2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

山上ヶ岳アタック+α (母公堂〜山上ヶ岳〜小笹宿 往復)

山上ヶ岳アタック+α (母公堂〜山上ヶ岳〜小笹宿 往復)


【概要】

《日程》
2016.9.11(Sun)

《コース》


母公堂=清浄大橋=洞辻茶屋=山上ヶ岳山頂=小笹宿 往復
距離:17.05km
獲得標高:1041m
時間:2時間28分55秒
(全ての行動時間含む)


《駐車場》
母公堂駐車場(1日500円)


《温泉》
村営洞川温泉センター


【レポート】


ようおまいり〜

額から滴り落ちる汗を拭いながら顔をあげると、行者のような格好をした参拝者の方が声をかけてくれた。急いで挨拶を返す。参拝者の満面の笑みと「すごいなぁ」という感嘆の声で、身体から熱が抜け、目の前の岩をふわりと飛び越える。

意外かもしれないが、ある意味では大峰山ほどトレイルランナーに寛容な山は無いのではないだろうか。かつては修験道と呼ばれた奥駈道や、それに通ずる道。現代でさえも女人禁制エリアが残り、山へ足を一歩踏み入れれば、そこが宗教色が色濃く残る歴史ある道であることが自ずと分かるだろう。そんな神聖な山道を走るなど言語道断というのが第一印象であったが、何度も大峰山を走っているうちに、山を走る事に寛容であるばかりでなく、何か好奇の目をもって迎え入れてくれているように感じた。これは一般登山者よりも参拝者に顕著に見られるような気がする。理由として考えられるのは、第一に、大峰山は修験道であり、山を走るということはかつてから日常的に行われていたということである。もしかするとトレイルランナーを修験者・山伏と重ねて見てくれるのかもしれない。第二に、トレイルランナーが少ない事。六甲やダイトレなど交通アクセスの良いところは、登山者も多く、それに比例して必然的にトラブルも多くなる。しかし、奈良の南に位置する大峰山系や台高山脈などは交通の利便性が悪く、自然とトレイルランナーの数も減る。また、山を走りにここまで来るというのはある種の物好きか、深い山々に魅せられた者が多いはずだ。よって、ある程度山を走るという経験を踏んだランナーが多く、山のマナーや登山者との共存に意識が高い人が多いのもその所以だろう。(大峰山に団体で来ているトレイルランナーを見た事がない。)


母公堂を出発してどれくらいの時間が過ぎただろうか。ここまでずっと走り続けている。崖のような岩場がある鎖場も手足をフル活用して走るようなペースで登ってきた。不安だった左膝の調子もだいぶ良くなったので、激しい山の登り降りでも痛みがでないか確かめるべく、バーティカルレースのような気分で山上ヶ岳山頂まで一気に駆け上がる。

山上ヶ岳アタック
母公堂〜山上ヶ岳山頂
距離:6.5km
高低差:831m
時間:1'02"48

山頂のお花畑でしばし遊び、大峯山寺で身を引き締めた後、調子もよかったのでそのまま奥駈道を走り、ここから2kmほど離れた小笹宿まで足をのばすことにした。山上ヶ岳以降は登山者もほとんど入っていないので自然豊かなトレイルを独占できる。苔むした岩。何百年という寿命を終え、倒木した木々。目の前の踏み跡が自然の奥地へと誘ってくれる。もはや競争でもトレーニングでも何でもない。走る事で自分がまるで自然の一部となったかのような錯覚を覚える。すると風が水の音を運んできた。もうすぐだ。小笹宿に到着すると、山肌から水が溢れ出る場所へと一目散に向かった。もちろん誰もいない。以前、ここを訪れて水を汲んでいると、自分のわずか2,3メートル先に大きな鹿がこちらを向いて立っていたことがあった。しばらく見つめ合う。あたりは静まり返り、水の音だけが聞こえている。木々の間から差し込んだ光が、草についた水に反射してキラキラと眩しい。「ちょっとばかりお邪魔させてもらうよ。」と声に出すと、自分を認めてくれたのか、それとも自分のことなど相手にもしていないのか、その場で優雅に草を食べ始めた。自然が作り出した小川の傍に立つその姿に神々しさ感じずにはいられなかった。今日はどうやらお休みらしい。自然が作り出した楽園でひとしきり遊ぶと帰路についた。

小笹宿にて

重力に任せて一気に駆け下り、母公堂へ戻ると、お堂を守っておられる堂守さんに声をかけられた。

「よろしければ珈琲でもいかがですか?」

もちろんそのご厚意に甘え、ランニングウエアのままお堂のそばにあるベンチに腰をおろした。温かい珈琲と和菓子がテーブルに置かれる。うまい!疲れた身体に温かい珈琲がしみ渡る。カップを下ろすと同時に、堂守さんから矢継ぎ早に質問が飛んできた。

「どれくらいの距離走って、どれくらいの時間がかかったのですか。」
「こういった大会などに出られてるのですか。」
「賞金なんかはあるのですか。」
「マラソンもされているのですか。」
「次はいつ来られるのですか。」
「ご結婚はされているのですか。」

よほど自分の出で立ちに興味を持ってくれたのか、単にお話し好きなのか。(おそらく後者であることは間違いないだろう。)放たれた矢を一本一本集めるかのごとく丁寧に質問に答えていると、奥様手作りのカステラまで出して下さった。もちろん珈琲のおかわりも添えて。山を走り終えた後、現地の方とお茶を飲みながら楽しくおしゃべりする時間。なんと有意義な時間なんだろう。あまりの居心地の良さと堂守さんの優しい人柄に時間を忘れ、長々とお邪魔してしまった。お礼を申し上げてその場をあとにした。

堂守さんと一緒に
※ブログに載せる事はご本人の了解を得ています。




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UTMFまであと10日。


コメント

Unknown さんの投稿…
およ?
小説読むようになって文章構成上手くなった~?
途中までそう思ったのに挿絵がねぇ、、、

撮り直し!
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
ラッキークッキーフッキーさん、お褒め頂いてるのか貶されているのか(笑)と、撮り直しっすか?!小笹宿の写真はテイク4くらいで何とか撮れたやつやのに〜(涙) 
もりもりサラマンダー さんのコメント…
いや~良かった!
超久しぶりに大峰山に行きたくなりました。

堂守さんにも会いたいです。(大鹿にも)

UTMF応援しています(^^)
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
もりサラマンさん、ありがとうございます!

大峰山はやっぱり良いですね♪ぜひとも山上ヶ岳アタックしてみて下さい(笑)

UTMFの記事でも書いたんですが、どーも調子が上がってません。大峰山で何かに取り憑かれた?!