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9:14(15:04経過)
東海道自然歩道起点(約72km地点)を通過
ここで悩みました。エスケープするならここしかありません。箕面駅へは舗装路を数キロ走れば行けます。しかし、エスケープせずに進むとなると登山道を進まなければなりませんし、確実に温泉のある摂津峡までは20km以上あります。さてどうする・・・
東海道自然歩道起点 |
「応援していますよ」
jognoteを見ると、いつも見てくださる方がわざわざコメントをしてくれていました。これはレースでも大会でもイベントでもなんでもありません。個人がただ勝手にやってるだけです。
ここでやめるわけにはいかん。
絶対に復活するはず!!
それでも人間(というかオレが)とは弱いものです。ここまで決意しても登山道の登りを歩きながら自問自答しました。
本当に進めるんか?
もうここまで行ったから十分なんじゃない?
あったかいお風呂に入って美味しいご飯が食べたくない??
………
よし戻ろう!もうやめよう!もう十分だ!!
あれほど決意したことが一瞬の気の迷いで、来た道を引き返してしまいました。まさに誘惑に負けた瞬間です。
ちょ、待てよ。こんな誘惑でやめたら絶対に後悔する…
応援してくれたのはなんやったんや…
ほんとにちょっとした迷いだけで辞めてしまえるほど弱い人間だということがハッキリしました(涙) しかし、何とか誘惑を押さえ込んで進むことにしました。
9:56(15:46)
一瞬の気の迷いに打ち勝てたとはいえ、頭の中には『どこでエスケープするか』しかありません。お風呂には入りたい。地図を見ると一番近くでお風呂がありそうなところは竜王山荘です。近くにもバス停がありますから何とかエスケープできるでしょう。目的地を竜王山荘に設定してひた走ります。
北摂霊園からは下り |
湧き水!
うまぁぁああああ
11:02(16:52経過)
ここからなだらかな舗装路の登りが続きますがどうしても走れない。弱いですね。こういうところで走れなければ100マイルレースで好成績は残せないでしょう。とにかく早足でも竜王山荘を目指します。
11:37(17:27経過)
ようやく到着!一目散に館内へ入って受付の方に尋ねました。
オレ「すいません、日帰り入浴などはされていますか?」
受付の人「ありませんよ。」
オレ「スポーツ施設なんかがあるようですがシャワーは貸して頂けませんか?」
受付の人「ありますが当施設利用の方に限ります。(キッパリ)」
何だろう。この気持ちは。もちろん竜王山荘は何にも悪くない。規則があるはず。オレだけ特別扱いにするのはおかしな話だ。でもなんだろう。この気持ちは……。命からがらたどり着いた山小屋の親父に、今日はもう定員オーバーだから無理!って言われたような気分とでもいえようか。しかし、こう言われて建物から出た瞬間、
だったら、
やってやろうじゃねぇかぁぁあああ!!
完全に火がつきました。長距離走を少なからず走ってきましたが、こういう気持ちになったのは初めてです。しかしその時のエネルギーたるや自分でも凄まじいものを感じました。
11:58(17:48経過)
竜王山山頂を通過
竜王山山頂の展望台 |
メラメラと燃えているのが自分でもわかるほどの気持ち。なんだろうこの感じは(笑)
目的地を当初の予定通り摂津峡に戻します。ここまで行けば確実に温泉があります。完全復活とは言えませんが、この反骨精神のおかげで馬力が戻ってきました。
12:32(18:22経過)
竜王山山頂から車作大橋への道も一度行ったことがあるの迷うことなくスムーズに行けました。気持ちに余裕ができたのか、ご覧のようにこの滝でしばらくおっさんが独りで遊びましたとさ(笑)
白滝を越えて
川沿いに・・・
もうすぐ・・・
そして
13:46(19:36経過)
摂津峡で祥風苑への道をミスコースしてしまい少し迷ってしまいましたが、地元の方が親切に教えてくれました。あの時は助かりました。どうもありがとうございます!!正直に言うとこの時まだ進めるという自信がありました。珍しくヘロヘロのゴールではありません。もちろんロングトレイルですのでやりきった感はありますが、まだいけるという手応えを感じ得れたのは大きな収穫でした。
《結果》
須磨浦公園〜宝塚〜箕面〜摂津峡
95km
累積上昇高度 5711m
