2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

2016 長崎橘湾岸スーパーマラニック273春のステージ その④ 完結編

2016 長崎橘湾岸スーパーマラニック273春のステージ 

<L部門> その④ 完結編


その①
その②
その③からの続きです。

前回は有喜老人ホームの裏エイドを通過し、怪しげな建物に今年も驚かされ、国道と合流&分岐する106.7km地点(本来なら152.7km地点)までの様子をお届けしました。


朝6時過ぎ。10時間以上走り続けてきた『国道との分岐』でその事件は起こりました。国道をびゅんびゅん走る車から逃げるようにして人気のない脇道へと勢いよく入って行きます。ここは確か傾斜のきつい下り坂であったと記憶しています。すると・・・

えーーーー

マジーーーーーー

ヒエェェェェェェェェェェ

緊急事態発生!!

ドラゴンボール並みに引っ張ってしまってすいません。果たして何があったのか。前方から犬が一匹飛び出してワンワンとこちらに向かって吠えています。雑種なのか犬種は全く分かりませんが普通に身体の大きい明らかに怖そうな犬です。しかし近寄ってみると相手もビビったのかワンワン吠えてはいますが後ろに後ずさりしています。

まぁ大丈夫かな。
ちょっと通してね。お嬢ちゃん。

ビビりがちなその犬の様子に少し安心して、距離を3m・2m・1mと恐る恐る縮めて行きました。すると・・・物陰から・・・

ゔぉうっわん!!!!
ゔぉんゔぉっんわゔぉんゔぉん!!!!

なんと、新たに二匹の犬がわめき散らしながら勢いよくこちらへ向かって走ってきたではありませんか。しかも敵意むき出し。気が狂ったように襲いかかってきます。で、この言葉が出ました。

えーーーー

マジーーーーーー

ヒエェェェェェェェェェェ

雑種なのか何なのか全くわかりませんが、いわゆるTHE野良犬って感じのやつです。大人でも勝てないパターンのやつです。踵を返し一目散に元来た国道へ向かって逃げます。が、上り坂。もうなりふり構わず無我夢中で逃げました。(あそらく本大会中一番スピードの出た瞬間でしょう。)一番凶暴そうな893みたいな顔の奴とは後ろ1mくらいまで追い込まれた感があります。

あぁここで噛みつかれて
オレのラン人生は終了するんだろうなぁ

運良く助かっても
どうせ893みたいな犬だから
変な病気にでもかかって死ぬんだろうなぁ

逃げている間はほんの数秒だったとは思いますが、ヒエェェェェと言いながらも不思議と冷静にこんなことを考えている自分がいました。国道へ出て助けを乞おうとしたちょうどその時キセキが起きます。なぜかその893たちは国道へは一歩も出ようとはしません。恐らく自分のテリトリーを守ろうとしたのでしょう。なんとか九死に一生を得ました。こちらを見る目は完全に893でした。

後ろのランナーに知らせようと少し待ちますが、距離が空いているのかなかなか来ません。国道沿いでずっと突っ立って待っているわけにも行かず、次のエイドでこの893たちについて対処してもらうよう報告することにしました。今考えると電話なりで大会本部にすぐに連絡するのが賢明な判断だったと反省しています。しかしこちらは893たちにあと数十センチまで追い込まれた身です。この時冷静な判断ができるわけもありません。どうかお許しください。

結果的には早朝の時間帯だけ飼い主が放し飼いをしていらしく、後続のランナーで直接的な被害を受けた方はいないようなので安心しました。ただ速いランナー数名は同じように引き返したそうです(汗)

地図を見ると国道をそのままつっきればコースに復帰できそうなので、893のいる脇道には行かずそのままクルマのビュンビュン走る国道沿いを走りました。


しばらく行くと唐比温泉へと向かう道へ分岐します。ここは新緑がとてもきれいで気持ちが良いですね。先ほどの893事件のせいで気が変な方向に向いていたのか、途中の簡単な分岐を見逃して1kmほどコースロストを起こしてしまいました。急いで戻ってコースに復帰します。


7:01(11:01経過)
111.1km地点
唐比温泉センター前エイドを通過

ここも思い出深い場所です。昨年の大会では157.1km地点なんですが、もう眠くて食べ物どころではありませんでした。到着するなりテント横のアスファルトの上で横にごろんと寝っ転がってほんとに寝ちゃいました(笑)そしてイッチーさんがその姿を写真に写してFBに『ノックダウン』というタイトルでアップされるということがありましたね。これがその時の写真です。

↑前回大会(2015)のとき
完全に寝てますね笑

もちろん今年は昨年と違って元気そのものです!というか睡魔みたいなものはほとんど襲ってきていません。距離が短縮されているとはいえすでに110km以上走っていてこれほど元気なのは初めての経験かもしれません。睡魔が襲ってこない理由はやはり歩かずにしっかり走り続けているからでしょう。


ここのエイドには様々な種類の食べ物がありました。なかでもサイコーにうまかったのがパイナポーー!!酸味と甘みが最高の加減です。しかもヒンヤリしていて身体を元気にしてくれます!!そして、エイドの方に『はいどうぞ!』といって出されたのがコチラ!

