奈良周遊マラニックpart Ⅲ(近つ飛鳥・国見山・飛鳥・音羽三山・龍門岳・吉野) ③完結編

奈良周遊マラニックpart Ⅲ(近つ飛鳥・国見山・飛鳥・音羽三山・龍門岳・吉野) ③完結編



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更新が遅くなってしまいましたが完結編です!
いよいよラストの山パートへ突入。音羽三山、龍門岳の縦走ルートから吉野へ抜けるコースをお届けします♪





【マラニックレポ③】


▶︎▶︎音羽三山・龍門岳縦走トレイル 約14km
〈音羽山登山口〜音羽観音〜音羽山〜経ヶ塚山・熊ヶ岳〜大峠〜龍門岳〜山口神社〉



13時頃音羽山登山口に到着する。ここまですでに8時間、60km弱を走ってきている。疲労が無いと言えば嘘になるが、以前葛城山の麓から遠く見た山が今や目前に迫り、その山に入っていけるという喜びが疲労感をかき消してくれた。

最初はロードがつづく

ゆるい雰囲気に心和ませる筆者(30代アローン)

独特のゆるい雰囲気とは裏腹に勾配が徐々にきつくなり始める。いつぞや走っていた足は止まってしまい、ついにはパワーウォークスタイルでしか進めなくなる。顔を上げると九十九折の両脇に音羽観音と書かれた赤い幟が何本も立っているのが見える。じわっと出る汗に心地よさも感じながら登っていると大きなお寺が現れる。音羽観音寺だ。

手前の石段で掃除をするお寺の方がいらっしゃったので登山道について聞いてみると、「あちらですよ。ぜひお寺にも寄って行って下さい」と言われたので「はい、お参りだけさせて頂きます」と返答し石段を上がってみる。

境内には綺麗に色づいた大きな銀杏があり、雑誌かテレビか分からないが5,6人の撮影クルーが撮影されていたので邪魔しないように通らせてもらう。軽くお参りだけさせてもらい、先ほど教えてもらった音羽山の登山道へと入っていく。

音羽山観音寺


トレイルが始まる



『展望台からでも山頂に行けます』という看板があったのでそちらを選択してみる。こ、これは...ほぼ直登のような登り...しかしキツさとは裏腹に標高を上げれば上げるほど景色が良くなる。後ろを振り返ると、おぉぉぉぉぉぉ!思わず声が出てしまう。二上山から葛城山、金剛山の山塊が鎮座しているように見える。ようやく尾根に出ると勾配が緩くなり軽く走る。尾根の分岐では宇陀方面からでも登って来られることを確認する。気持ちよく走っていると山頂に到着する。


金剛葛城山系


音羽山(852m)
展望は無い

尾根道を快走できるかと思いきや意外と険しい道が続く。ガツンと降ってガツンと登る。「こんにちわ〜」ハイカー数組と出会ったのは確かこの辺りだっただろうか。経ヶ塚を越えると熊笹が多くなり始める。道は若干荒れ始めるが慎重に行けば特に問題はないだろう。大きな上り下りを何度も繰り返していると熊ヶ岳に到着する。

経ヶ塚山(889m)

山頂にあった案内図
一般的には熊ヶ岳はピストンになるようだ


熊笹
夏場は思いやられる


熊ヶ岳(904m)

無事音羽三山を登りきった後は大峠方面へと高度を下げていく。龍門岳へと続く縦走路はあまり一般的ではないのだろうか、極端に案内標識が減り始める。分岐でも標識がないこともしばしば。間違えないよう地図で確認しながら慎重に進む。


大峠
不動滝バス停に下山できるようだ

大峠ではどの道を選択すればいいか迷う。良くみると石標の裏に『三津峠・龍門岳』と書かれた小さな標識があるのでそれが正解。若干不安だったが踏み跡もしっかりあるのでこの先迷う心配はないだろう。ただ、途中に現れる巻道では足場の悪い箇所もあるので雨の日で滑りやすい日なんかは注意が必要だ。

三津峠
ようやく現れた標識

ここからは登りになる。鉄塔のある開けた緑の芝生が美しい。「こんちわ!」前から来た
ランナーの二人組と挨拶する。そして木の根でできた自然の階段を登ると小さな祠が見えてくる。いよいよ山頂だ。

龍門岳(904m)
高皇産霊神を祭る小祠に敬意を払う筆者(30代アローン)

龍門岳からは山口神社方面へと4kmほどを一気に下っていく。登りが終わった開放感からか思わずスピードが出る。トントンと足を小気味好く回転させながら流れるように下る。時折小川を渡る箇所もあったりと気持ちの良い道が続く。装備の手薄な中高年夫婦が登られていたがこの時間から登っていて大丈夫だろうかと少し心配になる。次第に川の音も大きくなり始めると松尾芭蕉も訪れたという龍門の滝に到着する。せっかくなので少し降りてみる。


