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第7回 小江戸大江戸200K 2017 その⑧ 〜大江戸・後編part1〜
その① 〜準備編〜
その② 〜結果報告〜
その③ 〜大会概要とまえがき〜
その④ 〜小江戸・前編〜
その⑤ 〜小江戸・後編〜
その⑥ 〜大江戸・前編〜
その⑦ 〜大江戸・中編〜
からの続きです
こあしすエイドを出ると皇居の周りを髙橋さん、BUNさん、オレの三人でおしゃべりしながら走る。ランナーの聖地とも言えるような場所だが、さすがに夜の23時頃となるとほとんどランナーはいなかった。まだまだ足が元気そうな高橋さんとはここでお別れ。キロ5を切るようなペースで闇の中にあっという間に吸い込まれていった。
BUNさん「あのペースが続くはずがないからゆっくりでもこのペースで走れば追い付けるよ!」
ミフィオを探しに行くとのことでBUNさんとは皇居を一周した辺りでお別れ。名残惜しかったが川越まで一緒に走るわけにはいかない。本当にありがとうございました!
独りになると、さぁ追いかけるぞ!というよりもコースアウトしないようスマホの地図と格闘するのがやっとだった。大手町を右折し、巨大なオフィスビルの立ち並ぶ丸の内付近でそれはまた唐突にやってきた。
??!!
ま、まさか...
うっ!
はうあっ!!
またしても暴力的とも言える猛烈な便意だ。そよ風の吹く平原を突如として襲い始めた竜巻みたいに。(お食事中の方大変申し訳ありません。そもそもお食事中に当ブログを読む方などいらっしゃらないとは思いますが。)
あたりを見渡すと真っ黒なビルディングに囲まれていている。どこもしっかりと施錠されており人の気配は一切ない。路駐しているタクシーが数台あるだけだ。地下街の入り口を見つけるがシャッターが降りていた。
時限爆弾が作動し始めると全ての思考は停止した。もちろん走ろうものなら一瞬で木っ端微塵だ。レース中であることはすっかり忘れ(そして社会生活を営む人間であることも忘れ)、本気で人のいない高層ビル裏を覗き込んだりした。
勘弁してくれぇぇぇぇい!!
悲痛な願いが通じたのか、東京駅の高架下に一軒の灯りがあるのが目に飛び込んできた。大阪にはないオシャレな居酒屋。もちろんそんなこと構っていられない。まるで山肌を滑り落ちる土石流のようにお店になだれ込んだ。
もし店員の人の親切心がなければ今頃『東京う○こマン』というタイトルで映画化されていたかもしれない。とにかくここで無事に爆弾を解除することできたのだ。
日本橋を過ぎたところで右折箇所を見落として行き過ぎてしまう。その間に渋谷さんに追いつかれてしまった。ここからは小江戸大江戸を4度も走っている(なんと地図を見なくても全てのコースが頭に入っているらしい!)という渋谷さんに着いて行く。しばらく談笑しながら並走させてもらった。
渋谷さんは日本100マイルクラブに所属しているランナーで、あのグレラン(夢グレ)を完走した経験もある超ウルトラランナーだ。また、昨年(2016年)の小江戸大江戸200Kをなんと21時間台というタイムで1位フィニッシュしている実績の持ち主。自分なんか足元にも及ばないと思っていたのでこうして今並走できていることが心底嬉しかった(実際に足元にも及ばなかった)。東京スカイツリーを目指してついて行くが、おしなりエイドまで残り500m足らずというところで着いて行けなくなり先行してもらった。
23:50 (15:50経過)
156.1km地点
avg.6'05/km
おしなりASを通過
もちろんエイドに到着した時には高橋さんの姿はすでない。渋谷さん、エイドの方々と談笑しながら確か豆乳味噌スープを飲んだように思う。実は130kmを超えたあたりからずっと胃腸の気持ち悪さをずっと抱えてきた。おそらく直前のエイドで頂いたカレーを山盛り食べた後、すぐに急激な運動をしてしまったことが原因だろう。これまで胃腸は強い方だと思っていたのでこのトラブルは完全に想定外。さすがにこれだけの距離になると内臓に優しい走り方を心がける必要があったと反省。先ほどの爆弾処理(う○こ)をしても胃腸の調子はだだをこねる子どものように全く変わらなかった。
結局このエイドでは、バナナを数個食べただけでオニギリを食べることはできなかった(なぜあの時しっかり食べなかったのか、本当に悔やまれる)。もう少し休憩するという渋谷さんより先にエイドを出発した。
目の前に巨大な東京スカイツリーが現れた。見上げるのも億劫なほど疲労している。少し歩こう。156kmを過ぎて初めて『走る』ということを辞めて、自発的に『歩く』という選択肢をとった。グンと冷え込んだ夜の空気に包まれると自分の身体が冷え切っていることに気づいた。長袖を着てその上からレインウエアを羽織る。そしてネックウォーマーも。防寒着を着ると、まるでオーケストラのコンサートが第二幕へ移るかのように自分の中で何かが変わり始めた。
そう決心しながら後ろを振り返ると、ちょうど日付が変わったのだろう。先ほどまで鮮やかなブルーに装飾されていた東京スカイツリーの明かりがポツポツと消え始めていた。
残り48km。
その⑨へつづく
どうしよう...
