2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

【勇者の道120K】第20回 村岡ダブルフル 2017 〜レースレポート③〜

【勇者の道120K】第20回 村岡ダブルフル 2017 〜レースレポート③〜


〜準備編①〜
〜準備編②〜
〜結果報告〜
〜大会概要〜
〜レースレポート①〜
〜レースレポート②〜
からの続きです



▶︎▶︎80km → FINISH(120km)
《あけぼの山荘〜一二峠〜村岡小学校〜一二峠〜村岡小学校 3:51:36 avg.5'47/km》




12:03 (07:03経過)
あけぼの山荘付近を通過


80〜90km avg.5'36/km

ソーメンいる人いるー??

エイドに飛び込むと掛水用のバケツを真っ先に探す。暑い。登りを追い込んだせいかグロッキーになりかけていた。目についた飲み物(冷たいお茶やカフェオレなど)を数個手にのって飲み干す。

ソーメンいる人いるー??

パッと横を見ると、だいぶ前に抜かれたはずの44km王者の方がいる。あれ?何かあったのか?調子が悪そうだ。

ソーメンいる人いるー??

ようやくエイドのおばちゃんの元気な声が耳に入ってきた。あ!ごめん!食べたいけど大丈夫っす!!慌てて返事を返す。今考えてみると一時的に疲労がピークにきていたのかもしれない。


念入りにもう一度水を浴びる。おばちゃんにお礼を言って出発。さぁここからは下りだ。91.2km地点の水間エイドまで約10kmほど走りやすい区間が続く。キーになるのは下ってから5kmくらいある平坦なコースをきっちり走れるかどうか。

「うわぁ!勇者や!すげぇぇ!!」
「120キロの人や!すごぉ!」

このあたりでウォークに参加しているファミリーや子ども達、地元の中学生なんかのグループを追い抜きながら走ることになる。背中のゼッケンを見て勇者ランナーだと分かるとその子供たちから大歓声が湧く。それがほんとに楽しい。中にはついてくる子どもたちも。

そんな歓声を浴びていると自分が特別な存在なんだと勘違いしてしまいそうだ。日常ではまずあり得ないし、見たところ自分より速い44kmランナーにはそういった歓声はあがっていない。そんな夢見心地な気分で走らせてもらえたことはとても良い経験になったし、声をかけて頂いた方々に改めてお礼を申し上げたい。


85.1km地点の熊波エイドまで下りてきてもウォークの方々の歓声は絶えなかった。彼らに背中を押してもらいながらペースを維持する。44kmランナーも疲労が溜まり始めているのか彼らと抜きつ抜かれつを繰り返しながら(圧倒的に抜かれることが多かったが)。


すると…


あれは?


まさか…


勇者ランナーだ!


後ろ姿を見る限りかなり苦しそうだがまだ諦めていないようにもみえる。徐々に差が縮まってくる。「きついっすね。まだ長いですが頑張りましょう!」追い抜く際に声を掛け合って追い抜いた。


3位?
オレが?!


全く順位を気にせず走っていたので現状をうまく理解できなかった。マジなんか?というのが正直な感想。しかしまだゴールまで30km以上ある。いつ彼が復活して猛追してくるか分からない。逃げ切れば表彰台という偶然転がり込んできたチャンス。絶対に無駄にはできない。だが今自分ができることはペースを崩さないことに尽きる。今考えると妙に冷静だった。



90〜100km avg.6'06/km

91.2kmのエイドに入ると地元の方から大歓声をもらう。もうゴール間近のような雰囲気だが実際はまだ30km弱ある。後ろを振り返ってみると先ほど抜いた勇者ランナーは見えない。水を浴びていると…

トマトラーメンさん「お疲れさま❤︎」

この小鳥がさえずるような透明感のある声は!もしや?!トマトラーメンさんだ!!またもやハートは脚色したことは認める。各地で彼女に熱い応援をもらえている勇者ランナーのムラさんが羨ましい。ムラさんも良い感じで走っていることを聞きひと安心。


一回目の一二峠(ほい峠と読む)の始まりだ。勇者の道はここを計3回通ることになる。一二峠は標高差およそ250m。登り5.5km、下り4.5kmくらい。反対から来ると逆になる。峠自体は大したことがない。しかしすでに90km以上坂だらけの道を走ってきた身にとっては文字通り壁として立ち塞がっている。


もりサラさん「りょーくん!がんばれ!!」

確かこの登りだったと思う(記憶が定かではないので間違っていたらすいません)。男性の方に突然声をかけられた。よく見るともりサラさん(正式名称はもりもりサラダさん)だ!!実際にお会いするのは初めてだが"つぶらな瞳"ですぐにわかった。まさかの出会いに嬉しくなって疲れが吹き飛んだ。

もりサラさんのブログ


3位と4位は全然違う!

