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長崎橘湾岸スーパーマラニック秋H部門〈320K〉2019 ④レースレポ2
<<①結果報告
<<②レース結果概要
<<③レースレポ1
今回は女神大橋エイドから茂木CPまでの様子をお届けします!
【レースレポ2】
▶︎▶︎女神大橋エイド65km → 茂木CP159.2km
深夜のR499を黙々と南下して行く。深夜なので車通りは少ない。気温もグッと下がり、走っていなければこんな格好じゃとてもじゃないがいられない。普段なら65kmも走っていればそれ相応の疲労感が襲ってくるが、320kmも走ると言う頭があるのでまだ30kmくらいしか走ってないような感覚だ(この感覚は超ウルトラをされる方なら理解してもらえるかもしれない)。
確かこの辺りだったような...
江川交差点で右折し伊王島方面へと進路を変える。そのまま道なりに進み続ければオーケーなのだがコースミスが怖いので何度もGPSで現在地を確認する。
ヤベェな...
少しペースが落ち始めているのが分かる。こんなとこで失速するはずがないと事実を認めたくないのか足の回転数を上げて誤魔化し続けた。
伊王島大橋を渡り、右手に立つリゾート施設を眺めながら灯台を目指す。砂浜を進み続けてしまいちょっとだけロスト。。魑魅魍魎が息を潜めていそうな階段を上がって行くと...
距離 | 時刻 | 経過時間 | |
伊王島CP | 82.2 | 11/02 4:38 | 7:38:00 |
伊王島灯台 |
坂もっちゃんに励ましてもらいながらパウチを済ませると来た道をすぐに引き返した。復路は往路と別コースだ。しかし路面に矢印が引いてあるので迷いようがない。下り基調とは言え微妙なアップダウンがあるので体力は確実に削られていく。
伊王島大橋を再び渡る(復路) |
香焼行政センターで右折し大籠方面へ向かう。夜明け前の辛い時間帯のせいもあってか、ここから連続するアップダウンに翻弄されまくった。キツ過ぎる...とにかくR499に合流することを目標にガンガン走り続けた。
夫婦岩越しに見える軍艦島 |
やっぱ誰もおらんか...
以下宿エイドに坂もっちゃんがいると勝手に思っていたのが失敗。まだザック内には補給食はあるがこのままエイドがなくて最後まで持つだろうか...心配になったのでコンビニに入り朝食とミニクリームパンを購入した。偶然にもここが前半最後のコンビニだったらしくラッキー。
歩きながら朝食を食べた |
国道から水仙の里方面へ右折し権現山を目指す。今日は漁がお休みなのだろうか野母漁港は静まり返っている。途中で道が怪しくなったので漁港にいたよく日焼けしたおじさんに道を教えてもらった。
権現山の登山道(舗装路)は2kmで標高差200mを一気に登る。ここは歩こうと決めていたが、遅れを取り戻すかのように思わず走り続けてしまう。早朝登山を日課としている地元の方々に挨拶していると嘘のように元気になる。
距離 | 時刻 | 経過時間 | |
権現山CP | 113.6 | 11/02 8:00 | 11:00:00 |
権現山展望台 このあとスマホの電源が落ちた |
次なる目的地は樺島灯台CP。距離は11km弱。ここは比較的平坦なのでしっかり走らなければならない区間だ。よし!気持ちを切りかえて淡々と走り続けた。
お!道分かった??
樺島漁港に入った頃だったかな。軽トラに乗ったおじさんに声をかけられ振り返ると、あ!!あの時の!!その方は権現山を登る前に道を聞いたよく日焼けしたおじさんだった。偶然にも方面が一緒だったらしく声をかけてくれた。
無事登れましたよ!
ありがとうございます!!
全身に鳥肌が立ち身体がブルブルと震えた。何や、この感覚は!!道を尋ねたおじさんと偶然再会して声をかけ合っただけのこと。他人から見れば何をそんなことで大げさなと思われるかもしれない。でもこの時に感じた心を揺さぶる熱いものは自分が超ウルトラをやる真髄を垣間見た瞬間だったように思っている。
タイム?
順位?
完走?
結果?
そんなものはどうだっていい。
もちろんそれらが走る上での目標であり大切なことには間違いない。でも違う。自分が目指すものではない。肉体が追い込まれ心が空っぽになった時に突如として注がれる熱いもの。それは今回のように美しいものとも限らない。それは恐怖という形でやってくるかもしれない。
そんなしょうもないことを考えながら、すでに閉鎖された樺島公民館を通り過ぎ、ゆっくりと、しかし着実に樺島灯台に向かって登り続けた。
距離 | 時刻 | 経過時間 | |
樺島灯台CP | 124.3 | 11/02 9:18 | 12:18:00 |
ここまでくると前半の中間地点である茂木エイドがようやく見えてきた。茂木まで35キロ。とにかく茂木まで行けばなんとかなる。明らかにペースは落ち始めているが、茂木にさえ行けば復活できる。根拠は全くない。だがそう信じてとにかく進むしかなかった。
川原エイドへ向かう登りで思わず歩いてしまう。まさかこの距離で歩いてしまうとは。歩いてると日中にも関わらず眠気まで襲ってきてしまう始末。ゴールまでの距離を考えるとまだまだ序盤やし、ちょっとペースが落ちたからと言って悲観することでもなんでもない。それは頭では十分分かっていたつもりだ。
なんとか登りきり、サイクリングロード入り口から下りが始まると少しずつ元気を取り戻した。
川原エイド(143km地点)はとっくに閉鎖されていたので脇道には入らず、坂もっちゃんのサポートカーの前で少しだけ休憩する。暑さによるものかとペットボトルの水を頭から被って出発する。
それでも一向にペースは上がらない。なんでや。辛うじてジョグはできているものの大きく失速しているのが手に取るように分かる。
お!誰か覚えてる??!!
ロードバイクに乗った方から満面の笑みで声をかけられた。
あぁぁあ!!!
白湯おじさん!!!!!
※白湯(さゆ)おじさんたる所以は2018春E217Kの記事を参照下さい
140キロ以上も走って初めての応援者との出会いは心底嬉しかった。よし!余計なことを考えずとにかく頑張ろう!!また気持ちを切り替えて茂木という桃源郷(勝手にそう考えていた)へと急いだ。
この区間もアップダウンが連続する難コースだ。歩きを混ぜながらも淡々と進むしかない。木々の合間から垣間見える海はとても美しい景色だったはずなのに感動する余裕すらなくなっていた。
このトンネルを越えたらもうすぐ茂木!!
先回りした坂もっちゃんが声援を送ってくれた。もうちょい...もうちょい...1キロくらい続く立石トンネルを走りきると待ちに待った桃源郷が見えてきた。
距離 | 時刻 | 経過時間 | |
茂木CP | 159.2 | 11/02 13:45 | 16:45:00 |
つづく
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