2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

OSJ ONTAKE100 2017 〈100マイル〉〜レースレポート⑤完結編〜

OSJ ONTAKE100 2017 〈100マイル〉〜レースレポート⑤完結編〜


〜結果報告〜
〜大会概要とまえがき〜
〜レースレポート①〜
〜レースレポート②〜
〜レースレポート③〜
〜レースレポート④〜
からの続きです


▶︎▶︎CP4 → FINISH 118km-153km
《CP4〜小エイド〜松原スポーツ公園 35km 4:12:59 区間順位2位》



9:01 (13:01経過)
avg.6'37/km
118km地点
CP4を通過


あっ!
もしかして?!

エイドに入るなり互いに顔を見合わせて思わず声を上げた。黄色いウエアのマイルランナーは何と丹羽さんだった。彼はOSJのトレイルシリーズの常連さんであり、シリーズ戦男子年間5位という偉業を成し遂げている。昨年はKOUMI100で一緒に失速した言わば失速友達だ(怒られる?!)。


丹羽さんと♪
表彰式にて


でも今年はお互いにまだ失速していなかった。久しぶりの再会に一気にテンションが上がる。と、同時に彼には負けらんねぇ!というライバル心が爆誕。ふと丹羽さんの足元を見ると膝から血がダラダラ。どうやら先ほどの下りで転倒したらしい。なるほど。自分が追いつけた理由はこれか。

エイドでは冷たい素麺・プチトマト・コーラを頂きリフレッシュ。すると横にCP3手前からずっと背中を追いかけ続けていたJinさん(赤パンランナーだ)の姿が。勝手にペーサー代わりにしていたことでここまで頑張れたという感謝を伝えると、「ブログされてますよね?見てますよ!」とのこと。

早く言ってよー(笑)
ダダ歩きの恥ずかしい姿を晒しちゃいましたやんw

次のエイドまでどれくらいかをスタッフの方に聞いてみると、案の定小エイドまで無いらしい。距離にして約30km弱。この状況下で1リットルの水分で大丈夫だろうか。不安が押し寄せる。しかもかなり気温が上がり始めている。湧き水があればいいのだが…。スタッフの方に聞いてみるもあるかどうか分からないとのこと。


マジかーーー
でも何とかなるっしょ
\(^^)/


不思議と楽天的かつ前向きな考え方が身体を後押ししてくれた。普段ならかなり疲弊してネガティブにしか考えられなかったはず。エイドの雰囲気や久しぶりの知人との再会、他のランナーとの会話などが大きくこの時の精神状態に左右していたに違いない。そして現在の順位についても。

最後までお互い頑張りましょう!

丹羽さんやJinさん、他の100K選手の方に挨拶をしてエイドを出発した。



CP4→小エイド

エイドを出るとすぐに分岐点がある。左の平坦な道が100K。そして右がマイル。右のコースには舗装路の登りが延々と続いている。さすがOSJ。ニヤニヤしながらこう呟くとスタッフの方に誘導されながら右のコースへと入っていった。

丹羽さんは必ずこの登りを走ってくるはず。ここで歩くわけにはいかない。差を詰められないためにも懸命に足を動かし続けた。一瞬意識が朦朧としたがジェルと水分を摂るとマシになった。するとスタッフの方だろうか、声援を送ってくれる人がいた。

「あとは下ってガツンと登るだけだから!頑張って!」

全てが終わった今となってはこの方が言った事に何も間違いはない。本当に下ってガツンと登るだけだ。でもレース中はこの方のおっしゃった事にどうしても納得がいかなかった。その理由はすぐに分かるはずだ。

すぐに下りが始まる。路面は舗装路から次第に林道へと変わっていく。どれくらいの距離下るのだろうか。全く分からない。標高差グラフを頭に入れてこなかったことを後悔した。ただ分かっていることは下った後に鬼のようなゲキ登りが控えているということ。だからここで足を使い過ぎれば絶対に後悔することになるのは予想できる。だからと言ってノロノロ走っていれば丹羽さんに確実に捕まってしまう。どうすべきか。自分が出した答えは…


えーい!
ごちゃごちゃ考えずに
走らんかぁぁい!!
※画像は関係ありません

とはいえ気持ちよく下りを快走できなかった。エイドで補給した水がすでに500mlしか残っていない。しかも湧き水なかなか現れな…

あ!あった!

足場の悪いところで入れようとするもうまく水が汲めない。まぁまた湧き水があるはず。諦めて走りだす。するとすぐにコース脇の岩肌から水がチョロチョロと流れているのが目に入った。満タンに補給する。あたりは静まり返り水の音とハァハァという自分の息遣いだけが聞こえた。

どんだけこの下りは続くんやぁぁあ!!

下りだからスピードには乗って走れるが、着地と同時に蓄積されているであろうダメージを考えるとうんざりしてしまう。結局約11kmで約700m近くの標高差を下ったことになった(GPS時計の計測より)。ようやく登りに差し掛かるところで大きなグラサンをかけた細身の方が手を振っているのが見えた。

え?!
マジ?!

大瀬さんじゃないっすか!!

