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【utgk】STM 大失敗 エピソード④ 〜息ができない〜
結果報告エピソード①〜重すぎた!!〜
エピソード②〜経験不足〜
エピソード③〜指を見ていては月は見えない〜
からの続きです
STYファンの皆様大変お待たせしました(笑)
久々の更新です!
▶︎▶︎中山連山・石切山・五月山(宝塚〜箕面) 約24km 5時間32分
16:37(08:27経過)
43.5km地点
阪急宝塚駅を通過
オーシャン殿!!
※山の師匠と呼んでいる
すぐさま電話すると、なんと箕面まで一緒に走ってくれるとのこと。ただ、自分もここで待っていると身体が冷えてしまうので、後ろから追いかけてきてもらえるよう伝えると快諾して頂けた。
炭水化物on炭水化物
清荒神の登山口まで歩きながらコンビニで買った菓子パン2個と缶コーヒーを無造作に口の中に放り込んだ。すると胃も心も満たされ身体の奥底に火が灯り始めた。
清荒神清澄寺前の屋台
トレイルへ入る頃には真っ暗になりヘッドライトを装着する。SILVAのトレイルランナー2。一時は紛失し1年ほど手元を離れた時期もあったが奇跡的に見つかり戻ってきた。他メーカーの最新モデルと比較すると明るさ、持続力にやや難はあるものの軽量で装着感が良く信頼できるギアだ。
まだ身体は軽い。いいペースで登り、奥之院までもうすぐという所で下からヘッドライトの灯りが猛スピードで上がってくるのが見えた。
オーシャン殿「おー。追いついたよ〜。」
奥之院にて師匠と
18:06(09:56経過)
49.4km地点
中山最高峰を通過
師匠の勝負靴
inov-8 ベアグリップ200
笑
山やギアの話で盛り上がっていると、あっという間に(あくまで体感的に。実際はそれなりに時間がかかった)中山連山、石切山を走り終えた。川西能勢口のコンビニで休息をとると五月山へと二人で向かった。
五月山の登りで、ザックの許容をオーバーしている重みが肩や背中に負担がかかり、無視できないほどの痛みを感じるようになり始めた。また、登りがかなりキツくなり始めたのもちょうどこの頃。やはり重過ぎたのだ。それにひで吉さんの言う通り歩荷トレーニングがあまりにも不足していた。
▶︎▶︎東海自然歩道(箕面〜苔寺) 41.5km 12時間20分 ※2時間のツェルト休憩含む
22:10(14:00経過)
67.5km地点
政の茶屋園地(箕面)を通過
更新おそくなりました!— ひゃっほい太郎 (@hyahhoirunning) 2017年12月29日
22:10に67.5k箕面の東海自然歩道起点通過。山の師匠が中山連山で後ろから猛追してきました(笑)ありがとうございました! pic.twitter.com/FimgmhhvTl
師匠が黒過ぎて暗闇と同化し写真を撮るのが難しい。残念だが師匠とはここでお別れだ。真っ暗のトレイルへひとり足を踏み入れると疲労感が重石のようにドンっとのしかかってきた。
くそ...
こんなところで...
思わず登りで腰を下ろしてしまう。完全に予想外だ。今考えてみるとここでツェルトを張って仮眠し方が良かったのかもしれない。当初の計画通り深夜3時まで頑張ってから休息することに固執し過ぎてヘロヘロになるまで追い込んでしまい、結果的に一睡もすることできずリタイアに繋がったように思う。
泉原の湧水
12/30
1:10(17:00経過)
80.3km地点
竜王山を通過
摂津峡に到着すると寝床を必死で探し始めた。すでに予定時刻となる午前3時。一刻も早くこの石のようなザックを下ろしたい衝動に駆られていた。何箇所か平らな場所を見つけるも、ゴーゴーと水の音がうるさい上、冷気が充満していてとても寝れそうにない。
そうこうするうちに市街地へ出てしまった。市街地へ出ると何が困るかって、ツェルトを張る場所が無いってことだ。もちろん私有地に張りにくいっていうこともあるけど、舗装路だらけでペグダウンできない。いい場所を見つけても明らかに人の敷地の駐車場らしく、見つかったら警察沙汰だ。
キョロキョロしながら歩くこと数十分。辛うじて裏山らしき平らな場所を発見。民家が道を挟んで目と鼻の先にあるがこの際気にして入られない。
3:31(19:21経過)
90km地点(旗マークの箇所)
上ノ口付近にてツェルト設営
睡魔と疲労でヘロヘロの状態のまま設営に取り掛かる。寒さで手に力が全く入らず時間がかかる。何とか設営すると、荷物を中に放り込んで身体をすべり込ませた。
せ、せまい...