そのためにもできるだけ後続と差を広げておきたいというのが本音。それにしてもなんちゅうコース設定だ。山岳レースというのも頷けるほどの坂道。私設エイドの冷たい麦茶で生き返る。


ピークにあるエイド手前で見覚えのある人が前から走ってきた。選手ではない。ランナーに声をかけながらこちらに近づいてくる。


写真は後日お礼を言いに行った時のもの
服部さん!!

そう声をかけると驚いた様子。すごいやん!!3位やで!!そのまま95.5km地点のエイドへ。服部さんはその後暗くなるまでずっとこの一二峠でランナーに声をかけ続けたそうだ。服部さんのお知り合い以外の方でも元気をもらったランナーはたくさんおられると思う。

photo by 服部さん
@一二峠エイド

服部さんのブログ



さぁここからは下りだ。トップ選手はそろそろ折り返してくる頃だろうか。距離表示を見ながらぐんぐん下っていく(前との差を確認できる)。すると…


キタァァァアアアア(≧∀≦)


バイクの先導車を引き連れて折り返してくる吉田さんだ!すでに勇者のタスキをかけている。なんちゅうかっこよさだ。いちファンになった気分で声援を送った。自分とはおよそ6〜7km差だろうか。速すぎる。完全に異次元。どんなに頑張っても追いつくことは不可能だ。

さぁこうなると2番手を走っているであろう市坪さんとはどこですれ違うか。キロ表示を追いかけながらぐんぐん下っていく。私設エイドを通過する際に小さな女の子が紙コップ片手にちょこちょこと走り寄ってきた。

はい!ど〜ぞ〜!!

100km地点まで何も補給しないつもりだったが、こんな可愛らしい子に勧められて受け取らないわけにはいかない。お礼を言って受け取ると一気に飲み干す。アクエリがこんな美味く感じたのはいつぶりだろうか。

残り2k表示を過ぎる。小学校が近づくにつれ沿道が賑やかになり始める。「頑張って〜!」と言われたら「また戻ってきまーす!」と返す。すると前から力強く走ってくるランナーが。


市坪さん!


ヘロヘロになっていることを少しでも期待した自分が馬鹿だった。全くもってへばっていない。むしろ超元気そうだ。すれ違ったのは一瞬のことだったが、知り合い同士特有のやり取りでお互いの状況を瞬時に掴みあった。



13:30頃 (08:30経過)
100km地点
村岡小学校を通過


100〜120km avg.6'07/km

100km通過が8時間30分50秒。ほとんど時計を気にしていなかったのでゲートの時間表示を見て驚いた。当初の想定より30分以上早いことになる。少し心配になるもここまでぶっ飛ばしたという記憶はないので致命的な疲労感は感じない。とにかく淡々と走ってきただけだ。ここで100km通過の証となる"タスキ"をかけてもらう。コーラ、水を飲み、ブドウを数個掴むとすぐに出発した。



タスキ


今しがた下ってきた道を登っていく。いわゆる逆走状態。まさかほんとにこの時がやってくるとは。思わず笑みがこぼれる。すると前から走ってくるランナーから矢継ぎ早に声援が飛んできた。「おお!」「すごい!」「頑張ってください!」


1kmほど走ったところで後続の勇者ランナーが走ってきた。差は2kmほどだろうか。まだまだ油断はできない。自分が失速すれば確実に捕まってしまう。とはいえできることは淡々と走り続けることのみ。


