2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

長崎橘湾岸スーパーマラニック273 春のステージ 2015 その④


長崎橘湾岸スーパーマラニック273 春のステージ その④
L部門173km

※以前のブログにおいて、スマホで動画が見れなかったのを一部改善しました

その③からの続きです
前回は98.5km地点の川原老人の家拠点エイドまで、今回はそれ以降の様子をお届けします。

【川原老人の家拠点エイド(98.5km)〜茂木支所エイドCP(116.8km)】

5/5 深夜4:00過ぎ
仮眠していたのも束の間、川原エイド再出発午前4時という関門ギリギリの時間に、文字通り外に放り出されました(汗)目の前には漆黒の海、頭上には明るく輝く満月、そして凍てつくような冷気。

寒い寒いと言いながら、一時しのぎに上着を羽織りました。寝起きということもあって全く走る気にならない二人。しばらく海岸沿いをだべりながら歩きます。


あまりの寒さと眠気覚ましに自販機でホットコーヒーを購入。コーヒー飲むの何本目だろう(笑)ただ、30分弱の仮眠とはいえ、少し身体を伸ばして休んだことで、先ほどまでの睡魔や疲労感はなくなり、身体がリセットされたような感覚を覚えました。今思えば、あの30分が無ければ途中でリタイアしていたのではないかと思います。

歩いてばかりでは関門時間に引っかかる危険性があるので、少しずつ走り始めます。しかし、ここは長崎。海岸沿いの岬を越えるような感じで起伏のあるコースが続きます。登っては下る。下っては登る。を繰り返します。ようやくこの辺りでランナーを何人か抜くことができました。


そうこうするうちに徐々に空が明るくなってきました!
しばらく行くと・・・


目の前に朝日が飛び込んできました!!本当に言葉が出ません。100km以上走っている疲れが一気に吹き飛ぶ瞬間ですね。超ウルトラをする人のほとんどがこの光景を楽しみにしているのではないでしょうか。燃えるような朝日が橘湾の海や空を赤く染めていきます。

ちょうどその時に出会った足を痛めたというランナーに無理をお願いして、朝日をバックに写真を撮って頂きました。


これがその時の写真です。写真を撮って頂き本当にありがとうございました!!

30分の仮眠により一度は睡魔から解放されたものの、次第に眠気がじわじわと襲ってきます。と同時に、身体にずっしりと疲労感が覆いかぶさり、イッチーさんについていくのも困難になってきました。自分が足を引っ張るわけにはいかないので、イッチーさんには先に行ってもらい、ここからは各自のペースで行くことにしました。

もはや何もしゃべっていない(笑)

しばらく海岸沿いを走ります。ここの景色には言葉がでませんね。
走れなくなったランナーをちらほらと見かけるようになったのもこの辺りです。お互いに声を掛け合いながら進みます。


112km地点の無人エイドでは、もう足がダメでリタイアを決心されたランナーに出会いました。ここまできて悔しいとおっしゃっておられましたが、後悔の念は無く、やりきったという素晴らしい笑顔をされていました。それに比べて、自分はまだ足も動くというのに、ただの眠気が原因で心が折れそうになっていることが情けなくなりました。


トンネルを抜けしばらく走ると茂木漁港に出てきます。ここは少し道がわかりにくくて、何度も地図を見ながら慎重に進む。遥か前方でイッチーさんも道に迷っているらしくウロウロしている姿が(笑)

そしてようやく・・・

午前7:00頃
116.8km地点の茂木支所エイドCPに到着!


ここでは「中華がゆ」が振る舞われています。上にのせる具材は自分で選べるビュッフェスタイル(笑)とりあえずあらゆる種類の具材をごちゃまぜにのせて貪るように2杯も食べちゃいました!やっぱ塩気のある粥はうまいのよね〜。



このエイドでランナー4人ほどと合流。皆さん結構疲れてましたが、その中に一人だけベンチに座って目を輝かせながらうまそぉお〜に食べるランナーが目に飛び込んできました。そう!我らがイッチーさんです!少し道に迷ったらしく(笑)、追いつく事ができました。少し話をして、僕は先に出発させてもらいました。

