弘前6日間走 2024 ①結果まとめ

OSJ ONTAKE100 2019〈100マイル〉③レースレポ前編〜転落〜

OSJ  ONTAKE100 2019〈100マイル〉③レースレポ前編〜転落〜



<<①レース結果概要
<<②まえがきとスタートまで
④レースレポ後編〜葛藤そして逃避〜>>

お待たせしました!

と言ってもDNFしちゃうレポですしあんまり役立たないと思いますが、こんな奴もおったんやくらいの感じで読んで頂けると幸いです。それではいきましょう!






【レースレポ前編】


▶︎▶︎Start 0km → CP138km

photo by モモさん


地点kmsplitlap区間順位
Start00:00:000:00:00-

タッキー氏が運転する軽トラの先導車を追いかけるように、トップ選手たちが物凄いペースで飛ばしているのが見える。2,3名の選手は本当に速い。キロ4を切るようなペースだろうか。もちろん自分はそんなペースで走れる訳もないので先導車からジリジリと後退していく。

さて、どうしようか。

ついていくか、それとも、ゆっくりペースを上げていくか

ここ最近の傾向からして序盤からしっかり飛ばす方が結果に結びついている。あとは調子次第だ。キツければ落としたらいい。調子がよければそのまま突っ込んでみよう。

ちょうどウルトラ界のレジェンドである原選手が横にいる。どうやらかなりゆっくり入っているようだ。徐々にペースを上げて前に出ていく。

傾斜がきつくなり始めたところで丹羽さんもう一人のランナーに追いついた。丹羽さんとしばし談笑しながら走る。コースは昨年とは異なり、まずは前回の第3ループを逆走していく形だ。あの鬼のようにキツかった第3ループの記憶を必死で思い起こしてみるが全く思い出せない。

そのまま走っていると自然と前に出た格好になった。もう一人のランナーはしっかり背後に着いている気配を感じながら淡々と登っていく。やはりテンションが上がっているせいか昨年とは明らかに速い入りだ。少し不安になるがどこまで自分を追い込めるか楽しみでもある。そんな気持ちになるくらい調子の良さを感じずにはいられなかった。もう一人のランナーからは「いいペースですね〜」と言われた記憶がある。

すると前方にランナーの姿(ヘッドライトの灯りで見つけやすい)がチラチラと見え始めた。と言ってもまだ始まったばかり。急いで追いつくようなことはせずマイペースを維持する。

追いついたランナーはなんと...

重見高好選手!!

ご存知の通り、神宮外苑24時間の大会記録保持者(269.225km!!)であり、スパルタスロンをはじめ数多くの長距離レースで結果を出している超有名なウルトラランナーだ。しかし自分なんかが彼に追いつくのはありえない。トレイルの登りは苦手なのだろうか。あえて抑えているのか、それとも調子が悪いのか。挨拶をしてそのまま先行させてもらう。

ピークの真弓峠?に到着したのが1時間ちょいくらいだったかな。明らかに速いペースだが息が上がる気配はない。そのまま下りに突入する。アフォみたいに飛ばすことはせず怪我しないよう淡々と駆け下りていく。場所によってはガスが濃く足元が見えづらい。背後に重見選手の気配はあるが自分を抜き去ろうとはしない(彼のスピードならぶち抜くことは容易だったはずだ)。

ぐんぐん下っているとまた前にランナーの灯りが見え始めた。

あ!あの方は!!

今年(2019)のUTMFにおいて、最後の最後で抜きつ抜かれつしたバンダナのランナー(以降Y本さん)だ。向こうは自分のことなど覚えていらっしゃらないかもしれない。そのまま交わして先行させてもらう。


AS(24km地点)を2位?通過


雨のため気温も低かったせいもあり水はほとんど消費していない。なので補給することなくそのままスルーする。おそらくこの時点で2番手を走っていたと思う。1番は最初から物凄いペースで走っていたM野選手(結果的に優勝される!)だという情報をチラリと耳にしていた。

スタッフの方「次のエイドまで14キロですよ〜!!」

とりあえずCP1である次のエイドを目標にして走ろう。最初から1時間ごとにジェル、2時間ごとに固形物(自作のピーナッツバターロール)を欠かさず摂取する。雨は止みそうな気配は全くない。

30km地点と書かれた標識を通過した時に時計を見る。2時間40分くらいだったと思う。やはり飛ばしすぎか。でも大丈夫。無理している感覚はない。

誘導員の方「右に登ってくださーい!」

軽トラの横に立っていたスタッフの方に誘導してもらう。登りが始まる。ガスは濃くなり始め雨も強くなっていた。


...


