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2017 長崎橘湾岸スーパーマラニック273 春のステージ《L部門》その⑥ 〜レースレポート・後編〜
その① 〜結果報告〜
その② 〜大会概要〜
その③ 〜まえがき〜
その④ 〜レースレポート・前編〜
その⑤ 〜レースレポート・中編〜
からのつづきです。
▶︎▶︎98km → FINISH(173.3km)
《川原老人の家エイド〜茂木ハウスぶらぶらCP〜日見公園エイド〜飯盛峠CP〜千々岩CP〜小浜温泉》
23:43 (09:43経過)
avg.5'55/km
98.4km地点
川原老人の家エイドを通過
キュルキュルキュルキュルルル・・・
とぼとぼと歩いているとまたお腹がぁぁあ((((;゚Д゚))))))) 公園のトイレを見つけて入る。ふぅ。もしかして身体が拒否反応を示しているのだろうか?!そういえば夜になってから咳き込みもひどくなってきた。やめるべきなのだろうか...
とにかく中間エイドまでは頑張ってみるか!
トイレから出ると10:00ランナーが走っている姿が遠くに見えた。よし!気持ちを切り替えて足を動かし始めた。相変わらず激しいアップダウンが続くが走り始めると徐々にペースが掴めてきた。
中間エイドまで約17km。とにかく先行している10:00ランナーの姿を追うことをモチベーションにして走る。ひとり、またひとりと追いついていく。2番手を走るランナーに先頭との差を聞くと20分ほどらしい。なんとか中間エイドまでには追いつきたいところ。
タンッ!タンッ!タン...
今年完成したばかりの立石トンネル(約1kmもある)を走っていると、姿は見えないがランナーの足音が聞こえてきた。姿が見えると歩いたり走ったりしている。トンネルを出たところで追いついた。なんと彼の年齢は...
ハタチ!!
ピッチピチやないかーいw
しかもフル以上の距離は初めてとのこと。なんちゅうやっちゃ!お父さん(速いランナー)に刺激を受けて173kmに挑戦してみたとのこと。まだまだ元気そう。えらそうに走り方なんかを教えながら走っているとエイドが見えてきた。
1:35頃 (11:35経過)
avg.6'00/km
115.6km地点
茂木ぶらぶらハウスCPを通過
ゲンキ君(ハタチのランナーの名前だ)とエイドに入ると、ちょうど収容バスで運ばれてきたランナーと一緒になった。7,8人はいるだろうか。エイドの方曰くかなりのリタイア者が出ているとのこと。例年にないほどの昼間の暑さに加え、夜間の雨による影響で過去最低の完走率となったらしい。※L部門完走率55.6%とのこと
中華粥を2杯頂く。うまい!食欲が低下していたのでガス欠が不安だったがこの中華粥は驚くほど喉をスルスルと通った。ドロップしていた荷物からジェルなどを補充するとエイドを出発した。ゲンキ君とはここでお別れ。
絶対に完走できる!
この調子なら24時間切りもいけそうやから頑張るんやで!
とキャラにもなくエールを送って先行した。本気で完走を果たして欲しかった。結局、彼はほんとに24時間切りを果たして23時間52分でフィニッシュする。まだハタチなのにこの精神力と走力。何てやつだ。今後の伸びが恐ろしい。
茂木エイドを出ると完全にひとりぼっちになった。お腹の調子は優れずまたトイレを探しながら茂木港の町を走る。深夜にもかかわらずパーマの男性が声援を送ってくれた。そしてトイレへ…
いまいちスッキリしないまま15km先の日見公園エイドを目指す。登りがキツい。徐々に足も重くなり始め明らかにペースダウンを感じる。
もう大会記録更新は厳しいな…
こう思い始めた時から一気にモチベーションが低下し始め歩くことが多くなり始めた。何やってんねん。結局何の成長もしてへんやん。自分のメンタルの弱さを痛感した。新県道34号(飯香浦町周辺)の登りが全コースで一番キツく感じた。今考えるとあの時弱音を吐かずに記録を狙い続ける強い心があれば、その後の展開がもう少し変わったかもしれない。
明らかに登りで歩きすぎたことに罪悪感を覚えたのか下りになると無理矢理足を動かして走り続けた。コンビニが見えてきた。もうすぐだ!
3:17頃 (13:17経過)
avg.6'07/km
130km地点
日見公園エイドを通過
エイドが間に合ってなくてスマンなぁ〜!
