2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

【雑記】実験的文章 サンプルA

これは文章を書くというひとつの試みであり実験である。

早速この一文から、砂をじゃりっと噛み潰してしまった時のような読者諸君の顔が想像される。この試みは今後の
当ブログの在り方を実験的に模索したものであり、実験者(つまり筆者)の完全なる自己満足の世界である。わざわざインターネッツを介して発信する必要は無いのだが、何やらこんな自己満足の世界でもお気に召していただけるという雑記ファンの方がおられるという(あくまで噂レベルの話ではあるが)ので、あえて発信してみようと思ったわけである。しかし、今までの雑記とは趣旨が大きく異なり、本当に意味の無い文章が多いことに気づかれるだろう(賢明な読者は既にページを閉じているはずだ)。すなわち読者諸君には何の利益も存在しないし、何の発見も体験することはできない。言いかえるならば、日がな一日黙々と岸壁から糸を垂らしている釣り人の様子を一日中じっと眺めているようなものである。しかも何かしらの魚が釣れればまだいいものだが、いっこうに魚が釣れないから困ったものである。(ちなみ筆者は釣りをしない。)

さて、文章を書くといっても何かこう文学的な教養のあるパッと目の覚めるような代物でもなく、中を覗いても闇の中に一筋の光が差し込むような教訓めいたものも一切含まれていない。風呂桶に水を貯めるようにただただ水を出しっぱなしにするのと同じ、言わば文章の垂れ流しである。したがって、上述した通りこの文章には何も期待しないほうが良い。どうしても他にやる事がない時に「えい、ちきしょう。こんな文章でも我慢して読んでやるか。ぺっぺ。」という一種の嘲笑を含む興味本位で読んで頂けたら幸いである。しかし、もしこの風呂桶にざぶんと浸かって「あぁぁ。」と癒される方がいたらそれはそれで良かったのかもしれない。(そんな人がいるとは到底思えないが。)

実を言うと、まだ書き始めてほんの数行であるが、案の定「文章」とは一体何なのかという袋小路に迷い込んでしまった。これは予想していたことだが、実際に迷い込んでみると「何してるんだ、オレは。」とある種の怒りみたいなものまで込み上げてくる始末である。書けば書くほど足をとられて泥沼へはまっていく。時折見晴らしが良いところへ来ても、自分がどこから来てどこへ向かうのか、いよいよ分からなくなってきた。

こう書くと読者の中には「ま〜たお得意の自分語りか。」と机の下の足を小刻みに揺らしながらそう呟かれる方もいらっしゃるだろう。これ対してあえて反論はしない。当の本人は全くそのつもりは無いのだが、過去の雑記を読み返しても思い当たる節が多すぎてそう解釈されても仕方ないからである。

走る

どうしても今の自分にとってはこの話題からは離れられそうにない。なぜ走るのか。そんな事も考えたことがあるが、「走りたいから。」という月並みな答えしか思いつかないし実際にそれ以上でも以下でもない。何か高尚な理由のひとつでもあれば、そのことで数時間語ることもできるかもしれないが、凡人である自分にはいくら頭をひねったところでこれ以上の答えは見つかりそうにない。やはりこれだけでは漠然としていて何を書いたら良いか皆目検討がつかない。少し角度を変えてみよう。

山を走る

走る場所を限定してみると少しだけではあるが、光が差し込んできたように感じる。音楽で言うと単調なメロディが変調しリズムまで変わってきたかのようだ。ちょろちょろと流れる川の音。目の覚めるような鮮やかな緑。木の根が複雑に絡み合い、しっかりと踏み固められた地面が続く。顔を上げれば高い木々の隙間から小学生の頃に絵の具で描いたような青空がのぞいている。少し湿り気の含んだ空気が塊となって全身にぶつかってくる。ゆっくり吸い込んで吐き出してみる。何かが腐ったような匂いと何かが生まれてくる匂いが入り混じっている。高度を上げるごとに心拍数が上がり呼吸が乱れるが、できるだけ鼻で呼吸をして山のリズムと同調させる。足裏から感じ取れるものだけに集中してみる。歴史。生命。人間。一歩、また一歩と山を駆ける。続けてみよう。

山から街が見える

変調したメロディのテンポが上がり連続するハイハットが鳴り響く。すると何百年いや何千年という時間の尺度を超えた何かが渦巻き、自分の存在に自信が持てなくなり始める。「おい、オレはここにいるぞ。」必死になって空気を震わせても自分の耳には届かない。そこには時間を超越した生命が存在していることに気づく。生きていて死んでいる。いや死んでいて生きているのか。恐怖感を覚えるがそれも最初のうちだけだ。身を委ねてみると、自分もその一部として機能しているという幸福感を次第に僅かな熱をもって感じ始める。気づけば音楽が鳴り止み、街へ向かって山を駆け降りている。「街も山も人も全てはひとつ。」声に出してみると、風が木の葉を揺らして暗闇に吸い込まれていく。高度を下げるにつれて安堵感を覚え、自分は街に属しているのだという喜びと寂しさが同時に襲ってくる。肥大化した太陽が向かいの山へ姿を隠そうとしている。空の色が次第に変化し始め、また時間が街を覆い始めた。


コメント

もりもりサラダ さんのコメント…
「あぁ~癒される♪」
今回も興味深く読ませて頂きました。

毎度、りょー君の走力、文章力に感心させられます。

 

ひゃっほい太郎 さんの投稿…
いた!ここに変な人が!!笑 そして唯一の雑記ファン?!笑
もりサラさんは優しいですね〜。少しでも暇つぶしになってもらえたと思うと書いた甲斐があります。いつもありがとうございます!