2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第9回 熊野古道中辺路マウンテンランレース 2017 その③ 〜レースレポート・前編〜

第9回 熊野古道中辺路マウンテンランレース 2017 その③ 〜レースレポート・前編〜


その① 〜結果報告〜
その② 〜大会概要〜
からのつづきです。

今回からレースレポートをお届けします。なお、レース中写真を撮っていないので文字ばかりになります。当レースに出られた方も、そうでない方も、読みながら一緒にゴールまで走って頂けたらと思います。それではスタート!!

【レースレポート】


▶︎▶︎START → AS1
《なかへち総合グラウンド〜小皆十九川分岐〜門谷〜清姫道〜潮見峠AS1 11.6km》



9:00
なかへち総合グラウンドをスタート

photo by パルさん

パーン!号砲が響くと、如何にも速そうなランナー数名についていくような形でスタートを切った。まずは選手駐車場となっているグラウンドをぐるっと一周する。昼頃から天候が崩れる予報が出ているが、そんなことを感じさせないほどたっぷりとした日差しが春の暖かさを感じさせてくれる。気持ちいい!

当大会は5分おきのウェーブスタート形式。2015,2016年と連覇している関西のスピードスターことパイセンは2組目のスタートとなる。念のため昨年入賞者の名前を選手名簿で探してみたが誰もエントリーしていない模様。とにかくハッキリしていることはパイセンが突出したスピードで5分後に追いかけて来るということ。

どこまで彼に追いつかれないようにできるだろうか…

などと考えながら速いランナー2名と下り坂を一気に駆け下りる。1km経過。時計を見るとキロ3'40。まぁ下り坂だし…と思うのも束の間。グレーの超軽装ランナー(以降、T本さん)は平地に出てもペースを落とさない。

な、何を!?

テンションが上がり過ぎたせいか無謀にも彼についていく。そしてあろうことか抜かしてしまった。先導するバイクを追いかける。約2km地点の覗橋で右折するとコースは緩やかな登りへと変わる。やはりT本さんはペースを落とさず走り続ける。もちろんついていくことができずジリジリと後退してしまった。

あのスピードで走ったら確実に潰れてしまう。
ついていけないのは悔しいがここはマイペースを貫こう。

まだ早い段階でこのようにアッサリと判断できたことは後のレース展開を考えると正解だった。おそらく歴然としたスピードの差を目の当たりにしたことで「まだ先は長い!スタミナで勝負しよう!」と気持ちを切り替えられたのだと思う。

徐々に登りの勾配がキツくなると、それに比例して額から流れ落ちる汗の量が増え続けた。T本さんの後ろ姿は辛うじて確認できるがその差は100m以上(こうしている間にもさらに開きつつある)。すると背後からランナーの足音が聞こえてきた。そして抜かれる。赤いシャツのランナー(以降、M裏さん)だ。でもまだ序盤。必死に追いかけることはせず、彼の後ろ姿がチラチラと確認できる位置をキープしながら登り坂を走り続けた。※ちなみにM裏さんとはこの後何度も競り合うことになる。



7.9km地点
潮見峠下峰分岐を通過

ここまでずっとロードだ。しかも標高差は約400m。山ばかり走っていたせいなのか、ロードの坂練をしていなかったせいか、単に前のランナーに引っ張られてしまったせいか分からないが、すでにこの距離でかなりの疲労感を感じていた。

ここからようやくトレイル・林道が現れる。下り。非常にスピードが出る快適なトレイルだ。これがめちゃめちゃ気持ちいい!ひゃっほーーい!!スピードは出しても捻挫しないよう丁寧な走りだけは心がけた。



9.3km
門谷を通過

ここからしばらくトレイルの登りが続く。よし!来た!!と言わんばかりの勢いでガシガシ登っていく。当大会の名前はマウンテンランとあるが全体を通して3割ほどしかトレイルは無い。ロードでのスピードについていけなかった自分としては「ここで勝負するしかない!」とかなり意気込んでいたことを覚えている。

徐々にM裏さんの後ろ姿が視界に入り出した。しかしまだ10kmにも達していない。一気に追いつくことはせずジワジワと体力を温存しながら登り続けた。清姫道に入るとアップダウンが連続する。ここで身体に異変が。正確な部位を言うならば足だ!完全にガチっと攣ってしまい走れなくなるほどでは無いが、ふくらはぎから膝裏にかけての筋肉(スジ??)が痙攣し始める。しかも両足とも。

こんなことはこれまでのレースでほとんど経験したことが無かったので正直焦った。距離はまだ1/3にも達していない。すぐにジェル(Mag-on)やら塩熱サプリやら梅干し(大会参加賞のやつ。ありがて〜。)やら塩分を含むものを立て続けに摂取する。これらの応急処置が効いたのか攣りそうなあのイヤな感覚はしばらくすると消えた。しかし予定外の出来事で手元に残った食糧はジェルが一つとアミノバイタル、そして芍薬甘草ツムラ68番だけになった。

また再発したら...やっべっぞ...

痙攣が収まったことで登りのスピードが一時的に回復するとM裏さんに追いついた。しばらく会話しながら一緒に登る。聞くと彼はロードランナーらしくトレイルはほとんどやらないとのこと。そして先頭を走るT本さんについて驚くべき情報が!何と彼はフルで2時間30分を切るランナーらしい。なるほど!通りで速いはずだ!三連覇を目指すパイセンよりスピードのあるランナーの出現。これは1位争いも面白くなりそうなところ。

エイドまでもうすぐというところで先行させてもらう。そのまま一気に登ってトレイルを抜けると視界が広がり多くの方に拍手で迎えられた。11.6km地点の潮見峠AS1だ。




ここまでです!!
その④〜レースレポート・中編〜へ続く




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