うまぁぁぁぁぁぁあああ

ウルトラでのエイド食人気投票があるなら、堂々の一位になるのがこの素麺でしょう!!ツルツルシコシコの歯ごたえと喉越し、そしてお汁の塩分。もうたまりません。本気でうまかった!おかわりしたいのを我慢したほどです(笑)もう一つ。「これも食べて行き!」と言って出されたのが、角煮おにぎり!!角煮まんではなく角煮が入ったおにぎりです。もちろんありがたく頂戴し走りながら食べることにしました。

うまうまうまぁぁぁぁぁあああ
え?しつこい?だってうまいんだものw

さて、ここからついに平坦な道を走ることになります。橘湾のコースはほんとに小刻みなアップダウンばかりです。平坦な道がほとんどないと言ってもいいでしょう。これが他の超ロングとは一線を画すコース設定だと思われます。しかし、平坦だからと言って全く喜べません。海沿いなので素晴らしい景観なのですが、とにかく景色が単調、コースが単調。走っていても自分が走っているのか歩いているのか分からなくなるほど景色が変化しません。ある意味最大の難所と言えるでしょう(笑)しかも暑い。お天道様が昇るにつれて気温がどんどん上がっています。さすがに食べ過ぎのせいか暑さとともに若干の吐き気が込み上げてきました。辛抱しながら5kmほど走り抜けると・・・


CP5→FINISH
(千々石集会所エイドCP5〜小浜温泉南本町公民館 9.3km)

7:40(11:40経過)
117.7km地点
千々石集会所エイドCP5を通過

あちゃー。写真を撮り忘れまちゃいましたー(涙)ここに到着した時はまだ集会所を地元の野球少年たちが利用している最中でしたね。異様な雰囲気を放っていたのかオレの姿を見て野球少年たちが無言で取り囲みます。なんなんだこの状況は(笑)

エイドの方は必死に準備して下さり、冷やしぜんざいを食べさせて頂きました!うまぁぁぁぁああああ!少しお話しした後、エイドの方や謎の野球少年軍団に見送られながら最後のCPを出発しました。

フィニッシュまで残り10km。昨年はこの10kmを歩き倒しました。もう眠たくて眠たくて・・・。イッチーさんにも最後は完全に置いていかれちゃいました。そして初めて幻覚を体験したのもここですね。道端に生えている草がお婆ちゃんに見えて話しかけたのを覚えています。昨年とは走っている距離が50キロほど違うとはいえ、今元気いっぱいに走れていることが不思議でなりません。途中無人エイドがあるのですが、千々石集会所にいたスタッフの方が先回りしてエイドを設営してくれていました。しばし談笑。


残り5km。ここまでほとんど歩いてきませんでした。いったい後ろとはどれくらい離れているのか全くわかりませんが、こうなったら最後まで走り抜こう!気合を入れ直します。


ついに小浜温泉の街並みが見えてきました。「帰ってきたでーー!!」海に向かって叫んでしまいました(笑)昨年はレイトスタートのほぼ最後尾をずっと走っていましたが、今年は先頭。しかもL部門全体でも一番前です。最後の5kmを走りながら、この1年間色々な場所を走ったことを思い起こしました。初めての100マイルレースやら単独で24時間走やアワイチをしたことなどなど。自分でもバカだなぁって思います。なぜこんな事してるんだろうって。でもそういったバカなことをするようになった原点ってやっぱりこの橘湾なんですね。しかも今走っているちょうどこの場所。

眠くて走れなくて抜かれてもうやめたくて・・・

でも

めっちゃ楽しいやん!

遅かろうが速かろうが、身体を限界まで追い込んだ時に見える景色は完全に非日常の世界です。『めちゃくちゃしんどいけどめちゃくちゃ楽しい』多分この橘湾に参加している方のほとんどが同じ気持ちで走っているんじゃないだろうか。大会運営の方やボランティアの方もそれを十分理解してくれてるから過度なサポートをしたりせず、心安らぐエイドづくりをしてくれているんだろうなぁとか思ったりします。やっぱり橘湾は自分にとって特別な大会であり、いつまでもこぢんまりとした温もりのある大会であって欲しいなぁ・・・なんてこんな顔をしながら考えてました。


ぼかぁ、橘湾が大好きだでーーー❤︎


あと1km
終わってしまう・・・

応援してくれる人が!!

あれ??イッチーさん!!
(イッチーさん撮影)

そして・・・


FINISH!!

127km
(後日、大会運営側発表では129kmとのこと)
累積標高 約3000m
12時間44分
avg.6'00/km
総合1位/約250人?


