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photo by N野さん
お写真頂きありがとうございます
【勇者の道120K】第20回 村岡ダブルフル 2017 〜レースレポート②〜
〜準備編①〜
〜準備編②〜
〜結果報告〜
〜大会概要〜
〜レースレポート①〜
からのつづきです
▶︎▶︎40km → 80km
《猿尾滝〜耀山〜蘇武岳〜和佐父〜射添会館〜長楽寺〜あけぼの山荘 3:47:42 avg.5'41/km》
8:16 (03:16経過)
40km地点
猿尾滝付近を通過
※GPS計測のため多少のずれあり
40〜50km avg.6'26/km
猿尾滝からの下りで後続のランナーとすれ違える。後ろはランナーがひっきりなしに続いている。彼らとはほとんど差がないと言ってもいいだろう。見たことのあるランナーの姿もちらほら。なかでもサロモンのレースウエアを着た方は間違いなくかっつんさんのはずだ(ブログで知っているだけで面識はない)。声をかけようとも思ったが一瞬のことでタイミングが合わなかった。かっつんさんは昨年の村岡を3位入賞している方だけに侮れない。後半着実に差を詰めてくるはずだ。なんだか有名人にでも会ったかのような気分になった。
ソーメンエイドでは泣く泣く流しそうめんはパス。コーラと塩を頂いてすぐに出発する。42km地点の看板を通過したのは確か3時間17分くらいだったように記憶している。速いのか遅いのかよく分からない。ただ身体は不思議なほど落ち着きを払っていて呼吸も全く乱れていない感じだ。調子は良さげ。すると…
KIZENさん!!
この時は突然声をかけられて驚かれている様子だった。KIZENさんは橘湾岸スーパーマラニックW部門276kmの記録保持者。レース後にお話できたのだが、ずっと調子が悪かったようでようやく最近調子が戻ってきたとのこと。まぁ調子が悪いといってもさくら道を上位で完走しているのだが(^_^;) おそらく村岡を完全往復する200Kの部門があればぶっちぎりで優勝されていたことだろう(←ちょっと出てみたいw)
憧れのKIZENさんに会えたことでテンションが上がる。正規ルートへ戻り88km選手と合流すると…
負けないで〜♪もぉ少しィ♪
ゴォールは…
まーだ♪まだぁ〜だよ♪
とZARDの替歌を全力で歌うおばちゃん方が。しかも全身を駆使した振付あり。これには周りの88km選手と爆笑。「まだなんかーーい!」とツッコミを入れておいた。笑いを注入してもらったおかげか登りになっても全く疲労感を感じない。
すると沿道で応援を送ってくれる方が。
??「りょーくん!走り方ですぐ分かったわぁ!!」
お久しぶりです!
ありがとうございます!!
...
あれ?なぜか名前が出てこない(失礼)。頭をフル回転するもやっぱり出てこない(涙)ただ、うんちく王という自分が勝手につけたあだ名だけが出てくる。でもそれは面と向かっては言えない。とにかくお礼を言う。
名前が出てこないことが気になって考え込んでいると44.5km地点の耀山エイドへ到着。さぁここからは村岡名物の蘇武岳の登りだ。村岡最大の難所といってもいいだろう。約8kmで標高差700m近くを一気に登る。よっしゃ!水を少しかぶって気合いを入れ直す。
ぐんぐん登っていると徐々に傾斜がきつくなり始める。息が切れないペース。決してゼェゼェハァハァと呼吸が乱れないよう心がける。ここで心拍を上げすぎると絶対にあとで…
ゼェゼェ
ハァハァ
ゼェゼェ
ハァハァ
気づけば次第にスピードが上がり始め、ぐんぐんと下から突き上げるように足が動き始めていた。88km選手などの周りのランナーのほとんどが歩いている。時折勇者の道のゼッケンをつけたランナーも。周りからは「えぇ...」とか「すげぇ...」という声。
ここで勝負するしかない
そう自分に言い聞かせながら走る。周りの屈強なランナーに比べて自分が勝負できるのは"粘り強い走り"それだけだ。おそらくスピードでは負けるだろう。それこそフルやハーフなんて相手にもされない。でも120kmならどうか。もちろんスピードも必要だが、村岡のような高低差のあるコースなら走力以外にも、耐久力や補給の仕方などの総合力が多分に試されるはずだ。これはONTAKE100マイルで実証済み。あの時の走りができれば勝算がある(棚ぼた的な?)と考えていた。
作戦内容は以下の通り
A ペース配分
B 補給
C エイドでの滞在時間を減らす
D 粘り
A ペース配分
前述した通り事前に10kmごとのペース目標を決めて挑んだ。これによって前半飛ばし過ぎることなくマイペースを維持できたと思う。またそれ以外で言うならば、登りは攻めて、下りは抑えるという走りを最後まで貫いた(最後の最後の下りまで抑えてしまったけど~_~;)
B 補給
暑くなることを想定して基本補給はジェル、アミノ酸、塩熱サプリのみ。エイドの豊富な村岡でこれをするのは苦渋の選択だが胃のトラブルを回避するため仕方がない。もちろん果物や梅干し、塩などはエイドで摂ったが固形物類は全てパスした。大好きな素麺やおはぎも(涙)
C エイドでの滞在時間を減らす
個人的に一番の作戦はコレ。スペシャルドリンク(44.5k)やドロップ(73.3k)で荷物を置くことができるが、どこにも荷物を置かず、最初からザックに全て背負って走るという作戦。これによってストレスなく補給することができた。エイドではほぼ水分のみを補給し、1分以上滞在したエイドは全くなかったように思う。
D 粘り
ゆっくりでも淡々と走り続けていればチャンスやってくると信じること(笑) 超ウルトラの世界では何が起こるかわからない。できる限り周りに翻弄されずに自分のペースを保ち続ける。そして粘る。
50〜60km avg.4'57/km
やべっ!ちょっと速すぎたか?!