累積下降高度 5705m
19時間36分 avg.12'22/km
累積下降高度 5705m
19時間36分 avg.12'22/km
須磨浦公園〜宝塚 : 約43km 8時間48分 avg.12'16/km
宝塚〜箕面(政の茶屋) : 約29km 6時間07分 avg.12'39/km
箕面〜摂津峡 : 約23km 4時間41分 avg.12'13/km
【あとがき】
目標は100kmと言っておきながら少し足りませんでした。しかし摂津峡までで約100kmだと思っていたので一応目標に達することができたと満足しています。時間に関しては100kmにしては少しかかり過ぎかな?ただ、今回はあまり無理せず一定のペースを意識しました。100マイルを想定した走り方です。特に下りはロード、トレイル関係なく調子に乗りすぎないようかなり意識したと思います。おかげで足が重くて動かないというシーンや完全に潰れてしまうということはありませんでした。100kmのトレイルレースで好成績を狙うなら無理することは必要ですが、100マイルともなると下りはかなり気を使う必要があります。前半にいくらハイペースで行っても後半潰れてしまえばあっという間に追い抜かれてしまうでしょうから。(昨年のKOUMI100で経験しました笑)
また、いつも以上にカロリーを摂取したように思います。それでもハンガーノック状態になったこと考えると、ロングトレイルの場合は相当のカロリー摂取が必要だということです。(当たり前ですが笑)もちろんこれは個人の体質によりますが、現状では自分はしっかり食べる必要があるということです。
精神的な面において言うと、自分が弱くなる瞬間ってのは
・寒くなった時
・深夜
・エスケープできるところ(レースで言えばエイド)
でしょうか。これも当たり前のことなんでしょうが、今回もかなり精神的に弱くなるシチュエーションが多数ありました。そういう意味でもセンチメンタルジャーニーというタイトルはあながち間違っていないですね(笑) 一方で、そういった局面に打ち勝つ方法も分かったような気がします。というか、正確に言うと、実際には打ち勝つのではなく、精神的に弱くなる気持ちを低減させる方法ですね。
ロングトレイルをやっていればおそらく自分みたいな弱い人間は、気持ちを一定に保つことなんてできません。ましてや打ち勝つなどということはそもそも難易度が高すぎます。柔よく剛を制すではないですが、逆に精神的に弱くなる局面を受け入れてあげる。そしてそれと付き合いながら進み続ける。しかしこんなこと言うは易しですよね。では具体的にどうすれば良いか。簡単です。
無理せず自分のペースを維持し続ける
ロングトレイルともなると必ず調子が良い時・悪い時が訪れると思います。それに身体を合わせて、調子が良いからといってガンガン飛ばし過ぎれば、次に調子が悪い波が来た時には一気にその反動が襲ってきます。そしてそれに打ち勝つことができず負けてしまう。これが前回のパターンですね。だからあの時は寒さに負けて箕面でエスケープしまったんです。今回も同じように良い時・悪い時が交互に襲ってきましたが、無理のない一定のペースを維持することで、反動が少ない分なんとか踏みとどまり、我慢することができました。そう考えると100マイルのレースで好成績を残すには「己を知る」ということに尽きるかもしれません。
センチメンタルロングトレイルジャーニー 95
完
コメント
センチメンタルな感じも伝わりましたよ(笑)
「己を知る」UTMFで実践して下さい!!
まだまだ未知なことが多すぎるので、とりあえずバカみたいに色々やってみたいと思います!
UTMF当選するかまだ分かりませんが、走れることになったら全力で挑戦してみたいです♪
大会は他のランナーがいるから、悪い波が来た時にちょうど良いペースのランナーに引っ張ってもらったり、エイドの綺麗なお姉さんに刺激をもらったりして前へ進める筈ですよ。
UTMF、当たれば良いねぇ。100マイルをどんな走りで攻略するのか楽しみだわ。
それはさておき、こんなことしてても実際の大会で強くなるのか時々疑問に思うことがあったので、パルさんのお言葉がとても心強く感じました。UTMFと同時期に開催される丹後でのパルさんの活躍も今から楽しみですよ♪で、UTMFはエントリーした以上当選したいところですが、はずれたら山田昇杯も視野に入れています。