2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

【雑記】とある実験 〜KOUMI100へ向けて〜

【雑記】とある実験 〜KOUMI100へ向けて〜


先日、KOUMI100の最終案内が届いた。封を切りながらまず最初に頭を駆け巡ったのは、初めて100マイルを走りきってフィニッシュゲートをくぐった喜びでもなく、ともに戦ったランナーとの思い出でもなかった。一生たどり着かないんじゃないかと思えたあの果てしない舗装路、木々が人や家にしか見えなくなった幻覚。寒さで打ち震え、初めてリタイアしそうになったあの朝。あの瞬間瞬間の苦しみがまるで古い映写機によって映し出されたかのようにカタカタと音を立てながら頭の中に広がった。ある種の懐かしさとでもいえるような心地良さを伴って。


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タイトルにもある通り、KOUMI100へ向けた個人的な思いを、いつもの雑記スタイル(そんなスタイルが確立されているのかは定かではないが)でダラダラと書いてみようと思う。当ブログの熱心な読者なら、「なんだ雑記かよ。それなら今読む必要など無いな。まぁどうしようもなくヒマな時にでもチラッと見てやるか。」と懸命な判断をして頂けるだろう。そしてこう書き始めると、とある読者は「またかよ。もうそんな言い訳じみた前置きはいいからさっさと言いたいことを書きたまえ。むろん、中身など期待はしていないがな。」と、机の下の足がガタガタと揺れ始めるのが容易に想像できる。いずれにせよ、毎度このような他愛もない書き出しによってどれだけ多くの読者を逃しているのかは計り知れない。まぁこればっかりは筆者のひとつの傾向として受け取って頂きたい。こうかくと「なにが傾向だ。カッコつけるのもいい加減しろやい!」と本当に怒り狂う読者も現れるかもしれない。傾向と書いたが、簡単に言えば「癖」である。なぜか自己弁護すればするほどペンが進むのは自分でも不思議なのである。いや、正しくは自己弁護することに関しては湯水のごとく文章が溢れ出る。さて、本当に読者がゼロになってしまいそうなのでそろそろ本題へ入ろうと思う。(本題と言えるほどの内容ではないとは思うが。え?また自己弁護してる?これも傾向ということでどうかご容赦頂きたい。)


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UTMF以降少しずつだが調子が上向いているのを実感している。悩みの種だった膝の痛みも当分鳴りを潜めてくれている。ご存知の通り、今年のUTMFは悪天候により急遽距離が大幅に短縮され、空前のスピードレースへとその内容は変貌した。自身のレース内容はと言うと、それはもう悲惨なもので、辛うじて100位以内に食い込めたものの、周りのスピードに全くついていくことができなかった。(ちなみに、道中含め一度も富士山を拝めなかったという事実から運にも見放されたことがうかがえる。)→記事はコチラ


100マイルを走れなかった悔しさは100マイルでしか晴らすことはできない
どこかで聞いたような言葉だが、こればっかりは天の邪鬼の代名詞とでも言える筆者でも首を縦に振らざるを得ない。こうなると今年最後の100マイルレースであるKOUMI100にただならぬ期待が向けられるのはごくごく自然なことだろう。しかし「やった!100マイルを走れるぜい!にゃっほーい!」と大手を振って喜べない。実は大きな不安が暗雲のように心に立ち込めている。ではその大きな不安とは一体何なのか。


後半の失速
いつの間にやら超ロングばかり走るようなってしまった筆者だが、如何なる距離の大会であろうとランナーたるもの戦々恐々とすることは失速だろう。超ロングにおいてもそれは変わらない。失速すれば大きく順位を落とし、今まで築きあげてきたリードが、ボロボロと音を立てながらいとも簡単に崩壊していく。ロードにおいては徐々にではあるものの、後半の激しい失速を克服することができつつある(もちろんある程度)が、ロングトレイルではそれが一向に改善していない。昨年のKOUMI100での失速は凄まじいものがあり、最終回である5周目はなんと完走者中一番遅い10時間近くもかかってしまった。


KOUMI100 2015にて
失速して私設エイドから出られなくなる
今年もあのお二方にお会いできるだろうか
(記事はコチラ)

まぁこの時は初100マイルの洗礼を浴びただけだとあまり気にもしなかったが、万全の状態で臨んだ今年のおんたけ100マイルでも後半の大失速を経験することになる。(→記事はコチラ)。補給もしっかり行い、今までの経験からできる限り前半は抑えながら走ったつもりが、100km手前で足が動かなくなり、そこから失速して大きく順位を落とす結果となった。


