2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第17回 24時間リレーマラソン神戸大会 2017 〜レースレポート④完結編〜

第17回 24時間リレーマラソン神戸大会 2017 〜レースレポート④完結編〜


〜結果報告〜
〜大会概要〜
〜レースレポート①〜
〜レースレポート②〜
〜レースレポート③〜
からの続きです


最後の6時間はこれまでの18時間と打って変わり全く走れなかった。全歩きしたわけではないが最後の4時間はほぼ歩いたと言ってもいいかもしれない。所謂"潰れた"というやつだ。この結果をどう受け止めればいいのだろう。いくらでも否定的に捉えられるし、肯定的にも捉えられるかもしれない。おそらく24時間走を走った方なら(それがどれだけの距離を走ったかは関係なく)、それぞれに良かったところ、改善すべきところがあると思う。ほとんどの方が〇〇キロという目標をもって挑まれたはずだ。順位ではないと思う。24時間走は人との競い合いよりも、"目標にどれだけ近づけるか"という個人の心と身体の葛藤的要素が他の競技と比べ特に色濃いような気がする。つまりメンタルだけでは走れないしフィジカルだけでは走れない。両者がちょうどいいバランスを保ち続けなければ24時間走り続けるのは不可能だろう。そう考えてみると16時間以降それまで均衡を保っていた両者のバランスは少しずつ崩れ始めていたように思う。



▶︎▶︎18時間 → 24時間 6:00-12:00
《06:10:43 24周 43.2km avg.8'35/km》


5:49頃 (17:49:17経過)
avg.6'07/km
97周
174.6kmを走破

18時間経過順位

18時間が経過した時、もはやキロ6を保つことは不可能な状態になっていた。と言っても絶望的なほど失速しているわけではなくキロ7'00くらい。日はすっかりのぼり、すでに気温はぐんぐん上がり始めている。2本目となるモンスターを投入するも半分しか飲めず全くといって効果がなかった。やっぱりペースが速過ぎたか。今までの長距離走で一番速いペースでここまで来れている。それでも絶望的な疲労感はなく失速しつつも最後まで走れるのでは?という希望はまだ存在していた。

230は無理でも目標の220は頑張ろう!

何時だったかは忘れたが水を浴びて走り出すとお腹周りに焼けるような激痛が走るようになった。服擦れだ。股擦れや足の肉刺はずっと気になっていたが無視できるくらいの痛み。しかしお腹や腰にできた服擦れは我慢できないほどの痛みだった。この時すぐに治療すればよかったと反省している。大したことないだろうとそのまま走り続けてしまった。痛みを避けるため水を浴びる回数が減り、結果として最後に軽い熱中症なってしまったからだ。

シュピ殿「養生テープあったからこれで対処しよう!」

痛みのレベルが半端なかったので服の中を覗くと数カ所がヤケドのように赤く腫れている。ケロイド化してそうな感じだ。少しでも服との接触を防ぐため最初はテーピングすることを考えたが、剥がす時の痛みを想像するとそら恐ろしい。それをシュピ殿に相談すると養生テープを持ってきてくれた。お腹周りにグルグルと養生テープ貼ってもらう。もちろん初めての経験だ。ここまでしたんだ。よし!走ろう!「最後まで頑張れ!」シュピ殿も背中を押してくれた。


7:52頃 (19:52:28経過)
avg.6'15/km
106周
190.8kmを走破


20時間が経過した時には気温はかなり上がり灼熱の太陽が頭上からランナーを容赦なく襲っていた。首に氷を当てつづけていないと熱中症で倒れるんじゃないかと思えるほど。この時すでにかなり歩いていたように思う。もしかしたら最後の4時間乗り切るため、しっかり休息を取るべきだったかもしれない。多分その方が結果として良かったはずだ。でもその思考はこの時微塵も頭に浮かばなかった。


7周差


確か20時間経過の時だったと思う。ここで初めて2位との差を確認した。距離にすると10km以上。もちろん今の順位をキープして優勝したい。でも自分は2位の人に勝つためにこの24時間走を走っているわけじゃない。あくまで目標は123周して220kmを走ること。そうすれば自ずと結果がついてくるはずだ。


そう強く信じて
ここまで走ってきたのに…


この時すでに失速し始めていた。フィジカル的にはピークに達していたと思う。メンタルでカバーしなければならないのに2位との差を聞いて少なからずとも安堵してしまったのかもしれない。「このままゆっくりであろうが動き続ければ抜かれることはないだろう」と。つまり、220km走るという目標がいつの間にか消え去り、2位に追いつかれずに優勝することに目標が切り替わってしまったのだ。本来なら身体的にキツい時こそ、気持ちを奮い立たせなければならない。しかしこの時、水が低い所へ流れるように思考が楽な方、楽な方へと流れてしまった。

フッキーに2位の方のゼッケン番号を聞く。そして走りながらそのランナーを探した。…いた!彼もまた暑さによりかなり疲弊しているように見えたが、歩くことなく淡々と走り続けていた。このまま歩き続けるとヤバイな…。そう考えていた時だった。


画像は昨年(2016年)大会のもの
「去年も同じウエアで走ってたよねー」

カトルス星人!!昨年覇者の倉井さんだ。彼は川の道フル(500k!)や沖縄サバイバルラン(400k!)を上位完走している超ウルトラ界でも有名なランナー。今年の神戸24時間走は調子が悪く夜は6時間近く眠ってしまったらしい。

