長崎橘湾岸スーパーマラニック217K〈E部門〉2018 〜レースレポート③〜

長崎橘湾岸スーパーマラニック217K〈E部門〉2018 〜レースレポート③〜

結果速報

まえがきと大会概要

レースレポート①

レースレポート②
からの続きです

【プチ近況報告】

全く走ってません(笑)

故障でもないのにここまで走らないと逆に不安になってきますが、もう焦っても仕方ありません。疲労回復を優先しています。彩の国100マイルまで残り間もないですが、橘湾217Kという十分過ぎる？！練習をしたと言い聞かせて、走りに行きたい衝動を日々抑え込んでいます。とか言ってますが、実は走らず食べてばかり(笑)腹が異常に減るんすよね。

おとっつぁんUTMF完走祝いタコタコパーリー

さて、そんな十分過ぎる練習？！となった橘湾レポの続きです_φ(･_･

【レースレポート③】

▶︎▶︎権現山CP113.6km 10時間03分 → 茂木ぶらCP159.2km 15時間25分
《権現山CP〜樺島灯台CP〜川原エイド〜茂木ぶらCP》

0:03(10:03経過)
avg.5'18/km
113.6km地点
権現山CPエイドを通過

チッチさん「お疲れ様です！ミネストローネありますよ！」

真っ暗な中で一際明るい声が響く。チッチさん！彼女も昨秋のW部門でお会いしたウルトラランナーだ。カッコつけて全然疲れてない振りをしようと「ミネストローネ下さーい！ヒャッホーイ！！」と言おうとするも、実際に口から出たのは…

い、いえ、大丈夫っす
み、水ください
( ；´Д｀)

あぁ情けない...チッチさん逹の作るミネストローネとパンをモリモリ食べて出発していれば、その後のレース展開は変わっていたかもしれない。しかし、この時こみ上げる気持ち悪さに負け、そんな情けなさを隠すようにエイドをすぐに出発した。

さぁ次は樺島だ。比較的平坦な道を淡々と走っていく。右手には月明かりの下に漁船が静かに停泊している。頑張りましょう！とぼとぼと歩くランナーに声をかけながら進む。

ひゃっほいさん！
頑張ってください！！
(中には握手してくれた人も笑)

脇岬三叉路を右折すると、樺島を走り終えたランナー逹が次々と前方から走ってきた。何人もの方にこう声をかけてもらえた。するとさっきまでグロッキーだったのが嘘のように元気になる(笑)気分が高揚し、

ナイスランです！
お疲れ様です！
ファイトです！！

時には手を叩きながら、自分を鼓舞するように出会うランナーひとりひとりに声をかけ続けた。キツいのは自分だけじゃない。皆それぞれが戦っている。

樺島公民館(往路)を通過したのが午前1時頃。そのまま樺島灯台へ向けて走っていく。往復約5kmのアップダウンのあるコースだ。とにかく歩かないこと。それだけを自分に言い聞かせながら走り続けた。

樺島灯台CP

01:28頃(11:28経過)
avg.5'24/km
127.1km地点
樺島公民館エイド(復路)を通過

あぁぁ
疲れたぁぁ

公民館に入ると思わず座り込んでしまった。周りにはサバイバルシートにくるまったランナーやぐったりと横たわっているランナーがたくさんいる。名物の樺島カレーをこみ上げる気持ち悪さと格闘しながら少しずつ口に入れていく(今記事を書きながらこの樺島カレーを腹一杯食いたい衝動に駆られている)。

よし。思い切って10分休憩しよう。
というかすぐに動き出せる元気がなかった

そう考えると気持ちが凄く楽になった。すると知り合いのランナーが公民館に入ってきた。

ピザ男さん！！

E部門9:00スタート

かなりお疲れの様子だ。それもそのはず。関門に追われながらギリギリのところを必死に走っているらしい。しかし絶対に諦めないのがピザ男さん。結果的に次の川原エイドの関門を4時ギリギリに通過し(おそらくかなりのスピードで走られたはずだ。区間タイムは負けているかもしれない)、見事完走を果たされる。

そして...

アラレちゃん！！
E部門9:00スタート

樺島灯台の道中でもお会いしたが、公民館に入ってくるなり倒れこんだ。アラレちゃんは昨秋のW217Kで女子優勝するなどかなりの実力者だが、そんな彼女も今回は内臓がやられていてかなり辛そう。それでも持ち前の明るさ(面白さ)は健在だ。レース後たくさんお話して頂いてありがとうございます♪( ´▽｀)

とは言え、自分も一向に気持ち悪さが取れない。前半の高松さんに代わり懇意にサポートしてくれている松枝さんも飲み物を探しに色々と奔走して頂けた。そんな時、奇跡が起こる。

白湯(さゆ)おじさん「白湯あるよ？」

無味無臭。ただただ温かいお湯。それが白湯だ。うまい！なんて美味いんや！！快楽神経を刺激しながら喉をするすると通過していく。昨年の神宮24時間走でミフィオが後半に白湯をぐびぐび飲んでいたのを思い出した。すると彼、いや彼女が横で、

ふふふ。
お主もやっと白湯の美味さに気づいたか。
さ、こんなところで油売っとらんと、
さっさと出発せんかーーい！！
ヽ(*`Д´)ノｺﾞﾙｧ!