主催者の阿部さんが急ピッチでエイド設営をしながらこうおっしゃった。「豚汁はないけどこれ食べていき!」と冷えっ冷えのトマトゼリーを頂く。あっさりしていてうまい!しばし談笑。阿部さん曰くもしかしたらこの先のエイドは間に合わないかもしれないとのこと。
お礼を言ってエイドを出発。阿部さんと話したことモチベーションが少し上がった。次のエイドまで約9km。最後に激坂が待っているがしっかり走りきろうと決意。しかしお腹は相変わらずキュルキュル。
徐々に雨がキツくなり多少のアップダウンでも心が折れそうになる。こんな夜中に何やってんだと一瞬我に返るがそんなこと考えるだけ無駄なので、「はっはっはっはっは」と笑い飛ばしながら走った。(←今考えると狂人w)
飯盛峠への急登はさすがに閉口した。こんなもんで歩いてたまるか!そんな気持ちで走り続けたが蓄積された疲労は正直で身体は悲鳴をあげていた。ついに歩いてしまう。完全に負けた。
4:22 (14:22経過)
avg.6'12/km
138.8km地点
飯森峠CPを通過
スタッフの方が急ピッチでエイドを設営下さっていた。エイドがないことを覚悟していたので心底嬉しかった!ドリンクを補充し、おはぎを2個食べさせてもらった。お礼を言って先を急いだ。
よし!ここから下りや!!と張り切って下ろうとした時だった。太ももがガチガチに張って走れたもんじゃない!なんだこれは!!歩きながら筋肉をほぐしていく。下りきったところでようやく走れるようになってきた。
じゃがいも農道
延々と続く登り。橘湾マラニックの代名詞と言ってもいいかもしれない。左手には段々のじゃがいも畑、右手には橘湾の美しい海が広がっている。この一直線に続く登りに思わず笑ってしまった方も少なからずおられるだろう。かく言う自分も笑いを堪えきれなかった(笑)
5:22 (15:22経過)
avg.6'19/km
146km地点
飯盛経塚エイドを通過
いつの間にか夜が明けていた。エイドにたどり着くとスタッフの方が冷えっ冷えの杏仁豆腐とリンゴを用意してくれていた。あまりの美味さにリンゴを貪るように何個も食べた!
「どれだけゆっくり行っても20時間切れるから頑張って!」
エイドの方からこう言われて送り出してもらった。今の調子から言って、もう18時間台というのは頭の中から消えていたので、絶対に20時間以内ではゴールしようと決めた。
明らかにペースダウンしていることについてはあまり気にしなかった。タイムや記録は置いておいて今はマラニックを楽しもう。とはいえ順位だけはキープしたい。後ろとはどれくらい離れているのか。確実に詰められている気配を何となく感じていたが、だからと言って焦ることはしなかった。まぁ大丈夫っしょ(笑)
6:48 (16:48経過)
avg.6'25/km
157.1km
唐比温泉センター前エイドを通過
このエイドも急ピッチで設営作業をされていた。でも、そうめんはいつでも食べれるように先に準備していてくれたのか到着するなりすぐに食べることができた。塩分の効いた麺つゆとそうめんの喉越しがたまらなく美味い。これも持っていき!と中華ちまきを渡してくれた。
延々と続く海岸線
さぁここからは橘湾L部門後半の難所となる。これまでの坂だらけのコースとは一転して真っ平らの道が延々と続く。しかも遮るものが何もないので直射日光を全身に浴びながら。7時過ぎの時点でもすでに暑かったことを考えると、ここを真昼間に通過された方はさぞかし暑かったに違いない。
足元をフナムシがチョロチョロと歩き回るのを眺めながら黙々と走り続けた。弧を描くような海岸線が遠くまで見えているがなかなか近づかない。
7:48 (17:48経過)
avg.6'31/km
163.7km地点
千々石集会所エイドCPを通過
photo by フッキー
千々石集会所通過タイム表
残り10km。歩き倒しても大丈夫そう。新緑の道をテクテク歩く。足も売り切れ。モチベーションも低下。でもレースを諦めたような感覚ではない。謎の体調不良により一時はDNSも考えたけどほんとに走ってよかった。歩いていても晴れ晴れとした爽快な気分だった。
ぼかァ長崎が大好きだでェェ〜〜〜
残り4km。最後くらいはしっかり走ろう。キロ7くらいでこう声に出しながら走った。右手には今まで走ってきた橘湾岸がくっきりと見えている。スタートした場所はあの山の向こう。これだけの距離を走ってきたんだぁと思うと身体の奥底から"ふるえ" が込み上げてきた。もう少し。
小浜温泉街に入ると湯けむりが至る所から吹き出ている。橘湾マラニックをご存知の方だろうか。何人かの方に声援を送ってもらえた。
そして・・・
ん?!
あれ??
誰もいない(爆)
「ゴールしましたーー!!」
ヽ(´o`;
あれ??
誰もいない(爆)
「ゴールしましたーー!!」
ヽ(´o`;
FINISH!!
橘湾岸スーパーマラニック
173.3km
19時間27分18秒
総合1位
歴代大会記録2位
大会2連覇
以上レースレポでした〜!
次回はレース後や編集後記などをまとめる予定です♪
長くなっておりますがお付き合い下さいませ♪( ´▽`)
その⑦へつづく
コメント
めずらしくリアルタイムで読んでもらえて嬉しいです(笑)