「まだ2位の人も諦めてないようだから歩き続けると危ないかもね。昨年は自分も逃げる立場だったから気持ちは分かるよ(笑)」

そんな風に声をかけてもらった。そうだ。昨年はダメ元でカトルス星人を追いかけた。結果的には全く追いつかなかったけどおかげで距離を縮めることができた。そして勝ちを確信したカトルス星人は最後まで歩くことなく走り続けていたっけ。そう思うと身体の奥底から少しだけ力が湧き出てくるのを感じた。


9:52頃 (21:52:28経過)
avg.6'23/km
114周
205.2kmを走破

22時間経過順位


2位との差を縮められないこと

目標はいつの間にやらこう変わっていた。あと2時間。あとたったの2時間やろ。そう言い聞かしても身体は拒否反応を示してただただ歩くことしかできなくなっていた。水分を摂っても汗が全く出ない。頭もボォっとする。熱中症だったと思う。それでも休むことなく周回を重ねられたのはこの方の声援をもらえたからだ。


画像は京都一周トレイルの時のもの
ひろしげさん!

朝から応援に駆けつけてくれた。折り返し地点で暑さと戦うランナーひとりひとりに声をかけて下さっていた。格好悪いところは見せられない!走らなくては!そう思わせてくれたおかげで超ノロノロながらも走ることができた。その後も表彰式まで残って下さり何枚も写真を撮って頂けた。

ひろしげさん撮影


23時間経過順位


23時間が経過し残り1時間。皆が苦しい時間帯にも関わらずペースアップして走るランナーにごぼう抜きにされる。走らなければ!そう思うのに身体が動かなかった。ほぼ優勝は確定。しかしそこに勝ち取った喜びはなかった。ダメだ。弱いな。まだまだショボいな。そういった自己嫌悪が渦を巻くように頭の中を覆い尽くした。

残り30分。歩きながらこう考えるようになった。これが24時間走における今の自分の実力。良かったところもあるし悪かったところもある。これも経験。このクソ暑い中一度も休息することなく頑張れたやないか!それについては誰にも負けてへん!!24時間ぶっ通しでサポートしてくれた方、ともに24時間走ったランナー、応援に駆けつけてくれた方、彼らの顔が浮かんだ。24時間走は孤独なスポーツだからこそ周りの力による影響をもろに受けると思う。さらに結果を出すには走力を高めるだけでなく、より一層周りの力をエネルギーに変えられる力をつける必要かもしれない。

同じシングルのランナー(KOTAROさん)とお話しながら最後の周回を重ねる。




そして…




FINISH!!
シングルの部
優勝
217.8km
121周
avg.6'36/km




〜表彰式〜


昨年のリベンジを達成


2位の森下さん(左)
3位の田中さん(右)

自宅に帰ってから気づいたが、なんと2位の森下さんは超ウルトラのリザルトで何度も見たことのあるスーパーランナー。昨年(2016)の沖縄サバイバルランではでは優勝されている!!そうとわかっていればもっとお話したかった...涙

3位の田中さんは明らかに自分より年上だが後半の追い上げは凄かった。どうやらスパルタスロンを何度も完走されておりブログでも拝見したことのある方。(←これも後日気づいた涙)


そして


女子1位は...


ミフィオ!!

95周171.0km走って女子優勝。目標は180kmだったがこの暑い中では十分過ぎる結果だろう。休憩をうまく入れながら最後まで走りきる姿に何度力をもらっただろうか。11月の神宮外苑では彼、いや彼女のハンドラーをする予定(??)だ。当日は200km以上走って少しでも日本代表クラスの方々と競える走りを魅せてもらいたい。


表彰式そっちのけで
一緒に水浴び


表彰式後は熱中症で動けず...




【最後に】


更新が遅くなってすみません!にも関わらずここまで読んで下さりありがとうございます!目標の220kmには僅かに届きませんでした。あと2周です。でも自分にとってたった2周だからこそ、それを走れなかったということまだまだ未熟であることを端的に表していると思います。限界ギリギリまで頑張ってのあと2周ではなく、最後は歩き通してのあと2周ですから…。でも逆に言えば18時間以降キチッと走り続けられれば220kmどころか230kmも本当に狙えたかもしれません(もちろんタラレバの話です)。感触として絶対に手の届かない話ではないよう気がします。

また、レースレポで書いてきた通り、24時間も走り続ければ様々な出来事やトラブルが発生します。それらは自分だけではなく24時間に挑戦するランナー全てに起こること。誰も気持ちよく24時間走り続けた人はいないですよね。だからレース中あれこれ考えずにもっとシンプルに周回を重ねることだけ考えれば良かったかなと反省しています。誰かと競うのではなく、123周するレースだと考えれば良かったかな。




第17回 24時間リレーマラソン神戸大会 2017
全6編






また来年!



コメント

暑さでひ弱な横田 さんのコメント…
すごすぎ!24時間も走るなんて恐ろしい!最後までやりきるのが強いわ~
1回出てみたいけど・・・出れないぜ
優勝おめでとう~
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
暑苦しい兄貴ありがとうございます!
兄貴も今度ファガス出るやないっすかー!しかも24時間山をぐるぐる。
飲みすぎないで下さいよ〜!朗報お待ちしてます(笑)