2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第1回 沖縄100Kウルトラマラソン 2016 その③ 〜レースレポート 前編〜

第1回 沖縄100Kウルトラマラソン 2016 その③ 〜レースレポート 前編〜


からのつづきです。

ガチで挑んだのでレース中写真を撮ることができなかったのが悔やまれます。文字ばかりで読者の方には苦行を強いることになるかもしれませんが、読みながら沖縄の青空のもと一緒にゴールまで走ってもらえたとしたらそれ以上の喜びはありません♪

時間のある時で結構ですのでぜひともお付き合い下さいませ〜!



【レースレポート 前編】


START → 20km 
1時間32分34秒 avg.4'37/km


午前4時過ぎ。スタート会場である与那古浜公園は強い風が吹いていた。気温はそれほど低くない。しかし吹き荒れる風が一気に体温を奪って行く。ゼッケンやランナーズチップ(タイム計測するもの)などはすでに事前郵送されていたので受付は必要ない。ハンディライトと給水カップを配布していたので貰いに行く。

目標タイムが書かれたプラカードごとに整列する。『8時間以内』というところだけランナーは4,5人しかいない。ほぼ全員短パン&ノースリーブというガチスタイルだ。8時間以内なんてのはトンデモないが自分もそこへ並んでスタート時刻を待った。おや?身体がふ、ふ、震えている…。これは武者震いなのか、それともただ寒いだけなのか。

5:00
パーン!号砲とともに、100kmウルトラマラソンの旅が始まった。100kmウルトラを走るのは実に1年以上ぶり。ここ1年は山ばかり走ってきたので本当にロードを一定ペースで走り続けられるのか不安が脳裏をよぎる。しかし、沿道の声援や周りのランナーの熱気でそんなものは一瞬にして蒸発してしまった。

水分を多分に含んだ海風を全身に受けながら改めて目標を確認する。数字でいうとサブ8.5。内容でいうと限界ギリギリまで追い込んだ時に最後まで楽しめるかどうか。この2点を頭の中で反芻し、動きに無駄のないランナーの後ろ姿を追いかけた。未明の沖縄南岸にうっすら月が浮かぶのが見えた。

キロ4'40〜30のペースで走ると自然と前から7.8番目くらいの位置になった。スタート前の寒さは何処へやら。身体の内側からジワジワと熱を感じ始める。太陽が昇ると相当暑くなりそうだと心配になるが、暑くなればなるほど限界ギリギリまで追い込むという目標に少しでも近づける!と思わず心が躍った。

こうして20kmはあっという間に過ぎたように思う。まだ暗くて景色はよく見えない。徐々に明るくなり始める水平線を眺めながら走っていると、時が止まったような感覚を覚えた。今自分が走っているのか歩いているのか止まっているのか。もし僅かな呼吸音と身体の上下運動が無ければ自分が存在しているのか本当にわからなくなってしまったかもしれない。大げさに聞こえるかもしれないが、これはウルトラマラソンでしか味わえない感覚だろう。



20km → 40km
1時間34分34秒 avg.4'43/km


google mapより

20kmを過ぎた頃には明るくなり始めた。水色の海や南国特有の植物が目に入ってくる。エイドも頻繁に現れ始め、早朝にもかかわらず地元の子供たちが「水でーす!」「スポーツドリンクでーす!」と元気な声で給水してくれた。目がクリクリしていて皆本当に可愛らしい。子供たちの元気な笑顔には本レース中何度も救われることになる。


自分でも驚くほど一定ペースを刻み続けていた。キロ4'40。今の自分にとってこのペースが遅すぎず速すぎない絶妙なペースなのかもしれない。呼吸は乱れることなく、かといって集中力を切らさないリズミカルな反復運動。景色や自然と一体化したペース。まさにその時ナチュラルな状態になっていたように思う。


これか!自分が求めていた走りとは!!

こう書くと気障でなんとも自意識過剰な表現ととられるかもしれない。でも本当に感じたことだ。走っているにも関わらず走ることから解放された感覚は初めての経験だった。だからこのままこのペースで100km走り続けられるんじゃないかと錯覚したほどだった。もちろん現実はそんなに甘くはなかったが…。

30km手前で奥武島を一周する
(google mapより)


あれ?!40km地点が近づいてきたあたりで前方からランナーが走ってきた。「間違ってる!」どうやら手前で誘導してくれたスタッフが間違った道を誘導したようだ。ここで今まで刻んできたリズムが崩れた。一度のルートミスなら立て直せるが、どこを曲がったらいいのか誘導員自身もよく分かっていないらしく文字通り路頭に迷ってしまった。後ろのランナーにも追いつかれ、ここからしばらくは4,5人で道を探しながら進むことになる。


40km過ぎにある平和創造の森公園
この後分岐に表示がなく彷徨うことになる
(google mapより)

40km → 60km
1時間50分53秒 avg.5'32/km


何とか40km地点を発見しこのまま安心して進めるかと思えた矢先・・・またロストする。分岐で表示がない。

どっちに行けばいいんだ・・・
というか、
この道は合っているのか・・・

右往左往(涙)

バイクに乗ったスタッフを発見し正規の道を尋ねると、「ここは間違っていますよ!この道を行くように!」と案内される。その言葉を信じてスタッフが指差した道をランナー3人でひた走る。すると、見覚えのある光景に我が目を疑った。

ウソやろ?!
ここってだいぶ前に通ったところやん!


そう。
全く真逆の方向を案内され、
元来た道に戻ってきてしまったのだ!!

コレで完全に集中力が切れてしまった。ひとりのランナーは怒り心頭で本当にここでレースを辞めてしまったほどだ。彼はサブ8という大きな目標を掲げて走っていたランナーだったのでその心境たるや想像を絶する。

自分は彼のようにタイムに命を賭けていたほどではない。沖縄まで来てリタイアすることは考えられなかったので辞めるという選択肢はもちろん無かったが、レースに集中できない焦りでモチベーションが大きく下がったことは確かだった。

もうサブ8.5なんて無理だろうな…

しかしこの後、諦めかけた自分をもう一度レースに引き戻してくれる奇跡が起こる

それは・・・



ここまでです!!
次回更新をお楽しみに♪

その④へつづく





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