ここは日本の中心地TOKYOだぞ。
しかも丸の内。
あたりを見渡すと真っ黒なビルディングに囲まれていている。どこもしっかりと施錠されており人の気配は一切ない。路駐しているタクシーが数台あるだけだ。地下街の入り口を見つけるがシャッターが降りていた。
あぁだめだ!
あと2分後には確実に爆発する!!
時限爆弾が作動し始めると全ての思考は停止した。もちろん走ろうものなら一瞬で木っ端微塵だ。レース中であることはすっかり忘れ(そして社会生活を営む人間であることも忘れ)、本気で人のいない高層ビル裏を覗き込んだりした。
神様!!
東京のど真ん中で
大爆発だけは
勘弁してくれぇぇぇぇい!!
悲痛な願いが通じたのか、東京駅の高架下に一軒の灯りがあるのが目に飛び込んできた。大阪にはないオシャレな居酒屋。もちろんそんなこと構っていられない。まるで山肌を滑り落ちる土石流のようにお店になだれ込んだ。
もし店員の人の親切心がなければ今頃『東京う○こマン』というタイトルで映画化されていたかもしれない。とにかくここで無事に爆弾を解除することできたのだ。
日本橋
日本橋を過ぎたところで右折箇所を見落として行き過ぎてしまう。その間に渋谷さんに追いつかれてしまった。ここからは小江戸大江戸を4度も走っている(なんと地図を見なくても全てのコースが頭に入っているらしい!)という渋谷さんに着いて行く。しばらく談笑しながら並走させてもらった。
隅田川を渡る渋谷さん
渋谷さんは日本100マイルクラブに所属しているランナーで、あのグレラン(夢グレ)を完走した経験もある超ウルトラランナーだ。また、昨年(2016年)の小江戸大江戸200Kをなんと21時間台というタイムで1位フィニッシュしている実績の持ち主。自分なんか足元にも及ばないと思っていたのでこうして今並走できていることが心底嬉しかった(実際に足元にも及ばなかった)。東京スカイツリーを目指してついて行くが、おしなりエイドまで残り500m足らずというところで着いて行けなくなり先行してもらった。
23:50 (15:50経過)
156.1km地点
avg.6'05/km
おしなりASを通過
もちろんエイドに到着した時には高橋さんの姿はすでない。渋谷さん、エイドの方々と談笑しながら確か豆乳味噌スープを飲んだように思う。実は130kmを超えたあたりからずっと胃腸の気持ち悪さをずっと抱えてきた。おそらく直前のエイドで頂いたカレーを山盛り食べた後、すぐに急激な運動をしてしまったことが原因だろう。これまで胃腸は強い方だと思っていたのでこのトラブルは完全に想定外。さすがにこれだけの距離になると内臓に優しい走り方を心がける必要があったと反省。先ほどの爆弾処理(う○こ)をしても胃腸の調子はだだをこねる子どものように全く変わらなかった。
結局このエイドでは、バナナを数個食べただけでオニギリを食べることはできなかった(なぜあの時しっかり食べなかったのか、本当に悔やまれる)。もう少し休憩するという渋谷さんより先にエイドを出発した。
東京スカイツリー(634m)
目の前に巨大な東京スカイツリーが現れた。見上げるのも億劫なほど疲労している。少し歩こう。156kmを過ぎて初めて『走る』ということを辞めて、自発的に『歩く』という選択肢をとった。グンと冷え込んだ夜の空気に包まれると自分の身体が冷え切っていることに気づいた。長袖を着てその上からレインウエアを羽織る。そしてネックウォーマーも。防寒着を着ると、まるでオーケストラのコンサートが第二幕へ移るかのように自分の中で何かが変わり始めた。
ここからは競争じゃない。
とにかく何があろうともゴールを目指すんだ。
結果はその後についてくる。
絶対に途中で諦めるなよ。
絶対に。
そう決心しながら後ろを振り返ると、ちょうど日付が変わったのだろう。先ほどまで鮮やかなブルーに装飾されていた東京スカイツリーの明かりがポツポツと消え始めていた。
残り48km。
その⑨へつづく
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