失速を防ぐには?
そこで一丁前にも対策を考えてみた。もちろん走力不足という面は重々承知している。しかしそれを言い始めるとキリがないので、ここでは別の面について言及してみたい。やはり真っ先に思いつくのは補給面だが、最近はロード同様に気を配ってしっかり摂取している。もちろんまだ十分とは言えないものの、幸運にも胃はそれほど弱くないためこの点についてはそこまで心配はいらないだろう。色々とあれこれ考えた末、大きな対策案は以下の2点に絞られた。

・積極的な休憩
・パワーウォークの強化


積極的な休憩
この必要性を痛感したのは今年の神戸24時間走にて。今までの経験上、24時間ぶっ通しで走れるほどの身体能力や精神面は持ち合わせていない事を重々承知していたので、前半から積極的に休憩するようにした。例えば3時間半走って30分休憩するなど。休憩すると差をつけられたり、逆に追いつかれたりするので、上位を目指すには非常に勇気がいる。しかし、丸一日かけて走るようなレースでは、ちょっとした休憩は致命傷にはならず、むしろそれが逆に後半生きてくる。休むときはしっかり休んで、走るときはその分しっかりと走るという切り替えさえうまくできれば、ダラダラ走り続けるよりは効率が良く、レース終盤の足の動き方が全く異なってくるように感じた。そのように考えてみると、100マイルという距離をトップ選手のようにほとんど休憩する事なく走り続けるという事はまだ到底出来ないのだから、自分みたいなランナーは積極的な休憩を上手く取り入れる必要がある。失速したおんたけ100マイルを振り返ってみても、エイドは補給程度にしか寄っておらず、ある意味ではトップ選手のような走り方をしてしまった事が後半の大失速へとつながっているように思う。


パワーウォークの強化
ロードと異なり、トレイルでは走れないような急斜面や、岩場などの激しい段差が必ず現れる。それに実際のところ走るよりもパワーウォークでガシガシ登った方が速いという局面が多いのもロードとの大きな違いだろう。これは以前から気になっていた事だが、当方パワーウォークが滅法弱い。序盤など元気なうちはそれなりに登れるのだが、50kmを超えるようなレースになると後半一気に登れなくなる。失速を感じるようになるのは、たいてい登りで周りのランナーに抜かれ始める時だ。だから自分はパワーウォークでガシガシ登るよりも淡々と走り続ける方が得意なランナーなんだと自分に言い聞かせてきたが、実際のところ、このパワーウォークの強化を図らなければこれ以上のスピードアップは望めないだろう。

とある実験
そこで週末に二日連続で岩湧山へ足を運んでとある実験を試みた。パワーウォークを積極的に取り入れることでタイムがどれほど変わるのか。また、同時にパワーウォークの強化も図ってみようという魂胆だ。以下は《山の登りを走りつづけた場合》《パワーウォークを積極的に取り入れた場合》のデータの比較である。データの比較などと何かの文献に載っていそうな言葉を使ったが、コースが全く同じなだけで、気候や体調、それに装備の内容などが異なるため対照実験と言えるような代物ではない。また、《山の登りを走り続けた場合》の過去のデータは実験するつもりで臨んだものではない上、あくまでなんとなく比べているだけなので、きちんとした実験者からすればデータや実験などという言葉を持ち出したことは噴飯ものだろう。ただ、登りに関しては様々な条件が異なるものの、同コースを全力で挑んだということは付け加えておく(お恥ずかしいタイムだが)。


《山の登りを走りつづけた場合》
2016.9.17
登り:42'49

2016.9.18
登り:41'34

《パワーウォークを積極的に取り入れた場合》
2016.10.1
登り:41'22

2016.10.2
登り:40'48

※ここで注釈だが10月に行った時は2回とも2往復している。ここに掲載したのは1往復目の登りのタイムのみ。また、できる限りハイカーの少ない時間帯を狙った。タイムは計測しているものの登り優先、追い抜く際などハイカーの方に近づいた時は必ず歩いたり、場合によってはしばらく停止するなどの当然のマナーは遵守しているつもりである。登山者との会話を楽しむのも醍醐味だ。

山では1分1秒を争わずゆとりをもって♪

前述した通り様々な条件等は異なるものの、走り続けるよりもパワーウォークを入れた方が速いという結果となった。また、タイムが速くなっただけでなく、パワーウォークを取り入れた方が2往復目のタイムもあがっている(ここには掲載していないが)。そして注目すべきは下りやロードなども含めた全行程のタイムを10分以上縮めることができている。このことからパワーウォークを取り入れることで、登りのスピードアップが図れるだけでなく、スタミナを温存することもできると言えるのではないだろうか。100マイルなどのロングトレイルを走り続ける上で、今以上にパワーウォークを積極的に取り入れ強化していくことが、今の自分には求められているような気がする。


KOUMI100に出られる方
めいいっぱい楽しみましょ〜!!



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