2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

OSJ ONTAKE100 2019〈100マイル〉④レースレポ後編〜葛藤と逃避〜

photo by パティオさん

OSJ ONTAKE100 2019〈100マイル〉④レースレポ後編〜葛藤と逃避〜


<<①レース結果概要

<<②まえがきとスタートまで
<<③レースレポ前編〜転落〜


お待たせしました。いよいよ完結編となります。
大幅ロストしてしまった前編がレポのメインですので、後編はさくさくっと書いていきま〜す。それではお時間のある方はお付き合い下さいませ〜。






【レースレポ後編】


▶︎▶︎CP138km→CP252km→CP386km



地点kmsplitlap区間順位
CP1385:33:555:33:55199

まだ38km地点だってのに(自分はすでに53キロも走っているが)驚くほど足が動かなくなっていた。必死で足を回転させてみるも全く走れない。つい数時間前まであれほど夢中になってレースを楽しんでいたというのに。

登りを快調に走っていく100Kランナーに道を譲りながらトボトボと歩く。"完走を目指したらええ"と何度も気持ちを切り替えようとするが、身体の奥にある熱源はすっかり冷え切っていた。


あれ?りょーくん?大丈夫??

あ!オーシャン殿!!
画像はレース前のオフショット

当ブログではもうご紹介は不要ですね。今年も自作ワラーチで100Kを走るオーシャン殿は10時間台という快挙を果たされる(おめでとうございます!)。もしワラーチ部門なるものがあるとすれば堂々の1位ではないだろうか。

オーシャン殿と会えたことで少し元気が戻るが、ワラーチの後ろ姿が遠くなるとまた元に戻ってしまった。あぁ。こんなはずでは...(いつまでクヨクヨしてんねん!)


地点kmsplitlap区間順位
CP2528:14:072:40:12157

ほとんど歩き続けてCP2に到着。たった14km移動するのに2時間40分も要してしまった。

もうやめよう!やめや!やめや!!

半ば投げやりな気持ちもあったが実際に辞めた所でリアルな問題もあった。
それは...

・今辞めても風呂も開いてへんし寝る所もない
・ドロップバックが戻るのは16時以降

以上を考慮すると、とりあえずドロップバックを回収できるCP3まで行こうという結論に至った。こんな時に妙に冷静な自分が情けなくもあった。

そして折り返しへ
※この折り返し区間がCP2に入る前なのか後なのか記憶がない

この区間はランナーとスライドできるのだがこんな所をトボトボと歩いている自分が情けなくもあり前から来るランナーと顔を合わせることができなかった。キャップを深く被っていたくらいだ。

すると...

目の前に転倒して呆然と此方を見つめる女性ランナーの姿が。

大丈夫っすか?!

急いで駆け寄ると手や足、顔から軽い出血が。少し広い所に移動して救急セットを取り出し救護を行う。突き指っぽい症状があったが、運よく骨折などはなく、また頭も打っておらず軽傷で済んだようでよかった。
※決してこの女性ランナーが若くて(20〜30代?)綺麗な顔立ちのランナーだったから救護したわけではない(笑)目標は12時間切りとおっしゃられていたが無事果たせたのだろうか。もしこれ見てたら連絡下さい(笑)



もうすぐ折り返しが終わろうかという所で...

photo by モモさん
おとっつぁん!!

おとっつぁんも紹介はいいですね(笑)声をかけると「なんでこんなとこおんねん!」という表情。還暦を過ぎたおとっつぁんは惜しくも年代別優勝を逃すも無事完走を果たされたから凄い!!


この頃にはすっかり明るくなっていた。マイルのトップ集団は今頃どのあたりにいるのだろうか。あぁオレも戦いたかった...自分も一緒に戦えない悔しさだけが募る。

自分が今できることは完走を目指すことなんか?
完走することが全てなんか?
誰だってアカン時もあるやん?
こんな状況で完走することに意味なんてあるんか?

