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2018 彩の国100マイル 〜レースレポート④ South1 後編 <完結>〜
今年もDNF(ToT)
レース概要とプロローグ
レースレポート①North編
レースレポート②トランジット編
レースレポート③South1前編
からの続きです
18:29(11:29経過)
2位
76.6km地点
竹寺ASを通過
あぁ、やっと着いた。今までとは全く異なる疲労感がある。身体が何かを訴えていたんだと思うがそれを聞く心の余裕は持ち合わせていなかった。エイドに並ぶ食糧を見ても食指は全く動かない。水分の取りすぎ、エネルギー不足が胃腸の気持ち悪さに拍車をかけていたと思う。でも何か食べなくては。。。
温かい味噌汁ありますよー!
あっっっつ!!
沸騰したて?(笑)仕方がないので水で薄めて飲む。これがめちゃめちゃ美味い!エイドの方と少し話しながら味噌汁をすすっていると疲労感が軽減される。その勢いでエイドを出るとロードをゆっくりと下って行った。
ロードを下りながらヘッドライトを準備し、パンを胃に流し込むように無理矢理飲み込んだ。ここが正念場!!頑張らんかい!!ヘッドライトの灯りをつけナイトトレイルに気持ちを切り替える。
でも
アカンかった…
何があったんやろ…この区間で…
急に進めなくなった。さっきまでの軽快さは消え去り、ただ目の前の真っ暗な登山道を黙々と消化していくような感じ。明らかな失速。焦りは募るが足がどうしても動いてくれない。
大高山から天覚山へはほんと酷かったと思う。下りまで走れなくなり全然辿り着かない。もちろんレースは諦めていないがこの先の展開をネガティヴにしか考えられなくなっていた。
必死で天覚山を越えると東吾野駅が見えてきた。ここでひとりのランナーに抜かれた。S原さんだ。もはや彼について行くことはできない。駅のトイレで水を浴びて自販機で炭酸水を買い少しでも気分を変えようとするも何も変わらない。よたよたと走ってエイドへむかう階段を登る。
20:48(13:48経過)
3位
87.3km地点
吾野神社ASを通過
1位 丹羽さん -16分
2位 S原さん -3分
3位 ひゃっ
4位 D井さん +数秒
※自分とのタイム差
この時この瞬間がターニングポイントだったと思う。それまでの調子の良さから一転、全く足が動かなくなり失速し始めたところ。でもまだ全行程の半分ちょっとだ。いくらでもレースを立て直すことができたはずだ。例えば、ザックをおろしてしっかり食べるとか。何なら15分くらい思い切って休息するべきだった。なぜそれができなかったのか(というかそんな事思いつきもしなかった)。
焦り
心のどこかで焦りがあったと思う。だから、足が死んでいるのにも関わらず、D井さんより先にエイドを出発するという謎の行動をとってしまった。
もちろんすぐにD井さんに道を譲る事になる。少しだけ会話した記憶があるがあまり思い出せない。ヘッドライトの明かりがどんどん遠のいていくのを茫然と見送る事しかできなかった。
なんとD井さんが結果的に優勝する!!
初100マイルでこの難コースを大会記録で優勝されるとは凄すぎる。
ほんとにおめでとうございます!!
さぁここからが地獄だった。数字で見た方が分かりやすいと思う。
10.7km 3時間10分
次の桂木観音エイドまでほぼ歩きだ。時に登りで苦しくなって座り込んだりもした。動けなくなると寒くなってレインウエアを着た。記録を見返してみると8人のランナーに抜かれている。その中にはうさかめ君の姿も。抜かれる時に元気づけてくれたので頑張って後を追ってみたが、もはや足が前に出てくれない。心身ともに弱りきり身の安全まで考えるようになる始末。情けなさが一層メンタルをボロボロにしていく。
うさかめ君は昨年に引き続き今年も完走を果たす!!
彼の山の強さの秘訣はなんだろう。
今度会った時小一時間ほど問い詰めてやりたい(笑)
もう辞めたい
こんな調子で3周目にいけるはずがない
完走に頭を切りかえろ
100マイルは完走する事に価値があるんちゃうんか!
たとえ3周目に行っても途中でくたばるなら2周目で終わっても一緒やん
そんなんで納得できんのか
おい、聞いてんのか?
おい!!
そんなとりとめのないやり取りを傍観しながら真っ暗な登山道をとぼとぼと歩き続けた。それはもうほんとに長かった。
23:57(16:57経過)
11位
98.0km地点
桂木観音ASを通過
正直に言おう。このエイドにたどり着いた時、リタイアする事をもう決めてしまっていた。もちろん、相変わらず「そんなんでええんか?」と説得する声は頭の中で鳴り響いていたが全て完全無視。もう何もかも諦めていた。温かいシチューを食べながらもう自分はこれを食べる価値もないんだろうなと考えていたが、あまりに美味すぎて2杯目まで頂いてしまった。
とにかく無事に2周目を終えよう
ここからは、ただただひたすら歩き続けたとだけ書いておく。そうだ。大高取山山頂手前にある展望台で写真を一枚撮った。
2周目で撮った唯一の写真。もう一度ここまで戻って来るなんて考えられなかった。
2:11(19:11経過)
14位
106.3km地点
ニューサンピア埼玉おごせにIN
ありがたいことに小江戸大江戸の時にお世話になったスタッフの方に励まして頂けた。少し考えさせて下さい。そう言って体育館へ。一応3周目に行けるよう装備を整えたりしてみたり、着替えてリフレッシュしてみたり...
3周目を15時間以内で行けばギリギリでも完走できる
今の感じだと歩き倒す事は明白だった。途中で動けなくなる危険性だって十分にある。それでも行くか。行かないか。
もちろん、この時に『行く!』という選択肢をとっていれば完走できたかもしれないし、途中でくたばりはしたものの「やるだけの事はやった!」と胸を張って言えたかもしれない。
でも自分はそのどちらの可能性も捨てる事を選んだ。それが正しいのか間違っているのかはよく分からない。その時その瞬間自分の中で下した決断であることは確かだ。
ありがとうございました...
計測バンドを腕から外すとスタッフの方に手渡した。こうして自分の100マイルレースは終わった。
【編集後記】
ふぅ
やっぱDNFしたレポは筆が進まん^^;
あの時こうしていれば!
とか
あの時なんで頑張らんかってん!
とか
色々レース後考えたりしましたけど、もう一回全てが同じ条件で同じ状況に置かれたとしたら、やっぱ結果は一緒やったとレポを書きながら思うようになった。
要するに、
自分はあのペースで100マイルを走りきる力がなかった
ということやろな。
もう一度100マイルレースに挑むんなら、もっともっと練習をせんとアカン。数打ち当たるで走ってれば、必ずやもう一度同じ結末を迎えるやろうな。
シンプルに黙々と練習に取り組まんかい
この経験を無駄にせんためにも。
2018 彩の国100マイル
全7編
完
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