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第8回 小江戸大江戸200K 2018〈230K〉その⑦ 〜レースレポート小江戸・前編〜
【小江戸・前編】
▶︎▶︎スタート直前
朝7:30頃。スタート会場となる蓮馨寺境内には昨年にも増して多くのウルトラランナーで溢れていた。今年の出走者は200K部門が390名、230K部門が42名だ。先に言っておこう。このうち完走できるのは以下の通りとなる。
230K 完走21名 (完走率50%)
200K 完走245名 (完走率62.8%)
ここにいるおよそ半数のランナーがリタイアを余儀なくされる。それだけ超ウルトラは過酷なものであり、それはどれだけ鍛錬を積んだランナーであっても例外ではない。潰れてしまうかもしれないし、どこかに痛みが出て走れなくなってしまう可能性は十分にあり得る。身体的トラブルだけではない。「もう走りたくない」「辞めたい」と思ってしまったらそこで足が止まってしまう。夜間の寒さや睡魔で精神的に参ってしまいリタイアする者も多いはずだ。平等に起こり得るそんな不安を皆どこかに抱えているはずだが、スタート地点での彼ら表情にはそんなものは微塵も感じられない。それどころか、これからテーマパークへでも出かける学生のようにその表情はキラキラと輝いていた。
久しぶりにお会いするランナーと挨拶をしているとあっという間にスタート時刻が迫ってきた。
応援のいつホノっち(右)、のり天ちゃん(左)と♪
※彼女らにはレース中ほんとに助けられることになる
▶︎▶︎スタート→ 91.3km 7:50:07 avg.5'08/km
《川越〜吉見AS〜手島AS〜浄恩寺AS〜唐子AS〜川越AS》
photo by のり天ちゃん
3/3(Sat)
8:02 (00:00経過)
0km地点
川越蓮馨寺をスタート
計測器にリストバンドを当てた瞬間からタイム計測が行われる。このレースではいわゆるグロスタイムではなくネットタイムが採用されるので順位やタイムを真剣に考えている方は気をつけた方がよい(順位表彰のない大会だけれども)。昨年、自分は3番目にゴールゲートをくぐったものの、後からゴールしたランナーの方がスタートが遅かったため、公式には4位というなんとも後味の悪い結果となった(^^;;
ノリさん(ピンクのバイザー)
Wさん(黄色いウエア)
川越の古い町並みの中をノリさんとおしゃべりしながらゆっくりと走る。ノリさんは橘湾やオンタケなど長距離レースでよくご一緒する関東のウルトラランナーだ。やはり話題は新設された橘湾E部門について。すると、前方に超ウルトラ界の西の巨匠とも言えるあの方が。W(ダブル)さんだ。ブロガーとしても超有名な方なのでご存知の方も多いはず。ノリさんに紹介してもらうと、ここでも話題は橘湾に(笑) Wさんは故障明けとのことでどこまで走れるか分からないと仰っていた。
大きな交差点の信号が青に変わったところでグッとペースを上げる。体感的にはキロ5ちょいくらいだろうか。すると3人くらいのランナーがついてきた。周囲には田園風景が広がり、青空から太陽が元気よく降り注いでいる。土曜の予想最高気温は15℃。直射日光のもとでは体感的にもっと暑くなるだろう。心の底ではもっと暑くなれぇ!と願っていた。
5,6人が縦長の列に連なり心地よいペースで走っていると(200Kも230Kも皆ペースが速い!)、後ろから凄いペースで追い抜いていく全身黒いウエアのランナーが。「最後尾から来ましたがキロ4'45くらいで走っちゃってます」とまるで顔見知りのように突然話しかけられた(笑)見るとゼッケンカラーは黒。230K選手だ。
※ゼッケンカラーの黒は230K、赤は200Kランナー
「去年は途中でリタイアしちゃって云々…」聞いてもないのにめちゃめちゃ話しかけられる(笑)もちろん長いレースなので話しかけられるのは嬉しいが、相槌を打つ間もなくそのままのハイペースで駆け抜けていかれた。彼はタカケンさんという関東のウルトラランナー。彼とは後に死闘を繰り広げることになるのでぜひ覚えておいてもらいたい。
平成の森公園手前で3名ほどのランナーを追い抜く。その中にいたオレンジ色のバイザー、ウエアのランナーに不自然なくらいジロジロと見られる(笑)レース後分かったことだが、ありがたいことに当ブログの読者とのこと。駄馬キクさんとおっしゃる方だ。ナガさんに紹介して頂いた。ナガさんも駄馬キクさんも200Kを無事完走されることになる(おめでとうございます!)。
平成の森公園に入ると大きな声援で迎えられる。お礼を言うのも束の間、トイレに駆け込むと、何名かのランナーも同様にトイレへと雪崩れ込んできた(笑)その中に渋谷さんの姿が!!説明は不要だと思うが夢グレを連覇されているレジェンド的ランナーだ。昨年の200Kは21時間台(2位)でフィニッシュされている。