こんな訳の分からない葛藤をしていると何故か足が動き始めていた。もちろん全然レースモードの走りではないがこれまでとは少しだけ違う。とにかく流れに任せて走ったり歩いたりを繰り返し続けた。

CP3まであと7〜8キロという所を淡々と走っていると、突然背後から周囲とは明らかに違うペースで快調に走る100Kランナーに突然声をかけられた。

え?!パティオさん??!!

失礼ながら後ろ姿を見た時は白人の外国人選手かと思っていたのでめちゃめちゃ驚いた(笑)パティオさんパルさん繋がりで一度だけお会いしたことのある方。同じレースに出ることもしばしばだがここ数年お会いしていない。まさかここでお会いできるとは!!しばし談笑しながら並走。どうやらカフェイン効果で現在フィーバータイムらしい。至福のひととき。

そういやパルさんを見てないですねぇ

なんて話をしてると目の前に見覚えのある背中が。.

photo by パティオさん

あれ?!パルさんやないっすか!!

これを奇跡と呼ばずなんと言おう。奇跡的にも3人がここで揃うとは。エイドまでもうすぐという所で、次第にお二方についていくことができなくなってしまう。その後お二方は見事完走を果たされた。


激しい空腹を感じながらドロップ地点となるCP3へ。




▶︎▶︎CP386km→AS114kmリタイア



地点kmsplitlap区間順位
CP38612:50:284:36:2126


なんだか見覚えのある場所だと思ったらここは昨年までのCP1(ループ2)と同じ場所。この頃にはすっかり雨は上がり、大勢の100Kランナーがブルーシートの上でそれぞれの過ごし方をしている。ドロップザックを受け取り空いたスペースを探していると...

田辺さん!!

ミスターOSJこと田辺さんは2018OSJ年間シリーズのチャンプ。ゴールデンナンバーのゼッケンが輝いている。これまでにもKOUMIや山中温泉などで何度かお会いしている。いつでも明るくて何があっても絶対諦めない強いランナーだ。

田辺さん「あれ?丹羽くんもさっきループ終えて行ったよ〜(どうやらロストしたらしいよ)」
ひゃっ「マジっすか。実は自分、まだループ終えてないんすよ」

みたいな会話をした記憶がある。丹羽さんもロストしたのか。それでもまだループも終えていない自分とは恐ろしいほどの差ができている。俺は何やってんだ。田辺さんからは「こんな疲れてる顔見たの初めてやわ」と言われてしまった。
※丹羽さんは結果的にアクシデントにも負けず20時間ギリで総合9位。あぁ負けてしまった(涙)次こそは?!!


靴下を履き替え(ワセリンをヌリヌリ)、今晩に備えてシャツもメリノウールTに着替える。補給食もザックに入れて缶コーヒーとあんぱんをゆっくりと胃の中に入れる。

俺はもうここでやめるわ!
ダメージ負ったら次に関わるしここで辞めるよ!!

そんな100Kランナーの声がちらほらと聞こえてくる。彼らの声を聞いていると、なぜ自分は完走を目指さないといけないのかよく分からなくなってきた。この先進んだとしても、彼らと同じようにここで辞めるのと一体何が違うのだろうか。もうよく分からなくなってきた。

ただ一つ確かなことがある。
それは...

自分は元気だ
それも凄く(笑)

確かに、気持ちが身体と全くリンクしていなく足も動いていない。疲労感もある。ただ、身体の中にエネルギーがあるのをありありと感じるし内臓だって全然元気だ。それもそのはず。まだ86km地点(自分はすでに100k走ってきているけども)。まだまだ序盤。今までのことを考えるとこんな所でグロッキーになるはずもない。とにかく気持ちがノッていないだけなのだ。

