40時間を超えてしまうし、明日からの仕事のことを考えるとできるだけ早く帰宅したい。
そのままの格好でベンチに横になり、残っていたおにぎり1個を頬張る。咀嚼する度に、情けなさと独りで何をやってるんだという謎の感情が湧き起こってきた。そのまま深淵に落ちたと思ったらすぐに舞い戻ってきた。時計を見ると5分程度しか眠っていない。何とかもう少し眠ろうとするも未明特有の冷え込みでとても眠れたもんじゃない。寝ることは諦め装備などを整えているとあっという間に時間が経った。
リスタート前にコーヒーでも買うかと自販機を物色していると...
おー!!
ひゃっほいやないか!!!
目開いてへんやんww
兄貴の兄貴!!そして師匠や、出来杉くんまでも!!
この登場は寝起きに張り手をくらったくらいの衝撃だった。宝塚まで全縦をするという一行と楽しいおしゃべりをしながらご一緒させてもらう。このまま最後まで引っ張ってもらえるかな?なんて思ったが、そこは流石、兄貴の兄貴。どうやらアルコールが入ってるらしくすでにゲロゲロヘロヘロ。途中で置いていくことにした(笑)
ほんとにありがとうございました!また龍野で飲みましょね!!
高倉台からの激しい階段を登っている頃にはいつの間にやら夜が明けていた。不思議なもんでどれだけ寝てなくても太陽が昇れば身体が目覚める。つい数時間前までの疲労は何処へ行ったのか。4本目とは思えないほど身体が言うことを聞き始めた。
須磨アルプス(4回目) |
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
高取山 | 141.8 | 11/17 08:12 | 31:15:00 | 2:12:00 |
ハイカーさんとの朝の挨拶が気持ちが良い。山頂のトイレで入念に顔を洗い気を引き締める。鵯越駅へのきついロードの登りはポールをカツカツ響かせながら淡々と進んだ。
夜明けとともに身体は復活していたが、身体の奥の方にある眠気や気怠さがずっと取れないでいた。それを振り払うかのように身体に鞭を打ってできるだけ走るようにした。
菊水ベースあたりだったと思う。前から来る方に突然声をかけられた。
ひゃっほいさん?
元気やなぁ〜〜!!
ろくいちさんやないっすか!!
UTMF以来っすね〜
ろくいちさんは休日は必ずと言っていいくらい六甲の山に出没していることをtwiiterで知っていたので、心のどこかで期待はしていたが、まさかほんとに会いにきてもらえるとは!!ありがとうございました!!
おかげで菊水山の急登を軽快に...
とはいかない。気温も上がり久々に全身から汗が吹き出す。一歩一歩足を上げるたびにゼェゼェと息が上がった。できるだけ先を見ないようにして登り続ける。あまりのキツさに展望がきく場所では手すりに体を寄せ息を整えないと先に進めないほどだった。
鍋蓋山山頂 ここもキツかった |
すると...
河畑さん!!
サイラーTが眩しいっす
河畑さんからは岩湧3往復やビワイチは真似できたけどさすがにこれは真似できんわ〜!と言われたが、これはダチョウ倶楽部の押すなよ押すなよ的なフリのはず。いつぞや2.5往復いや3往復してくれるに違いない(笑)
そんなこんなでまたもやパワーを頂き、重い身体を引き上げ続けた。
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
摩耶山(掬星台) | 156.0 | 11/17 11:49 | 34:52:00 | 5:49:00 |
もうすぐ掬星台という所でじっとこちらを眺める男女二人組がいる。まさかなぁなんて思ってると、あ!あれは!!
カツオさん&カツオクさん!! |
独りでヒッソリと始めた六甲2往復チャレンジにも関わらず、twiiterでのたくさんの方が反応してくれたり、実際に現地まで応援に来てくれた方がいることが大きな支えになったことは間違いない。自分ができる最大限のお礼は...最後までやり遂げることしかない!