ひゃ「あれ?もっと前におられるもんだと思ってましたわ!」
渋谷さん「今年は故障中なんよ〜」
一緒に小便器に向かいながらそんな会話をする。「また後で!」と言って先行させてもらった。渋谷さんは故障中にも関わらず200Kを最後まで走り切り、23時間台でフィニッシュされているのは流石としか言いようがない。またどこかでお会いするのが楽しみだ。
土手に出るとギアをシフトアップして身体を巡行モードへと切り替える。心配していた風はあまりなく非常に走りやすい。かといってスピードを出しすぎるのも危険だ。手元の時計を見るとスタートから平均キロ5'15くらい。この調子この調子…
今年は迷いなく行けた分岐(右へ)
さくら堤公園
タッタッタッタ
背後にランナーの足音が近づいてくる。そのまま追い越して行かれるかと思ったらそのまま後ろにつかれた。特に後ろを振り返らなかったが、いつの間にやら足音は止んだのでそのまま離れていったのだろう。
9:50頃 (01:47:47経過)
avg.5'05/km
21.2km地点
吉見ASを5位通過
土手下へと誘導してもらいエイドに入るなり、渋谷さんも後ろからやってきた。ピュイっ。計測器にタッチすると目に入ったクリームパン1個と梅干し2個を掴むとお礼を言ってすぐに出発した。今回はエイドでの滞在時間を最小限にすることを最初から決めていた。
引き続き土手を走りながらクリームパンの旨さを確かめるようゆっくりと咀嚼する。しかし、あろうことか、カスタードクリーム感に満たされた口の中へ梅干しを放りこんでしまった。甘美な甘味と刺激的な酸味の融合。新たな扉を開いてしまった気がした。
この区間で2名の230Kランナーを抜く。1人の方はずいぶん年上のランナーのように見受けられた。ゼッケン番号が若いので過去に230Kを完走済みなのだろう。キロ5を切るようなペースにすごい人がいるもんだと感心したことを覚えている。今回は無事完走されたのだろうか。
玉作水門
10:47頃(02:44:34経過)
avg.5'01/km
32.7km地点
手島ASを3位通過
土手から一旦離れた住宅地の一画にエイドが仮設されており、自分が入った時には3,4名のランナーで賑わっている。ここでは水分を補給するとすぐに出発した。
エイドを出発するなり2名のランナーに追いつく。そのうちのひとりはだいぶ前にかなりのハイペースで追い抜かれたタカケンさんだ。ペースを落とされたのかなと思いきや少し後ろをついてくる。5〜10m離れた後ろから話しかけられる(笑)大声でこちらも返答。どうやら自分が昨年前半で突っ込んで失速したことをご存知の様子。もしかしてマークされてたか?(笑)
大きな交差点を渡り荒川土手沿いに入ってもその差は変わらない。一定の距離を置いてしっかりとマークされている?!もちろん翻弄されないようペースアップに気をつけてはいたものの、後で確認するとキロ4'50前後まで上がっていた(・_・;
土手から降りると砂利道や古墳群など景色が目まぐるしく変化するコースへと入る。道が入り組んでいるので不安だったが、白線や案内看板が要所要所では必ずと言って良いほどあるので助かった。それでも不安に襲われ何度も地図を確認していたのだけれども。
40kmを過ぎたことを確認するとジップロックに入れていたおはぎをザックから取り出して3つ口の中に入れる。うまぁぁぁあああ。きな粉の風味口いっぱいに広がる。それが田舎の風景と絶妙にマッチして全身が幸福感に満たされる。それは将来結婚して子どもが誕生する時の幸福感にも勝るかもしれない。←だいぶヤバイな(;´Д`)
フル通過は3時間32分くらい
背後の気配を感じなくなったので、曲がり角を利用して後ろを振り返ってみるとやっぱり差は変わらない(笑)このままずっとつかれるのはちょっとしんどいなぁと思った時だった。
タカケンさん「さすがにこのままでは持たないんでペース落とします!」
ε-(´∀`*)ホッ
少し安堵(笑)
R140
荒川を渡ると国道沿いを走る。さすがにフルを超えるとペースを落としたい気持ちが心の奥底で湧き上がるが、ペースが落ちないよう意識する。しかし国道に入ると信号で引っかかる回数も増え、否が応でもペースはかき乱される。
「頑張ってくださーい!!」
少し気持ちが疲弊したところで、私設エイドを開いてくれている女性の声援が。すると...あら不思議。
ふっか〜〜つ(笑)←単純
@玉淀大橋
そういえばタカケンさんとの会話でずっと気になっていたことがある。自分たちは先頭でなく、あるひとりの230Kランナーがずっと前を走っているらしい。
いったい誰やねん…
12:21頃(04:18:31経過)
avg.4'59/km
51.8km地点
浄恩寺ASを2位通過
ようやくこの浄恩寺エイドでその方に追いつくことになる。
つづく...
残り180.9km
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