予想はしていたがやっぱり狭い。それに疲労でザックから防寒着を出すのも億劫なほどヘロヘロになっていた。辛うじてシュラフを取り出すと着の身着のままでシュラフに包まり横になった。
数分後。
はうあ!
※画像は特に関係ありませんがこのような表情になりました
い
いき...
息ができねぇぇぇええええええ!!
急いで入り口のチャックを開けると、そこから口だけを出して新鮮な空気を取り入れた。
ハァハァハァハァ。。
寒さを防ぐためツェルトの入り口を完全に塞いでいたがどうやらこれはNGらしい。後日調べてみるとストックシェルターには換気口がないため入り口部分を少し開けて換気する必要があるそうだ。しかしこれが曲者で、そこから冷気がスゥ〜っと入り込み、とても寝れたものではなかった。
目を瞑ってじっとする
時折背中にゾゾゾと寒さが襲う
意を決して着替えや簡易コンロでお湯を沸かした方が良かったのだろうが、この時もはや何も手につかないほどに疲れきっていた。その証拠に通常なら絶対に撮っているはずの写真を一枚も撮っていない。
もちろんこんな状態では眠れるはずもなく、えいやぁ!とシュラフから飛び出ると黙々とツェルトの撤収作業にかかり始めた。
5:31(21:21経過)
再スタート
結局きっちり2時間休息をとったことになるがそんな感覚は無い。もうなるようになれ!!と半ば自暴自棄な気分で重い荷物を背負うとポンポン山を目指した。寝てないとはいえ少し横になったことで身体が楽になったのか思ったよりすいすい進むことに驚いた。
バリバリという音が響く
しかしそれも束の間。舗装路の登りを終えトレイルに入った頃には身体が動かなくなり寒さが追い打ちをかけるように士気を奪っていく。こんなに長かっただろうか。進めど進めど山頂に着かない。標高を上げるにつれ積雪が増え始め、それらが朝の冷え込みでガチガチに凍りついている。眠気までが襲い記憶がぼんやりとしている。
7:24(23:14経過)
96.4km地点
ポンポン山を通過
うおあぁぁぁああー!!
着いたどぉぉぉおお!!
山頂に着くと自分の声を確かめるように声を出してみる。ポンポン山は何のことはない至って普通の関西近郊の山だが、まるで秘境の地に潜む未踏峰にでも登頂したかのような達成感に包まれた。
さぁいくか!!
ここからはついに京都府だ。早足で駆け下りていく。眠気が遠のくと少し身体が軽くなったような気がした。舗装路に出ると東海自然歩道の標識通りに進む。確か途中の自販機でお茶とホットカフェオレ的なものを購入したような気がする。
沓掛周辺から苔寺までのルートは市街地を通るのだが少しわかりにくい。所々に標識はあるものの初見では迷っていただろう。日が昇るにつれ気温が上がり暑くなってきた。桂坂公園内のトイレで顔を洗い、歯を磨く。そして着ていた上下のレインウエアを脱いだ。まるで甲冑でも脱いだように一気に身軽になった気がした。ここは住宅地にある普通の公園だ。子どもが遊んでいたり、近所の方が散歩していたりする場所だ。
まるで路上生活者のようだな
いや、
すぐにでも路上生活者として適応できるかもしれないな
というか、
路上生活を数週間でも経験する必要があるかもしれないな
なんてことを考えながら石のように重い荷物を背負うと、嵐山方面へ向かってゆっくりと走り始めた。
10:30(26:20経過)
119.3km地点
京都一周トレイル起点(苔寺)を通過
<<エピソード③
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