レース後の写真
かっつんさん「りょーさん!ブログ見てます!」

傾斜がきつくなり始めたところで前からすごい勢いで下っていく勇者ランナーに声かけられる。かっつんさんだ!彼は昨年(2016年)の村岡100kで3位という猛者。3年前の京都高雄ハーフ以来一方的にこちらが彼のブログを読んでいるだけと思っていたので正直驚いた。結果的にかっつんさんは7位でフィニッシュ。また一緒に走りたいところだが次はいつになるだろうか(^^;

かっつんさんのブログ



105km地点の一二峠エイドで水をかぶるとすぐに下る。さすがに疲労感で下りに力が入らない。やばいなぁ。これじゃあ市坪さんとどんどん差が開いてまうわぁ。などと弱音を吐きそうになっている時だった。

ものすごい大歓声

今までの人生で経験したことがないほどの声援をもらう。声援に答えながら走っているといつのまにやら疲労は吹っ飛びペースよく下れている。不思議なもんだ。


photo by 服部さん


私設エイドにスイカがあったのでそれをムシャムシャ食べているとトップの吉田さんが折り返して来た。「2位は少し前を走ってるで!」そう言うと颯爽と峠を登って行った。


惚れてまうやろぉぉおお


カッチョ良すぎる。もちろん吉田さんは優勝。タイムは9時間41分。後続と30分近く差をつけているので如何に次元が異なるかが分かって頂けると思う。


Kaiさんや橘湾で出会った吉野さんともすれ違い、ランナー同士励まし合っていると108.8kmのエイドへ。ここでムラさん、そしてサポートのトマトラーメンさんと出会う。ムラさんとはあまり話せなかったがまだまだ元気そうだ。もちろんこの後見事完走を果たし勇者となる。ぜひ今度超ロングをご一緒して頂きたい。



ここから折り返しまで1kmほど平坦な道走る。逆走してくるランナーが異様なのかここでもランナーひとりひとりから大歓声。こうなるとヘバっている姿は見せられない。


市坪さん!!

2位の市坪さん(心の中では坪やん!と言っていたことは内緒)が折り返してきた。差は1.5kmくらいか?ちょっと縮まった感じ。しかし相手もそう易々と2位の座を譲らないだろう。まさか昨年の沖縄100Kのように競い合う展開になるとは。もちろんこの後追いつくはずもなく(むしろ離された)、市坪さんは10時間16分で準優勝することになる。今年は沖縄100K、神宮24時間走にも出られるとのことなので当ブログでも全力で応援したい。


110km地点にある巨大コーンで折り返す。その際におばちゃんに「ちょっと後ろ向いて」と言われると鈴をつけてもらった。なるほど、これが折り返した証拠なんだな。こういう感じ好きだわぁ。ここからは鈴の音をリンリンと鳴らしながら走る。



残り10km。さすがに失速している感覚がある。ひとりだったら歩いていたかもしれない。でも絶え間ない声援が鉛のような身体を押し進めてくれる。途中若い女性とハイタッチ。一瞬キロ5を切るペースになるもすぐに落ちる。たまには鼻の下が伸びることも大切だ。


エイドを通過し本日3度目となる一二峠の登りに入ると、本レース中初めて歩いてしまう。突然普段の10倍くらいの重力がのしかかってきた感覚。だめだ。走れない。前を見ても誰も走っていない。皆肩を落として歩いている。そんな時あの人の言っていた言葉が聞こえてきた。

シュピ殿「王者は最後まで王者らしい走りを見せて欲しい。いや、見たいんだ。」

これは神戸24時間走に応援に来てくれたシュピ殿が後日王将で餃子を食べながら仰っていた台詞。正確な文言は覚えていないが確かこんな感じの内容だったと思う。


王者ではないけど勇者の道を走る者として情けない姿は見せられない。そう考えると自然と足は動き始めていた。歩くのに毛が生えたようなスローペースだがそれでもものすごい声援をもらえる。赤十字をつけた88kの女性ランナーが登り坂を懸命に走っていたので声をかける。引っ張って!と頼むと逆に引っ張って!と言われる。じゃあ着いてこいよ!というとほんとに着いてきた。ちょっと焦った。