掬星台はそのまま通過し、極楽茶屋で最後の補給をすることを餌に黙々と進み続けた。ロードであってもさすがに登りになると歩いてしまう状態だったが、その分平坦や下りは頑張ろうと足を回転させ続けた。
距離 | 時刻 | 経過時間 | 区間タイム | |
六甲最高峰 | 165.2 | 11/17 13:42 | 36:45:00 | 7:42:00 |
— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 17, 2019
ちょうどお昼過ぎとあってか山頂はハイカーで溢れていた。何だろう。この感覚は。まるで異なる時間からタイムスリップして来たような場違い感。自意識過剰かもしれないが、写真だけを撮ると早々に山頂を退散した。
とは言え、早々に退散した理由は他にもあった。
ぶりぶりぶりぶり
驚くほどの量。そして驚くほどの健康的な色と形。肉体的には確実に疲弊のピークになっているはずなのに何なんだこれは。2回に分けてようやく流れた。
FINISHまで残り12km。ここまで来たら長かった旅もいよいよラストだ。うまく走れれば4本目を10時間ギリできる!最後まで持ってくれ!そう願いながら東六甲縦走路に足を踏み入れた。
んが、
子ども達の大集団につかまるぅ( ˙-˙ )
小学生〜中学生を中心としたYMCAの大集団が偶然にも宝塚へ下っているところに出くわしてしまった。引率の先生も入れたら総勢50名超。ザレ場もあるので最初は危ないからいいよ〜なんて言ってたが、ずっと遠慮してたらホントに日が暮れてしまう。子供達も慣れているのか伝言ゲームのように声かけをして通してくれた。それにしてもYMCAの子供達の中には重いリュックを背負って走って山を下る子がいたりと結構凄い。普通の小学生なら宝塚までの長い下りはとてもじゃないが歩けないだろう。
YMCAの大集団を抜いてからは逆にペースアップ。100マイル以上も走っているのにこれだけ走れるのが不思議だった。やはり深夜のペースダウンはまだまだ改善の余地がある。あの時間帯(24時間前後)をどう克服するかが超長距離をやる上では大きな課題だ。
あともうちょい...
あともうちょい...
塩尾寺に着くと故郷に帰ってきたかのような安堵感に包まれた。展望台のような場所から市街地が見えると長い長い旅がようやく終わりを迎えることを実感した。と言っても同じところを何度もウロウロしていただけなので旅という言葉には語弊があるけども。。
六甲全山縦走2往復。最初は馬鹿げた発想で始めたことだ。本当にできんのか。ただそれだけが動機だったと思う。しかし実際にやってみるとできるできないの問題ではないことに気づいた。やるかやらないか。ただそれだけだと思う。結果的にできる時もできない時もあるだろう。しかし、やらなければできるできないも存在しない。これからもチャレンジすることを諦めないでいたい。そう確信できた長い長い旅だった。
なんとか六甲全縦2往復達成— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) November 17, 2019
とりあえず無事に家帰れるよう頑張ります(笑)
皆さんの反応がマジで心の支えになりました!
累積は12000くらいっす😱 pic.twitter.com/5PIgJiRz7S
FINISH!!
六甲全山縦走2往復
<宝塚駅〜須磨浦公園駅〜宝塚駅〜須磨浦公園駅〜宝塚駅>
総距離:176.4km
累積標高:12233m
タイム:38時間46分
photo by カツオ氏 ここまで読んで下さりありがとうございます 次回は3往復でお会いしましょ〜orz |
単独!六甲全山縦走2往復!!〈176K〉
全4編
完
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コメント
ひゃっほいさんのブログは読めば読むほどチャレンジしたくなりますね。
熱湯風呂に飛び込む勇気を与えてくれる感覚でしょうか。
2往復、、、ちょっと興味が出てきました。ヤバい。押さないでください 笑
/河畑
次回は岩湧3往復サブスリってくださいね♪
いつも読んで下さり嬉しいです!やはり読者は河畑さんを筆頭に変なオッサンばっかりや(笑)
サイル前のチャレンジ期待してます!
や~(^^)//
やるかやらないか!今夜から頑張ってくるわぁ
コレやっつけとくとだいぶ心のゆとりができますよw
まじで応援してます!
頑張ってくるわ!13日昼に待ってるで(笑)