2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

単独!アワイチランニング!!第1章 〜扉は開かれた〜


単独!アワイチランニング!!第1 〜扉は開かれた〜


【概要】

《日程》
2016年
2/20(Sat)19:00 start
2/21(San)13:44 finish

《天候》
2/21(Sun)
晴れ☀︎
平均気温6.5℃(最高9.4℃ 最低3.8℃)
降水量 計0.0mm
平均風速3.4m(風向:北西)
(兵庫県洲本 気象庁ホームページ)

《コース》
淡路島一周(通称アワイチ)
※道の駅福良スタート&ゴール(反時計回り)
※兵庫県が発行している淡路島一周サイクリングマップのコースをなぞる




総距離約150km
累積上昇高度 2980m
累積下降高度 3000m
(EPSON SF-710にて計測)

《結果》
18時間44分(avg.7'29/km)
※全ての行動時間を含む

0-50km       5時間48分 6'45/km
50-100km   6時間31分 7'49/km
100-150km 6時間25分 7'42/km


《装備》
〜基本ウエア〜
KOUMI100大会Tシャツ(patagonia)
スキンメッシュノースリーブ(finetrack)
ショートパンツ (salomon)
アンダーパンツ(Under Armour)
靴下 (drymax)
アームカバー(CW-X)
ゲイター(C3fit)
キャップ (ARC'TERYX)
手袋 (京都高雄MM参加賞)
ポーチ QUANTUM(ultrAspire)
シューズ M1040(New Balance)
腕時計 SF-710(Epson)


〜ザックの中身〜
ザック SJ ULTRA VEST 2.0(Ultimate Direction)
予備靴下 和紙靴下(Itoi)
予備ウエア ジオラインL.W.(mont-bell) & ジオラインM.W.(mont-bell)
タイツ KIPRUN(Kalenji)
ネックウォーマー (smartwool)
ウインドブレーカー FAST WING HOODIE(salomon)
レインウエア パーサライトジャケット(mont-bell)
ボトル500ml(Ultimate Direction)
デジカメ TG-2(OLYMPUS)
携帯電話 G'zOne cal21(casio)
補給食など
予備電池
簡易救急セット
貴重品

〜ライト類〜
ヘッドライト トレイルランナー2(SILVA) & ギズモ(BlackDiamond)
セーフティライト (CAT EYE)

〜消費補給食一覧〜
ドリンク計約2L
(DAKARA500・水500・お茶500・缶コーヒー・ゆずティ・カフェオレ)
おにぎり×3
バームクーヘン×1
カップヌードル×1
シュークリーム×1
チョコレート菓子×3
苺大福×1
駄菓子(シゲキックス・梅のお菓子など)

《駐車地点》
道の駅福良

《温泉》
600円
道の駅福良より車で約5分


【まえがき】

前回のブログ【雑記】新たなる扉でも書いたように、超長距離の単独走は今回が初めてである。そして大会やルールに縛られず、純粋に「走る」とはどういうことなのか知りたいという旨も書いた。その答えが見つかったかどうかはひとまず置いておいて、少なくとも今回のアワイチランニングを通して、純粋に「走る」ということができたように思う。いや、正確に言うならば、純粋に「走る」ということを体験できた。大会や練習で長距離走を走ったりマラソンを走ってみてもこの体験は今までできなかった。この体験を言葉で説明することは非常に難しい。強いて言うなら、挑戦と敗北であり、その意味と無意味さである。様々な対なる感情が波のように満ちては引く。これらの感情は距離を走れば走るほど顕著になって現れる。大げさなように聞こえるかもしれない。しかし、今の自分にとっては150kmという距離はやはり超長距離であり、そこにはひとくくりにできない物語がありドラマがあった。純粋に「走る」とは一体。果たしてその答えは見つかったのだろうか。ついに新たなる扉は開かれたのである。

【第1章 〜扉は開かれた〜】

《スタート場所について》
本当は昼頃からスタートする予定であった。しかし当日はあいにくの雨。予報を確認すると18:00以降は天候が回復する模様。スタートする位置は最後まで悩んだ。悩んだ挙句、島の南側に位置する『道の駅福良』からスタートする事にした。おそらくここをスタートゴールにするランナーはあまりいないのでは無いだろうか。ここにした理由はただそれだけである。これだけでも小生がひねくれた性格である事がお分かり頂けるだろう。

《時計回りか反時計回りか》
また、時計回りか、反時計回りか。ここも悩んだ。調べてみると自転車で一周する方は時計回りが一般的なようだ。調べていくと風の強い日には向かい風に非常に苦しめられたという記述が数多くあった。予報をみると、当日の風向きは北西の風である。しかもかなり強い風が吹くことが予想される。島の西側では海岸沿いを走ることが多く、おそらくここで長時間風にさらされることになるだろう。ここで少しでも追い風になるように走ることが必要である。したがって回り方は反時計回りに決まる。(結果的には海岸付近では渦のように風が舞っていたが、トータルとして追い風になることが多く感じたので正解だったと思う。また、サイクリストにとっては逆回りは危険を伴う可能性があるが、ランナーにとってはそれほど不都合な局面はなかった。)

《現地へ》


16:30頃、淡路島へ向けて自宅を出発


明石海峡大橋を渡る


18:30頃、道の駅福良へ到着




《道の駅福良〜灘〜由良〜洲本(海岸通) 0-50km 6'45/km



19:00(00:00経過)
道の駅福良(0km地点)を反時計回りに出発
150kmの旅がついに始まった。興奮が抑えられない。誰も人がいない暗闇の中、ヘッドライトの明かりを頼りに走り始める。単独なので車からの視認性を高める必要がある。頭にはトレラン用のヘッドライト。腰には後ろ向きにヘッドライトを巻きつけチカチカと点灯させる。また、ザックにも自転車用の赤く点灯するセーフティライトをつけた。暗闇ではどのように見えるのか客観的には分からないが、おそらく暗闇をのそのそと動く発光体となったはずである。


