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第9回 熊野古道中辺路マウンテンランレース 2017 その④ 〜レースレポート・中編〜
その① 〜結果報告〜その② 〜大会概要〜
その③ 〜レースレポート・前編〜
からのつづきです。
▶︎▶︎AS1 → AS2 → AS3
《潮見峠AS1(11.6)〜射森峠〜一願寺前AS2(19.1)〜真砂登山口AS3(21.7)》
10:02頃 (01:02経過)
avg.5'20/km
11.6km地点
潮見峠AS1を通過
よかった!メダリストだ!
梅干しもある!!
エイドに到着するとたくさんの方に拍手で迎えてもらえた。序盤でのまさかの足攣り騒動により手持ちの水分をかなり消費したためここで補給。当初は21km地点のエイドまで補給することはないだろうと考えていたが大間違い。ここまで発汗するとは思ってもみなかった。おそらくかなり無理していたのだと思う。梅干しを2個つかむと口に放り込みすぐに出発した。
大きくUターンする時にM裏さんがエイドにいるのが見えた。ここからロードで標高差250mを一気に下る。よっしゃ!行くでぇ〜!!
その時だった。
はうあ!!
ピッキーーン!足ふくらはぎから膝裏にかけて痙攣が襲う。しかも片足づつ交互に。
マジかよ...
どないすんねん…
まだ序盤やっちゅうのに…
最悪のシナリオが脳裏によぎる。とぼとぼと歩いて後続のランナーにばんばん抜かれる姿…。焦る…。とにかく冷静にならなければ。腹をくくってスピードを落とし、残っている食糧を立て続けに口の中に放り込んだ。ジェル・アミノバイタル・ツムラ68番。ここで手持ちの食料は全て使い果たした。その間に風のごとく駆け下りて行くM裏さんにブチ抜かれた。でも今はそれどころじゃない。一度立ち止まってストレッチ。
頼む!効いてくれぇぇ!!(´;Д;`)ノ
しばらくペースを落としたおかげか、ツムラ68番が効いたのか、それとも切実な願いが届いたのか、徐々に痙攣は消え去った。あぁ助かったぁ。もちろん再発が怖いのでペースはそのまま。それでもこの時キロ4'10前後で走っていた(感覚としてはかなり落としたつもりだが身体はレースモードになっていたのだろう)。
12.9km地点
東谷橋を通過
一気に下ってくるとここからまた延々とロードの登りが始まる。勾配は比較的緩やかだが、実力以上のスピードで走ってきた身体には結構堪える。足攣りが怖いので無理せず淡々と走る。ここはじっと我慢。
するとM裏さんの背中がチラチラと見えてきた。彼は時折後ろを振り返って自分との差を確認している。きっと彼だってそれなりに疲労が溜まってるに違いない。約50mほど後ろを虎視眈々と走り続けた。
16.4km地点
射森峠を通過
ここでロードわきにあるトレイルの入り口へ誘導される。下りだ!!
ひゃっほーーい!!
・・・
ん?
背後に気配が?!
ま、まさか?!
パイセン!!
ガオー
パイセン「りょーさんにもう少し早く追いつけると思ったんすけど、やりますねー!」
オレ「先頭はフルで2時間半切るランナーらしいけどパイセンなら絶対に勝てるで!」
こんな会話をしながらお互いにエールを送り合った。こうして切磋琢磨しあえる仲間がいることは純粋に嬉しかった。舗装路に出ると足攣りが怖いのでパイセンに先行してもらう。もちろん足攣りなど無くても彼のスピードにはついていけなかったのだけれども。
前方でM裏さんをブチ抜くパイセンの姿を眺めながら走っているとエイドに到着した。
19.1km地点
一願寺前AS2を通過
少し迷ったが水切れが怖いのでここで満タン(500ml)にする。エイドのおばあちゃんにお礼を言ってすぐに出発。このあたりは地元の方だろう、子どもたちもたくさんいたように思う。小さい子どもたちの「がんばれー!」という声援にこたえる。
ありがとー!
頑張るぞぉ♪( ´θ`)ノ
こうした地元の方とのコミュニケーションは日常生活で忘れてしまっていた何か大切なものを思い出させてくれる。それらは演出などではなくあくまでナチュラルなものだ。自分がトレイルやウルトラなどのローカルレースが好きなのはこういった体験が最大の理由かもしれない。そして、それらは精神的な癒しだけでなく、自分の中にある力(可能性のようなもの)を引き出してもらえる。
なんてことを考えながらアップダウンのあるロードを走っているとエイドが現れた。21.7km地点の真砂登山口AS3だ。
その⑤へつづく
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