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長崎橘湾岸スーパーマラニック273 2017〈W部門〉〜レースレポート⑧完結編〜
〜結果報告〜
〜大会概要〜
〜まえがき〜
〜レースレポート①〜
いよいよレポ完結編!
最終回は雲仙温泉(260k)からフィニッシュ地点の小浜温泉(276k)までとなります。
10:10
34:10、14:10経過
260.3km、87km地点
雲仙温泉エイドを通過
蔵本さん!!
勇気を出してそう声をかけると「おー!ひゃっほい君!」と気さくに話しかけてくれた。100kウルトラを走っておられる方なら蔵本さんの名前を知っておられる方も多いはず。蔵本さんは100kサブテンを100回以上、フルサブスリーをなんと277回も達成されており、今なお現役バリバリというキングというかレジェンドというか超人ランナーです。今回はP部門でNさんの先行を許してしまいましたが9時間44分で準優勝されています。またもや安定のサブテンですね!(≧∇≦)
そんな偉人さんと挨拶できた喜びからか身体中の血が一気に煮えたぎる。ガソリンを入れるように素麺を2杯、目の前にあったドーナツを無造作に口に放り込んだ。深夜のくたばっていた時にたくさん話しかけてくれたボラのHさんが「元気になったな!頑張れよ!!」と満面の笑みで元気づけてくれた。
残り距離は約16km。現在34時間15分くらいが経過。P部門のMさんに「36時間を切れるよう引っ張って下さい!」とお願いをしてエイドを出発したのを覚えている。
エイドを出るとすぐにトレイル道に入る。九州自然歩道の一部で距離は700mほど。下りかと思いきや階段で結構登る感じ。さすがにすぐにゼェゼェと息が乱れるがスイスイ進むMさんの後ろをなんとか食らいつく。次第に下りに変わるが意外にも結構ガレているので気をつけなければならない。ただこの時はこのガレ具合が変化があってとても楽しかった。
トレイルから出ると一旦国道57号線に合流した後、ヘアピンカーブが連続する下り坂に突入する。この辺りはMさんと一緒にぶっ飛ばした。1kmごとにラップタイムを計測しているMさんが「キロ4分○秒!」と叫ぶ。これだけの距離を走ってきても、足が動くという人間の底力みたいなものに我ながら驚かされた。次第に細い林道のような道に変わると傾斜はさらに急になり、着地の衝撃がどんどん大きくなる。それでも足裏や膝なんかに痛みというものを感じなかった。麻痺していたのだろうか…
11:11
35:11、15:11経過
270.0km、96.7km
小浜木場集会所エイドCPを通過
エイドといってもこの時間帯は無人でドリンクの入ったクーラーボックスが置いてあるだけだった。チェックシートにパンチする。全てのチェックに穴が空いたのを確認するとようやく全てが終わろうとしているのを実感した。残り6.3km。ここまでぶっ飛ばしてきたおかげで36時間切りにはだいぶ貯金ができた。平均キロ7でも間に合う。
小浜トンネルを越えると最後の登りが現れた。少し気の抜けた身体にムチを打つ。
泣いても笑っても最後の坂や!
カッスカスになるまで出し切らんかい!!
登りきると小浜温泉に向かってゆるい下りが始まる。
すると真っ青な海が目の前に飛び込んできた。
あぁ
橘湾…
帰ってきた…
帰ってきたんだ…
全身が震えた。大会記録更新という目標には全然届かなかった。それは自分がフィジカル、メンタル面においてまだまだ未熟だった証拠なのだろう。でも眼下に広がる橘湾を眺めているとそれは大した問題じゃないように思えた。つよがりなのだろうか。いやいやそんなことはない。大事なのはここまで走ってきたこと。それが全てだ。
ほんとに色んなことがあった。
異常なくらい調子の良かった前半戦
胃腸の気持ち悪さによる初めてのリバース
何度も押し寄せる強烈な睡魔
そして
復活...
それらの裏には様々なランナーとの出会いや、ボラやスタッフの方の支えがあった。
不思議なのは一度たりともリタイアについて考えなかったこと。これは自分でも本当に不思議なこと。大会記録更新という大きな目標を立て、そのためにやれることはやってきたつもりだ。それだけに目標を達成できなくなった時「もう辞めたい!」と思っても何ら不思議ではない。今までの超ウルトラ系レースで後半死んだ時はほぼ全てでリタイアが頭をよぎっている。これは当ブログの熱心な読者なら同意して頂けるだろう。それが今回は考えもしなかった。なぜだろう。今レースレポートをまとめながら気づいたことがある。
レース中一番辛かったのはリバースした時と睡魔で全く進めなくなった時。この時、頭のどこかで現状を楽しんでいたように思う。
あぁダメだ
吐いてもうた
でも…
これが
超ウルトラなんや
(´Д` )ニヤニヤ
眠いぃ
あっあぶなっ
(ガードレール脇の木に突っ込む)
あぁ
これが2晩目の睡魔か
強烈すぎるわ
(´Д` )ニヤニヤ
のように。
それらは超ウルトラの世界の面白さ、真髄といったものを垣間見た瞬間だった。と同時に、自分の目指すべきものに光が差した瞬間でもあった。400km、500km走るランナーからすれば「何をこれくらいで」と一笑されるかもしれないが^^;
残り3km
残り1km
そして...
FINISH!!
《W部門》
276.3km
D+5728m
35時間53分25秒
総合1位/157名
完走者83人(完走率52.9%)
長崎橘湾岸スーパーマラニック273 2017〈W部門〉
全11編
完
♪おまけ♪
P部門完走のり天ちゃん
W部門完走のりさんと♪
W部門完走横田兄貴、なかちゃん
P部門完走バクシンオー、フッキー
P部門完走ジョージさんと♪
宴会
おねむのW部門完走吉野さん(笑)
翌日はトルコライス大盛りで炭水化物祭り
P部門完走Mさんと♪
最後までひっぱって頂きありがとうございました!
\(^^)/
コメント
確かにもう一ヶ月以上も前のことですね(笑)今頃感が半端ないっす。蔵本さんはお酒の席でも楽しい方だったので安心しました♪
ハイパー楽しみですね。もちろん出たいです!その前に来年春のE部門ですね。たけははさんと走れたらいいのですが♪