50km地点のマットを通過したのが4時間5分くらい。このままいけば後半の失速を考慮しても100kmを8時間半くらいで走ってしまうことになる(もちろん調子が良ければの話)。当初は9時間切れたら御の字くらいに考えていたのでかなりハイペースで来ていることになる。でも無理はしていないし体感的に疲労感もあまりない。とりあえず目の前の蘇武岳を登りきってしまおう。話はそれからだ。
蘇武岳の登りでかなりのランナーを抜いた。皆歩いていたが、驚いたことに走っている人のほどんどが88kの女性ランナーだったように記憶している。何度も歩きたい衝動に駆られたが女性の手前歩くわけにはいかない。最後まで走りきれたのは彼女らのおかげかもしれない。
エイドを過ぎて蘇武岳最高峰地点をクリアするとここからは13kmくらい延々と下りが続く。ここで気をつけなければならないことはスピードの出し過ぎだ。これで終わるならぶっ飛ばして構わないがまだ全体の半分にも達していない。足を使いすぎると間違いなく登りが走れなくなってしまう。これは2年前に経験済みだ。
ひゃっほーーい♪( ´θ`)ノ
とはいえ下りは気持ちいい。でも我慢我慢。
おい!ひゃっほい太郎!
抜かれてもええ。
絶対に飛ばすな!!
そう言い聞かせながらジェットコースターのような道を駆け下りていった。
60〜70km avg.5'23/km
タッタッタッタッタッ
突然背後からものすごいスピードで迫ってくる足音が聞こえてきた。やはり抜かれたか。そう覚悟してゼッケンを見ると青い色。66km選手のトップ選手だ!!一瞬血が騒いで無謀にもついていこうとしたがとても追いつけるスピードではなかった。
64.9km地点の蘇武小城エイドで梨やら塩やらを口に放り込む。暑さで身体に熱がこもり始めていたので水をかけて冷却する。ストローのささったヤクルト(的なやつ?)をもらって走りながら飲んだ。
和佐父峠の登り。約5kmで標高差500m弱をひたすら登る。2年前はここを44kmランナーの声援を浴びながら縫うようにして走った。しかし今回は...
ぽっつーーん
( ˙-˙ )
誰もいない。44kmの女性ランナーにワーキャー言われることを期待していた自分が恥ずかしい。しかし美しい峠道を走っているとそんな下心は一瞬にして消え去った(ほんまに?!)。木々の合間から漏れる陽だまりを追いかけるように走る。傾斜がきつくなると汗が額から滴り落ちて目に入ってくる。
和佐父峠を登りきるとエイドがありそこで66km選手に追いついた(もちろん下りでは置いていかれた)。さぁここを下れば射添会館。補給もそこそこに滑り落ちそうなほどの和佐父の激下りを駆け下りていった。
70〜80km avg.5'57/km
大歓声で沸く73.3km地点の射添会館に到着する。ここはドロップポイント(預けていた補給食や着替えなどを受け取れる場所)だが自分は全てザックにあるので素通り。水やコーラなどを補給して出発しようとしたその時だった。
トマトラーメンさん「頑張って❤︎」
ハートマークは脚色であり個人的願望。トマトラーメンさんはいつもムラさんの応援で来られている(村岡は応援者にも優しく要所要所に運んでもらえる応援バスがあるそうだ)。今年の中辺路以来の再会だ。そんなムラさんも今年は勇者の道に挑んでいる。
「ムラさんの調子はどうですか?また教えて下さい!」
トマトラーメンさんに会えたことで疲労感が吹っ飛び不思議なほど力が湧き出てきた(一時的であるが66km選手に追いつく勢いだった)。
3年前応援で行った時の写真
思い出深い橋
ビワちゃん元気かな
ここから81km地点までの約8kmは地味に辛い登りが続く。今までのようにドカンとした登りではなくダラダラとした登り。はっきり言って村岡の勝負ポイントだろう。ここで失速すればリードしていた差はぐんぐん縮められるし、逆にきちんと走れればタイムをぐっと上げられる。2年前は歩いてしまってそれこそ地獄だった。今回はどうか。
お!
いけるぞ!
今までのようにガツガツ走れないがそれでも淡々と走ることができた。これは下りで無理しなかったおかげだと思う。巨大な但馬大仏の周りを走れる長楽寺では地元の方の熱心な応援を頂けた。ここのエイドでは泣く泣くおはぎをスルー(喉を通る余裕はなかったと思う)。たくあんをもらってポリポリと食べながら走った。
photo by べーやんさん
「おーい!!4位やでー!!」
エイド(丸味エイド?)手前の激坂でべーやんさんとあの人が声援を送ってくれた。あの人とは耀山で名前を思い出せなかった方だ。しのけんさん!!すっきり。うんちく王とは面と向かって言えないから助かった。ここで4位と告げられる。順位は気にしてなかったのでかなり驚いた。蘇武岳の登りで6人も抜いたのだろうか。お礼を行って先を急ぐ。
途中歩いている88kmランナーの男性に声をかけると「勇者の方が走っているのに自分が歩くわけにはいかねぇ!」と一緒に走ってくれた。しばし談笑しながら緩やかな坂を登っていく。ちょっとした会話で不思議なほど疲労感が吹っ飛ぶから人間の身体は不思議だ。
81.1km地点のエイドが見えてきた。
残り40km
ここまでです( ´ ▽ ` )ノ
次回はいよいよ完結編!の予定です(笑)
レースレポート③へつづく
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