異様に歩くのが速い勇者ランナーが前にいたので声をかける。「歩くのめちゃめちゃ速いっすね。」するとこちらの顔を見るなり「あ!ブログ見てますよ!」との返答。マジっすか。見てもらえるのは嬉しいが不意打ちにちょっと焦る。大阪の平山さん。ちょうど応援に来ていた服部さんも知り合いらしい。今年のONTAKE100マイルも完走しているらしくラントークに華が咲く。

photo by 服部さん
平山さんと

平山さんとの出会い、そして服部さんの喝(応援)のおかげで一二峠ピークのエイドへ。あとは下るだけ。パンパンに張った(ぴきぴき攣り始めていた)両太ももを冷却するため風呂に入るように水をかける。もうここからは下るだけ。



最後の約4.5km。何を考えて走ってたんだろう。折り返してくる勇者ランナーと声をかけあったり、私設エイド方や沿道でずっと応援を送ってくれた方々に「帰ってきたでー!応援ありがとうございました!」とお礼を言いながら走っていると、あっという間に2度目となる小学校が見えてきた。



そして...


photo by べーやんさん
FINISH!!
勇者の道120K
10時間33分32秒
総合3





ふぅ。なんかすんません。長かったですね。特にラスト20kmは熱くなっちゃいました。言いたいことはレースレポの中に全てねじ込んだつもりです。大会に関わった全ての方々に改めて感謝すると同時に、当記事を最後まで読んでくださった読者の方々に感謝したいと思います。


えーっと

大変申し上げにくいのですが

これで終わりではありません(笑)


〜番外編〜へつづく





コメント

たか さんの投稿…
読んでたら、熱くなって思い出したわー
3位はカッコいいねー 
KATSU さんの投稿…
村岡お疲れ様でした!
以前からブログは拝見させて頂いていて
お知り合いの方が登場されたり
そのお知り合いの方たちからお話を聞いたりで
やっとこさお会いすることができて嬉しかったです^^

順位が3位に上がったところなんか
自分が走っているかのように錯覚して興奮しました(笑)
まだ続きがあるようなので楽しみしていますね♪
ムラ さんのコメント…
勇者りょーくん3位おめでとう!
まだまだ上狙えるわ。
前日に教えてもらった補給のタイミング、あれ良かったわ。
完走出来たわ。ありがとう!
そやね、またロングのイベントあったら是非よせて下さい。
足手まといにならんよう頑張るわ!
koumi100吉報待ってるよ。
かっつん さんのコメント…
あらためて、村岡お疲れさまでした&3位おめでとうございます。そして今頃はKOUMI100を爆走中と、、、タフ過ぎる。。

当日はこちらこそ、さながら有名人にお会いできたような感じでテンション↑↑↑でした笑
スタート前は、もしかしたらコースのどこかで並走できることがあるかも!?とか思ってましたが、いやはやRyoさん速すぎて、折り返し区間以外ではまったく姿を見ることができませんでした。
レースレポを拝見していると、やっぱり長楽寺前後の上りがわりと重要なポイントなのかなと改めて思ったり。あそこがいつも全然走れないんですよね、、、
とにかくも、今回のコースでの素晴らしい記録&表彰台は本当にスゴイ!!
またどこかのレースでご一緒できる日を楽しみにしています♪
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
タカさんも勇者完走おめでとうございます!
次回はタカさんのように美女と戯れる余裕があるくらいの走りをしたいです笑
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
KATSUさんも100K完走おめでとうございます!
シュピ殿から噂はかねがね聞いていましたよ〜♪

また突発的に練習会を開くかもしれませんがその時はぜひよろしくお願いします。
ブログともども今後ともよろしくです\(^^)/
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
勇者ムラさんコメントありがとうございます!
正直ムラさんがあそこまで速いと思っていませんでした(←失礼w)
ぜひ超ロング一緒に走りましょう!

KOUMI100はなんとか完走できました〜。やっぱりまだまだ弱いです。強くなる方法教えてください!
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
かっつんさんコメントありがとうございます!
かなり前半抑えられてる感じだったので後半の追い上げに結構ビビってましたよ〜(笑)
あの地味な登りはきついっすよね。よくよく考えると大した登りじゃないんですが如何せん疲労マックス状態ですから。。

それにしてもかっつんさんの爽やか&男前っぷりには驚きました!blogの文章の雰囲気と全然違ったのでビックリです(笑)レース等でご一緒した際はこちらこそよろしくお願いします\(^^)/ あっサブ50応援してますよ〜!