なんとトレイルランナーの大瀬和文選手が応援に来てくれていたのだ。ご存知の通り大瀬選手は世界を舞台に活躍するトレイルランナーで、昨年のおんたけ100マイルは15時間台で優勝しているとんでもない人だ。そんな方が今、カメラ片手に自分の横を並走してくれている。

大瀬さん「足はまだ大丈夫ですか?」
オレ「今の下りでだいぶやられちゃいましたぁ。」

大瀬さん「今から600は登りますよ!頑張って!!」
※実際は標高差750m?!(GPS時計の計測より)

大瀬選手の元気な声に後押しされて林道の登りへと入っていった。大瀬選手がここで声援を送ってくれなければ確実に歩いていたと思う。ダラダラとした登りを黙々と走っていると上の方でミシっと木が鳴る音が聞こえた。前に追いついたか?!

残念ながらその音の主は前を走るランナーではなく、女性ハイカーと男性ハイカーのグループ。挨拶を交わすと試しに前との差を尋ねてみた。すると「10分くらい前に通りましたよ」とのこと。10分差か。いやいや、とにかく余計なことは考えずにこの登りを乗り切らなければ。失速すれば前に追いつかないどころか確実に後ろに追いつかれる。ハイカーの方の話によると現在の順位は4番目。これだけは死守しなければ…



延々と続く登り…

容赦なく続く登り…


徐々に走るスピードが落ち始めて歩き始めてしまう。汗が滴り落ちる。水分を身体の中に入れても熱は一向に抜けてくれない。また昨年の二の舞か。嫌なイメージが頭を覆う。ここで抜かれても5位。それでも十分ちゃう?そんな考えまでもが浮かんくる。それらを払拭するように頭を振って声に出してみた。


昨年に比べたら足は全然残ってるやろ
あとはメンタルでなんとかなる
あそこの石まで歩いたら全力で駆け上がれぇぇい!

ひゃっほぉぃぃ(かすれ声)


その後もブツブツ言いながら(何を言っていたのか覚えていない)、歩く・走るを交互に繰り返しながら登り続けた。この区間で水をかなり消費したと思う。もし湧き水が随所になかったとしたら結果は大きく変わっていただろう。

かなり歩きを入れたように思うので失速している感覚しかなかった。後半強いランナーがいつ襲いかかってきてもおかしくないと思っていた。だから前にランナーの後ろ姿が現れたときはにわかに信じることができなかったぐらいだ。

途中で抜かれた五十嵐さんでも小島さんでもなかった。おそらくずっとトップを走っていたであろうランナー。かなり疲弊している様子。

Hさん「この登りをずっと歩いちゃいました…」
オレ「きついっすね。最後まで頑張りましょう!」

確かこんな会話をして追い抜いたように思う。自分もギリギリの状態だったが他のランナーもおそらくこのゲキ登りに相当苦戦していたはず。この予想だにしない出来事で身体の奥底から馬力が戻ってきた。だいぶ登って来たはず。そろそろか。するとスタッフの方が待機されている場所に到着した。ここでようやく長い登りは終わり。あとは下るだけのようだ。エイドまでの距離を尋ねると30分くらい?とのこと。

このまま逃げ切れれば表彰台という思ってもみなかったチャンス。GPS時計を確認するとフィニッシュまで15km弱くらい。登りでへばっていたHさんも下りになったら水を得た魚のように猛追をかけてくるかもしれない。何せトップを走っていたランナーだ。とんでもないスピードの持ち主かもしれない。じゃあ自分ができることは何か…


全力でぶっ飛ばし続けること

それしかない!


最後のジェル(カフェイン入り)とベスパハイパーを摂取するとガレ場の下りへと容赦なく足を突っ込んだ。怪我する不安もあったが今はそんなこと気にしてる場合じゃない。"全力で走って抜かれたらしゃーない、手を抜いて抜かれたら一生後悔する"そんな気持ちで走り続けた。


145km地点?
小エイドを通過



ここでようやく100Kランナーと合流する。スタッフの方が前との時間差を教えてくれた。その差は約12,3分とのこと。さすがにこれに追いつくのは無理だ。念のため水を満タンに補給するとすぐにエイドを出発した。

ここからは林道3km、舗装路5kmくらい(多分)。ここの下りで思いもかけないハプニング。

「ひゃっほいさんですか?」

100Kランナーを追い抜くときに二人の方に声をかけられた。しかも連続で(笑)ほんとはじっくりお話したかったがなんせこっちは表彰台がかかっている身。お礼だけ言ってそのまま駆け下りた。舗装路に出るとマイルのゼッケンを見てか何人かの方に声援を送ってもらえた。100Kランナーと競争しながら走る。残り1km。女性ランナーが追い上げて来て横にぴったり。負けられるか!そのままラストスパート。


そして・・・


photo by ミフィオ
FINISH!!
ONTAKE100マイル
17時間13分19秒
総合3



100マイル表彰式



【あとがき】

もうすでにレースから3週間近く経とうとしていますが、最後まで読んでくれた読者の皆さん本当にありがとうございます!

さて今週末はいよいよ24時間リレーマラソン神戸大会です。もちろんシングルの部。相変わらず今年もヤバイくらい暑そうです。スーパー台風の動きも気になりますが、今のところ近畿地方へ近づくのは週明けといったところでしょうか。

出場される皆さん!熱中症には気をつけて全力で一緒に楽しみましょう♪




〜おまけ〜

あ、そうそう

この人の結果は?!

BUNさん
18時間44分で総合7位!
(年代別1位)

初100マイルで潰れた(らしい)のに
この結果はすごい!

ダイトレに続き
悔しそうでしたが(笑)

UTMBでの活躍を期待しています!!





OSJ ONTAKE100 2017 〈100マイル〉
全7編






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