龍門岳からの気持ち良い下り


龍門の滝
近くには7c後期に建立された龍門寺跡もある
ちなみに写真はtake2

しばらく林道を走って山を抜けると山口の集落に出る。太陽の傾き具合から夕方が迫っていることが分かる。このあたりは津風呂湖の近くで周回できるコースもあるようだ。寄ってみたい気もしたが、時間に余裕がなくなりつつあるのでそのまま吉野方面へと足を進める。




▶︎▶︎山口神社 → 吉野駅FINISH 約10km
〈山口神社〜吉野川〜村上義光の墓〜吉野駅〉




「お!マラソンの練習か?」国道169号線の裏道を走っていると地元のおじさんに声をかけられる。どうやら1週間後に開催される奈良マラソンの練習かと思われたらしい。「いえ、まぁそうっすね。山を走って来ました!」と返すと「頑張れよ!」と何よりもありがたいお言葉を頂いた。

吉野川を渡る


桜橋で吉野川を渡る。和歌山までいくと紀ノ川と呼ばれる一級河川だ。ちょうど日が沈む手前で夕日が眩しい。そのままR169の対岸にある細い道を淡々と走っていくと吉野神宮駅の踏切にぶち当たる。このまま終わるのも興が無いので少し地図を見てみる。よし。下千本近くまで登って七曲りで降りて吉野駅ゴールにすることにしよう。

吉野神宮からのルート


地図を眺めているとそのままロードで登るのもつまらない。ちょうど破線ルートがあるのでこれで行ってみることに。本当に道はあるのだろうか。小さな踏切を渡ると裏道に入っていける。人気のないかなり怪しげな雰囲気だ。ん?よく見ると獣の足跡がたくさんある。この大きさはもしや熊か? フゥゥー!!ちょっと通らしてやぁ!!奇声を出しながら恐る恐る進んでみると道は続いているようだ。入念に地図を確認しながら急斜面を直登すると舗装路に出た。


かなり古そうな踏み跡があった


そんまま舗装路を登っていくとピークに史跡があったので寄ってみる。太平記にも登場し後醍醐天皇の皇子の忠臣である村上義光の墓だ。親王の身代わりとなり、腹十文字に切って壮絶な最後を遂げたと言われている。寒さも増してきたのですぐに引き上げる。


村上義光の墓
左下に小さな甲冑が祀られている

吉野山の大きな駐車場を通り過ぎると観光客が一気に増え始める。若いカップルの多さに驚く。しかも全員どこかこう物静かでお洒落な雰囲気w。こんな寒いところで何してんだ?と思うが、相手からすれば短パンで走っているオッサンこそ何してんだ?と思われていただろう。もちろんそんな事は気にせず、お目当の七曲り坂を一気に下っていく。そして、下りきると今日のフィニッシュポイントとなる吉野駅に到着だ。


七曲坂
高低差85m

近鉄 吉野駅
FINISH!!
約80km
↑約3000m
11時間30分


駅前のトイレでささっと着替えると(もはや手馴れたものだ)、自販機でホットコーヒーを買い、待合所で残っていたあんドーナツを頬張る。そして近鉄電車に乗って帰路についた。









奈良周遊マラニックpartⅢ(近つ飛鳥・国見山・飛鳥・音羽三山・龍門岳・吉野)
全3編








コメント

むらです。 さんのコメント…
りょー君、お久しぶりです。むらです。
毎回楽しみにブログ拝見させてもらってます。
音羽さん観音寺ってあのNHKのやまと尼寺精進日記の舞台ですよね。
あの番組のゆるさが心地良くて最近はビデオに撮ってまで観ています。声をかけたのは誰か気になりますね。このブログを参考に今度行ってみることにします。

毎回とんでもない冒険記、いつも感心してます。野生動物こわないですか?
私もこのブログを参考に5月にアワイチ挑戦しましたが、ちょうど半分の80kmくらいで夜中に野犬に通せんぼされて断念しました。(苦笑)
自分のチキンさに辟易しました。でもまた来年機会があれば挑戦してみます!
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
むらさんご無沙汰しております!
あー!あの有名なやまと尼寺精進日記の舞台だったんですか!(すんません、今必死にググりました笑)ちょっと気になったのでこれからチェックしてみようかな。音羽三山だけでも行く価値あると思いますのでむらさんもぜひー!

いつもありがとうございます!冒険記と評してくれるのは嬉しいです。最近自分のやりたいことってマラソンでもトレランでもなく冒険(アドベンチャーでもなく)なんかもと思ってたところだったので。野生動物は怖いっすよ。前の熊野古道もプーさんいそうな雰囲気あったんで夜の山では叫びまくってます(笑)

アワイチ挑戦されましたか!あぁ街中で怖いのは野犬ですね。あれは噛まれたらヤバいですから撤退が正解やと思いますよ。またぜひ挑戦してみて下さい!デカイ島一周するという達成感はなかなか味わえないと思いますので。

コメント嬉しかったです。またむらさんを刺激できるような記事が書けるよう頑張ります(°∀°)