エイドでの滞在時間はおよそ40分くらいだろうか。ゆっくりと一通りの準備をするとエイドを後にした。下っていると快調に走る女性のマイルランナーに抜かれた。次の関門時間を聞くと、CP4は18時間とのこと(丁寧に教えてくれた)。ただギリギリに着いたら残り42kmを6時間以内で走らないとダメやから厳しいよぉと釘を刺された。確かに。今の足とモチベーションでは絶望的だ。


しばらく下った所で100マイルは第1ループに誘導される。せめて関門1時間前には着ければ可能性はあるかと走れるところは頑張って走ってみるがめちゃめちゃ遅い。信じられないくらいに足が動かず歩いてしまう。完全に身体が甘えきっていた。それでも同じように制限時間と格闘しているマイルランナーを少しずつ交わしていく。おしゃべりしながら。

真っ暗闇の幽霊トンネル(そんな名前か知らんけど)を通り過ぎ、登りに差し掛かった所で一人のランナーを抜くと声をかけられた。

Fさん「ひゃっほいさん?!」

Fさんは過去にSTMのルート調査で京都トレイルをハイクしている時に声をかけて頂いた方(これであの時の!となった方は当ブログ検定準1級クラス笑)。Fさんは京都マイラーズの方で、レース後に当ブログを読んでくれているという奇異な方をご紹介して頂けた。

→→ 参考記事 【utgk調査第11弾】ULハイク54K<京都トレイル>


ほぼ歩きながら登りを終えると先ほどのドロップ地点であるCP3へ戻ってきた。今回は水分だけを補給し止まることなくすぐに出発する。そしてまた5kほどを下っていくとループを終えて滝越AS(114km地点)に到着した。




kmsplitlap地点
AS114DNF--


このエイドは別名そうめんエイド。自分はここが最終関門であるCP4だと思っていたがどうやら違っていた。ここに到着したのがちょうど17時間くらいだったと思う。エイドに到着するなり我が目を疑った。

BUNさん!!
画像はスタート前


こっちもだいぶビックリしたが、それ以上に自分を見て、「えぇぇぇえええええ!まだループも終えてないんか!!!」と絶叫するBUNさん(笑)

どうやらBUNさんはすでにリタイアを申告したとのこと。足の調子が悪く練習できていないのが原因らしい。ここでしばらく作戦会議。ここで分かったことは、どうやらこの先リタイアできる場所がなく、最悪自力でスタート地点に戻らないとダメとのこと(真相は不明だが)。今のペースだとギリギリ完走できるか微妙な所。もちろんそれなりのペースで走れなければアウトだ。

photo by BUNさん
だいぶひどい顔してるな...


どうしようか。時間は刻々と過ぎていく。完走を目指すなら今すぐにでもエイドを飛び出さなければ間に合わない。

どうする...
ここで辞めたら今までの苦労が全て水の泡...

彩の国でも応援してくれたマイルランナーのTomomiさん(2017ONTAKE100K2位)ともここで会えた。彼女も足の怪我でDNFらしい。



どうする...



どうする...





チ〜〜ン
初めての収容バス



OSJ ONTAKE100 2019〈100マイル〉
全4編




▶︎▶︎その後

BUNさんカーで王滝の湯へ行って


王滝村のそば処さくら

googlemapで適当に探して行ってみたらこれが大当たり!めっちゃ綺麗なお店で、そば大盛り頼んだら3人前はあるんちゃうかという量。

あぁ完走してたらもっと美味かったやろなぁ
ズルズルぅ〜





コメント

K谷 さんの投稿…
毎回楽しく拝読させていただいております。
終わり方よ笑!久々にブログ読んで笑ってしまいました(申し訳ありません)ひゃっほいさんほどの方でも何があるかわからないのがトレイルランニングだなぁと改めて思った次第です。少し休んで、また次のチャレンジを楽しみにしてます\(^o^)/





ひゃっほい太郎 さんの投稿…
いらっしゃいませ~(笑)
いやいや笑って頂いて嬉しいです!今年は王滝村まで盛大にギャグってきました(°∀°)
次戦はどうなるか?!お楽しみに~(笑)