興奮が抑えられないおっさん

走る前までは20〜24時間で完走できたらいいなぁぐらいに考えていたが、純粋に「走る」ことを楽しむには走り続ける必要がある。極力休憩は避けて走り続ける。ざっと現実的な数字で計算してみると今の自分にとって150kmを18時間で走れれば十二分である。50kmを6時間で走るペース。平均すると7'12/kmで走る計算だ。この数字だけ見るとスロージョグのように思えるが、トイレやコンビニ、写真、補給、ルートファインディングなど全ての行動時間を含めたタイムである。これを実現するにはそれなりのペースで極力走り続けなければならない。100kmを超えても走り続けることの難しさは、先日の単独24時間走で嫌と言うほど味わった。


暗闇

20:40頃(01:40経過)
灘土生(14.7km地点)を通過
そんな事を考えながら真っ暗の峠をあっさり越えると漁港の町へ出た。といって人気(ひとけ)があるはずもなく、波で揺れる漁船だけがよく教育された犬のように行儀よく並んでいる。


まだまだ元気だったな

ここからは南淡路水仙ラインという景観の良い海岸に面した道路を走る。しかし景観も何も真っ暗で何も見えない。低気圧が通過した直後のせいか風が吹き荒れていた。ゴーという波音が近づいてきては防波堤にバシャーンと砕け散る。砕け散って細くなった波のしぶきが霧のようにあたりを覆っている。


水仙だろうか。下向きに咲いている。

20kmを通過するとコンビニのおにぎりを食べる。もちろんザックから荷物を出す時も立ち止まらない。今はまだ止まったところで大差はないが、後半になると例えザックから荷物を出すだけでも、一度止まってしまうと足が固まってしまい、思わず大休憩を取ってしまうことになりかねない。これを防ぐには自分でしっかりルールを決めて実行していかなければならない。一見自分に厳しく思われるだろうが、裏を返せば、最初から守らなければすぐに甘えてしまうような弱い人間なのである。これも24時間走で学んだことだ。

暗闇の写真は伝わりにくい

波音をBGM(些か大きすぎる節はあるが・・・)にして走っていると、左手の崖に潜む獣たちが何やら叫んでいる声が聞こえてくる。思わず身構えるが何も出てこない。時折だろうか、ガサガサと大きな獣が走り去る音が聞こえる。どうやらこの辺りにはモンキーセンターがあり猿が生息しているようだ。ボス猿に聞こえるようにこう話しながら通過した。

「こんな深夜に驚かせてごめんな。少し通らせてもらうよ。なんせ今から島を一周するんでね。今回ばかりは少しばかり大目に見てよ。ボス猿さんよぉ。」


大きな誘惑・・・

そんな得体の知れない獣と会話をしながら漆黒の海岸を走り続ける。バームクーヘンを食べたり、立て続けに現れる巨大な3本のしゃもじや、わりとハードな峠を越えると次の町へやってきた。(この区間は23kmあったんだな。通りで長く感じたわけだ。)

峠には何やら怪しげな建造物があった

19:43頃(04:43経過)
由良(37.8km地点)を通過
意外に疲労感を感じていた。深夜に走るとスピード感覚がおかしくなる。それなりのペースで走っているつもりでも、実際のスピードはそれよりも遅い。理由は視野が狭くなるからだそうだ。それに加え、いつもよりペースを抑え気味で走ってきたことも原因の一つである。始めの50kmは5時間半ほどで走るつもりだったのでキロ6分から6分30秒くらいを意識。普段走る時にはこのペースで走ることがあまりに乏しいので逆に疲労してしまったようだ。しかし焦りは禁物。今の自分では100kmを11時間くらいで走ってしまうと絶対に後で足が動かなくなる。



ここから一つ目の目標地点である洲本まで10kmという標識が現れた。もちろん交通標識なのはわかっているが、まるで自分が走るために誰かが標識を立てて道案内をしてくれているかのように感じる。少し疲弊した気持ちを入れ替え、あと10kmと口に出して前進する。洲本温泉の町へ出ると、宿やホテルが立ち並ぶ。ふとホテルの看板を見ると、CMで聞いたことのある名前がある思わず口から溢れる。

ホテル♪ニュぅ〜アァ〜ワァ〜ジィ♪

公衆トイレ

フルを超えたのがだいたい4時間20分ほど。いつもならかなり遅いペースだが間違っていないはず。「最後まで走り抜くにはこのペースでいいんだ。その代わり止まらず走り続けるんだ。」とすぐに弱音を吐く自分にあえて標準語で言い聞かせる。

この顔で言い聞かせる。

単独!アワイチランニング!!第2章 〜交響曲〜 へ続く
次回更新をお楽しみに♪



コメント

パル彦 さんのコメント…
やっぱり全部走ったのね。素晴らしい。
こちらも反時計回りだったけど風を読みきれず、全て向かい風の中を進んでました(笑)
後、水仙じゃなくて菜の花じゃないかな。
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
パルさんも完走でしょ!意外にも厳しいコースでしたねー。単調な区間は本当に単調でしたから(汗)さて、今度はシコイチですね!笑 やはり水仙ではありませんでしたか。下向きに咲いていたのでつい。無学がバレました。