と言う声が聞こえたような気がした。
※今回ミフィオは残念ながらDNS

時計を見るとすでに10分が過ぎている。松枝さんや白湯のおじさんに励まされながら公民館を飛び出した。

少し休みすぎたのだろうか。足裏の痛みでまともに走れない。着地と同時に全身にびんびん響く。キロ7ペースでちょこちょこ走ることしかできなかった。

足裏に痛みが走る。以前はよくこの症状に悩まされたが、しっかり補給※をするようになってからはこの症状はあまりでなくなった。補給が足りてないのか？確かに胃腸が気持ち悪くなってからジェルや固形物を摂る量がガクッと減っている。
※足裏のジーンという痛みや痺れはハンガーノックによる症状の１つというのをどこかで読んだ。

川原エイドまでひと山越えなければならない。ここはいつものL部門でも歩きたい衝動に駆られる地点。それが今回は余分に44キロも走ってきた訳だから、歩きたい衝動どころか歩くのさえ嫌になる。その証拠に、坂の上には薄暗いヘッドライトがふらふらと蠢いているのが見える。とにかく前のランナーを追うように必死に走る続けるが…

ついに…

アカーーーーーン
(´Д` )

歩いてしまう。橘湾に負けた瞬間だ。どんな坂であろうと走り抜くことを自分に課してしただけに、今キーボードを打ちながら「やっぱまだまだ弱えなぁ」と頭を抱えてしまった。

一度ルールを破ると何度も破ってしまうのが人間。歩く頻度が増え始める。走っては歩く。また、走っては歩く。トレイルでは効果的な技術だが、ロードではタイムをどんどん落とすだけ。

すると...

のりさん！！

E部門9:00スタート

※写真はW276K(2017)の時のもの

2週間ほど前にさくら道250Kを完走されたばかりののりさんだ。走力からいってこんな所で追いつくはずがない。何かトラブルだろうか。聞くと胃腸がやられてかなり辛そうな状況。それでも持ち前の明るさでたくさんお話をして頂けた。

そのまま136.5k地点の無人エイドへ一緒に入る。ここではボラの方がいてくれてホットミルクティを振舞って頂けた。これが疲弊した内臓にめちゃくちゃ効く。ここでのりさんと別れると下り坂を勢いよく下っていった。


3:20頃(13:20経過)
avg.5'35/km
143.0km地点
川原老人の家エイドを通過

トイレに行って顔を洗う。鏡に映った自分は酷い顔をしている。水餃子や炒飯が振る舞われていたがここでも失態をおかす。

お茶を…
温かいお茶をください…

完全にジジィだ。今から考えると何も食べていないことが逆に胃腸の気持ち悪さに拍車をかけていたのかもしれない。どうしても水分ばかりを摂ってしまう。ここ最近の傾向を考えてみると、最後まで定期的に(無理矢理でも)固形物を食べれているレースでは、こんな地点で気持ち悪さに振り回されることは無かった(200kmを超えると流石にそうは言ってられないが)。確かなことは言えないけれでも、自分の場合食べ続けないと逆に胃腸にダメージを与えてしまうのかもしれない。

スタッフの土居さんに11時スタート組のクロッキーさん、もっちーとはどれだくらい離れているか聞くと、なんとクロッキーさんは血○が出たらしくDNF(途中棄権)したらしい。マジか？！もっちーについては「さっきまでここにおったけどなぁ。追い付けるんとちゃうか？」とのこと。

よし！陀羅尼助(胃腸薬)を飲んで、波の音が響く寒空の下に出ると、冷えた身体を温めるように徐々にペースを上げていった。

中間ポイント(全然中間とちゃうけど)となる茂木まではアップダウンが連続する区間だ。距離は16kmくらい。前を行くランナーと差を縮めることを目標に淡々と走る。集落にある自販機で缶コーヒー(ホット)を買う。カフェオレにすればよかったと少し後悔。


こっけこっっこぅぅぅおおおおおぅぅぅぅ

どこからか鶏が絶叫する声が聞こえてくる。空は少しずつ青みがか始め、もうすぐ夜明けが近いことを教えてくれた。


すると...


あの緑色の特徴的なウエアは…もしや…

ジョージさん！！

L部門10:00スタート

一緒に写真を撮って頂けた♪

橘湾で知り合った横浜在住のランナーだ。それ以来ありがたい事に懇意にして頂いている。今年はL部門(173K)に初参戦とのこと。まだまだ元気そうだ。しばらく並走。もちろんその後も快走し無事に完走される。おめでとうございます！＼(^^)／

ジョージさん「もっちーは5分ほど前に抜かれたよ」

その言葉を聞いてペースアップ。茂木までには何とか追いつきたいところ。そして...茂木手前の立石トンネル(1キロくらいある)に入ったところでついに発見！！フォームに無駄がなく、遠くから見ても只者ではないオーラがバンバン出ている。

ひゃっ「もっちー捕獲ぅぅ！！」

もっちー「ぎえぇぇぇえ」

もう何度も彼女については書いているので紹介は省かせてもらう。とにかく『凄いランナー』とだけ記しておこう(笑)失速してるかと思いきや足取りは軽く全然余裕そうだ。どうやらここまで予定通りのペースらしい。互いの近況を色々とおしゃべりしながら走っていると、前方に大勢の方が拍手で出迎えてくれるのが見えた。

その後、流石のもっちーも終盤は苦しんだようだが、27時間台で女子優勝(総合4位)という快挙。この距離を走れてトレイルも走れるということは100マイルレースを総ナメにする日も近い？！


5:25(15:25経過)
avg.5'47/km
159.2km地点
茂木ぶらCPエイドを通過


残り57.7km



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