先に結論を言っておこう。

この後コースアウトしてしまう。
それも物凄く。

おそらく誘導してもらった所からしばらく走ったところで直進する所を左の側道へと入っていってしまった。後にコース復帰した時に確認したがここには矢印の標識はなく、テープだけがぶら下がっていた。おそらく濃いガスの中を下を向きながら走っていたため分岐になっているとは気づかなかったのだと思う。

コースアウトした箇所をまとめておく。

全体図


ロスト箇所拡大図


高低差図

コースアウト距離 14.5km
コース復帰までの時間 約2時間



話を戻そう。とにかく左の道へと入って行ってしまったのだ。もちろんこの時当の本人は分岐になっているとは思いもしない。延々と続く登り。ここで後ろと引き離せるかも...なんて思ってペースを維持。

しかし背後にはランナーの灯りが一つ。このペースでもなかなか引き離せない。いや、むしろ少しずつ詰められているようにも思う。重見選手だろうか。とにかく次のエイドまでもうすぐ。そこまで頑張ろう!なんて思いながらぐんぐん登っていく。

ザァァァァァアア

この時一番の大雨。後ろからランナーが着たので道を譲る。重見選手ではなくY本さんだった。速い。徐々に離れていくが無理はしない。雨が強くなるにつれ肌寒さが出てくるがノースリーブにアームカバーでも動き続ければ大丈夫そうだ。

その時だった。

がががががっ!!!!

うわ!なんや!?

思わず急ブレーキ。2メートルほど前を右手の崖から白っぽい大きな塊(少なくともそう見えた)がなだれ落ちてきて、そのまま左手の崖に消えていった。

カモシカ?!

熊でなくて良かったと思う一方、あとちょっとズレてたら...そのままカモシカと崖に消えていっていたかもしれない(ちょっと大げさか)。

カモシカ事件の後も野うさぎやら小動物が突然出てきたりとなかなかの楽園っぷり。今思えば林道も少し荒れていたように思う。もちろんこの時自分がコースアウトしてるなど知る由もない。ん?ちょっと怪しいなぁ。などとつゆも思わない。

Y本さんはペースを巧みに上げ下げしているのか次第に背中が見え始める。そしてそのまままた先行させてもらった。時計の距離表示を見ると38kくらい。そろそろエイドかなんて思っていた時だった。

え?え?
マジ?

道がぬぁぁぁぁぁぁぁああああい
:(;゙゚'ω゚'):


ここまで続いていた林道が急に草木に覆われ、道が完全に閉ざされている。よく見ると草木の間に獣道のような道があるがまさかこんな所がコースになるはずない。雨足の強くなる中、Y本さんと顔を見合わせる。

ロスト...

ここで初めて自分たちがコースアウトしていることに気づいた。急いで今来た道を戻る。そういえば黄色いテープも見ていない。でも、一体どこで間違えたんや?!分岐などなかったはず。

Y本さんと協力しながら間違えた道を探すが一向にそんな場所は現れない。3キロ、4キロ。全然現れない。5キロくらい戻った所で急に寒さが全身を襲ってきた。Y本さんには先に行ってもらい、ファイントラックのアンダー、レインを着る。そしてまた走り始める...


一体どれだけの時間の労力を無駄にしたんや...

計10k以上ロストしているという事実を考えると、つい数分前まであれほど燃え盛っていた気持ちが一気に消えてしまった。そうすると身体は驚くほど動かなくなり、なぜか今まで痛んだことのない股関節に激痛が走って走ることさえもままならなくなった。

トボトボと下っていると大きな林道に出た。あ!間違えたのはここか!!矢印標識はなく進行方向に黄色のテープだけがぶら下がっている。見落とした自分が完全に悪い。それにしても片道7.5km。往復15km近くもコースアウトしていたという事実は精神的にキツすぎた。

コース復帰した時にはランナーの姿はない。もう最後尾のランナーにまで抜かれたのだろうか。神隠しにあったような気分にさえなった。とにかくCP1まで行かなければ。誰もいない林道を歩いて進んだ。こんな考えを抱きながら。

もう辞めよう...




地点kmsplitlap区間順位
CP1385:33:555:33:55199


無事CP1に到着にするとY本さんの姿を探してみるが見当たらない。自分とは違って果敢に巻き返しをはかっているのだろうか。すごい精神力だ。それにしてもやたらランナーで賑わっている。どうやら100Kランナーのトップグループが通過している時間らしい。リタイアしようかとテントを覗いてみると、寒さで震えているマイルのランナーが数名いる。

おい、ひゃっほい
貴様はロストしたくらいで辞めるんか
何を今までやってきたんや

自分は低体温症にもなっていない。ただただロストしてほぼ最下位に転落しただけだ。よくよく考えればただそれだけのこと。何を弱気になっとるんや。それにまだ関門時間に引っかかっている訳ではない。
※第一関門は6時間。およそ25分前に到着したことになる。


次の関門まで14km。3時間もあるから大丈夫!
しっかり食べて行って!!

エイドの方に背中を押してもらう。
おにぎりをひとつ手にとり、とにかく次のエイドを目指してみることにした。



つづく



〜おまけ〜

レース後個人的に連絡を頂いたことだが、マンジューさん(その②で登場)も同じ所でロストしたらしい。どうやら先に降りたY本さんにコースアウトしてることを教えてもらい折り返したが時すでに遅し。関門の30分前に到着されたようだ(自分と会うことはなかった)。また、あのカモシカ。おそらく自分が遭遇したものと同様だと思われるが、なんとそのカモシカにタックルされたとの事(笑)うまく交わして事無きを得たようだが。。





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コメント

たか さんの投稿…
道が途切れてなかったら、そのまま行ってたんかな。お疲れ様ー
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
そのまま行ってました(笑)
エイドがそろそろだったので流石に気づいてたとは思いますけど。
神戸で完全燃焼してきます!