なんと到着した時にはゴールゲート設営が間に合っておらず、フィニッシュ写真は上記画像の通りレアなものとなりました(笑)ゴールテープを切って初めて1位を実感。よく考えると初めての1位です。初優勝です!!しかしこの大会はマラニックなので順位表彰や賞状、賞品なんてものは一切ありません。打ち上げ時に大会主催者のA部さんにこう言われました。

「うちは速い選手にはイジワルな大会なんよ〜(泥酔)」
どうせ酔いすぎてて覚えてないでしょうねw

確かに(笑)エイドの方にはだいぶご迷惑をおかけしましたから(笑)でもこうした順位表彰の無い大会で1位をとるというのはローカル好きな自分に見合っているような気がします。それに大きな大会で1位をとるなんて不可能に近いですし。大好きな橘湾で優勝できたことで昨年の自分に対するリベンジができたと思えることが一番の賞品だと勝手に思っています。


ゴールした順番が少し前後しますが、なんとアイダホ君(中瀬君)が13時間32分で総合2位!!ゴールした時ぼろぼろと号泣していましたね(笑)昨年は悔しくもリタイアでしたからこの涙には彼なりのドラマがあったんだと思います。両サイドに写っているイッチーさんとイッチャンは惜しくもDNF。イッチーさんは足に痛みが出てしまい、イッチャンは胃腸の調子が悪くなってしまったようです。イッチーさんはすでに春も秋もすでに完走しているので来年273キロでリベンジしてほしいですね(笑)


18:00スタートトップ(総合8位)のヤマケンが帰って来ました!レース後半に出会ったあのワラーチランナーです。聞くと年齢は一つ年下。ウルトラは初とか言ってましたがこの橘湾をワラーチで走りきるとはこやつ只者ではありません。今後の成長が恐ろしそうです。また来年一緒に走れることを期待しています♪


パイセンは15時間台でフィニッシュ!!足の痛みをこらえつつも最後まであきらめずに走りきるその精神力はマジで感動しました。いつもは競技志向が強いパイセンですが途中から気持ちを切り替えて、写真を撮ったりエイドで山のように食べたりと初めてのマラニックを楽しんだようです(笑)まぁパイセンのコンディションが最高に良ければ1位をとることは不可能だったでしょう。これでパイセンには2勝目。しかしいずれもパイセンの足の調子が悪い場合。それで勝ったと喜んでる自分が情けないです(笑)来年は173kmを二人で激走したいですね。


ヒマ兄は16時間台でフィニッシュ!!あれ?途中で出会った時は結構前にいたのに!!やはり後半足にきてしまったのか失速してしまったようです。しかしゴール時は満面の笑み。ほんとうに嬉しそうでした!ヒマ兄はおそらく秋の273キロを見据えているのでしょう。ひとつひとつ手応えをつかんでいるようです。今年はおんたけやKOUMIでも一緒なのでお互い切磋琢磨して納得のいく走りをしたいですね!あれ?よく見たらトレードマークの白ハイソックス履いていないですやん(笑)


横田兄貴(写真右)も無事に完走です。すんません。寝てたのでゴール写真撮れませんでした(笑)直前まで飲酒して127kmを走りきっちゃうのは彼しかできないでしょう。トイレに6回以上行ってようやくアルコールが抜けたとか抜けないとか?!(笑)そういえば橘湾の3日後くらいに別の大会走ってましたね。この人は年間一体どんだけ走ってるんだ・・・。すでに秋の100kmも申し込んだとか?!また宜しくお願いします!!

ここからは宴会から翌日にかけての様子を
ダイジェストでお送りします

かんぱーーい

豪華夕食

フッキー、ボラお疲れちゃん

二次会
タケちゃんお世話になりました!

朝食
朝から酒飲んでる人いましたねw

トルコライスを食べに

このメンバーで
うまぁぁぁああ

ミルクセーキ
真剣な表情のピザ男さん

今年も最高に楽しいGWでした。大会運営の方、ボランティアの方、応援してくれた方、一緒に走ったランナーの皆さん、大会運営にご尽力下さった全ての方に感謝しています。悪天候によるアクシデントにも関わらず「なんとしても走ってもらいたい」という主催者の機転と素晴らしい判断力のおかげで中止になることなく、今年もスムーズに橘湾を走れたことを本当に感謝しています。ありがとうございました。


【あとがき】

ここまで読んで頂きありがとうございます。もしあなたがここまで読んだ(読んでしまった)のならば、絶対に超長距離走の素質があると断言します。まずはチャレンジしてみましょう(笑)

予想はしていましたがやはり橘湾の記事は長くなってしまいましたね。それだけ思い入れがあるということでどうか許してください(笑)さて、初優勝を祝ってパルさんミフィさんがこんなものを作ってくれました。


じゃーん
初めて賞状をもらえました♪

そしてイッチーさんが後日、鳥取・奥出雲で優勝したミヒさん、橘湾で優勝したオレのために祝勝会を開いてくれました。忙しい合間を縫ってイッチーさんをはじめ、タカさん、まめくまねーさん、パルさん、パイセンが来てくれました。


額入りの写真とパル画伯がデザインしたワインボトルを頂きました。一生ものの宝です。本当にありがとうございます。自分に何かあったときはこれを遺影として使ってください(笑)


   


どうしようか迷いましたが

やっぱり

最後に

もう一度だけ言わせて下さい


ぼかぁ、橘湾が大好きだでーーー❤︎


2016 長崎橘湾岸スーパーマラニック273 春のステージ L部門



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