【茂木支所エイドCP(116.8km)〜飯森峠香田エイドCP(138.8km)】

茂木支所エイドからは飯森峠香田エイドへは極度な眠気や疲労感から解放されて、足が重いながらも一番頑張って走れた区間かもしれません。その理由が後に判明します。

まずは130km地点の日見公園エイドのおにぎり&豚汁を目指して頑張ります(笑)
イッチーさんはまだまだ元気なので、途中で抜かれちゃいました。やっぱ強い!ここからしばらくお会いすることはありませんでした。

しばらく走ると整備された広い道路が現れ、激しいアップダウンが繰り返されます。

登っては〜

下る(笑)

太陽も高度をあげ、徐々に気温が高くなり、登りでは額から汗が滴り落ち始めました。すると後方から、登りでもものすごく軽快な足運びのランナーにぶち抜かれます。

何事だーーー?!

実はこの長崎橘湾岸スーパーマラニック273 春のステージは 3部門に分かれています
L部門 173km(僕が走っている部門)
M部門 80km(5/5の午前5時スタート)
S部門  55km(5/5の午前8時スタート)

各部門ともスタート場所は水辺の森公園ですが、前半のコースは大きく異なり、L
とMは茂木支所エイドあたり、LとSは次の日見公園エイドあたりで合流するようです。

※大会HPより

※大会HPより

よって、先ほど登りでぶち抜かれたのはM部門のトップ選手。抜かれた時に背中のゼッケンを見ると色が違うので何の部門の選手かが一目で分かります。ここまでスタートから30km程走ってきたとは思えないスピードで置いてかれました。しかし自分は120km超を走っているので違いがあるのは当たり前ですが(笑)

ここから何人ものM部門のランナーに抜かれるのですが、ものすごくあたたかい言葉を投げかけてくれます。

「頑張って下さい!!」
「いやぁすごいですねぇ。とても真似できません!」
「今何キロ走って来られたんですか?凄過ぎます!」

エイドやボランティアの方以外の応援がほとんど無い中、夜通し走ってきた身としては、同じランナーの励ましの声にものすごく感動しました。眠気や疲労感が一気に吹き飛び、自然と内なる力が湧いてきてまた坂を走ることができる。こんな経験は初めて。一部の坂では、M部門の方のスピードに合わせて走ることができたほどです。

「なんだオレ。まだ頑張れるやん。」

そう思わせてくれました。


そして徐々に日見公園エイドへ近づいてきました。遠くに見える街の中に日見公園エイドがあります。ここからは気持ちのよい海岸沿い。しかし灼熱の太陽が照りつけてランナーの気力を奪います。途中の自販機で水を購入し、何度も頭や顔に水をかけて熱中症を防ぎました。

午前9時頃
130km地点の日見公園エイドへ到着!!サポートの方が明るく出迎えてくれました。その中には受付時にいた女性の姿も。少しお話することで疲労が嘘のように吹き飛びます。そして早速お目あての「おにぎりと豚汁」を頂きます。特にもち米で作ったおにぎりが最高にうまくて、2個もらいました!


ここのエイドにはトマト(?)ゼリーなるものもありました!冷たいゼリーが喉にスルスル入って行く感覚は最高!!(美味過ぎて写真を撮る間もなく完食w) コーラを飲んだりハイドレに水分補給したりして、次なるチェックポイントである飯森峠香田エイドCPを目指します。


ここからは8.8km。しばらく比較的平坦な市街地を走った後、鬼のような激登りが待ち受けています(笑)

日見公園エイドまでは調子が良かったものの、やはり疲労感は波のように背後から襲ってきます。いつの間にやら歩いてるのか走ってるのかというくらいのペースにまで落ち込んでしまいます。疲労感の上に灼熱の太陽が降り注ぐと、気まで滅入ってしまうのかもしれません。すると背後から元気な女性ランナー(S部門)の声が・・・

「あと、40kmでしょ!!頑張って!!!」

ほんまや!確かにあとフルくらいの距離やん!!ここまで走ってきた距離に比べたら、40kmなんて大したことないやん!!

この言葉でふっと足が軽くなって、この女性ランナーを追いかけるような形で走る事ができました。同じL部門のランナーを次々と抜く事ができたのもこの区間です。ほとんど写真を撮れなくなるほど疲労しきっていたのに、この時は元気だったのでしょう。無意識に下のような写真を撮ってました(笑)


おそらく坂好アンテナがビンビンに反応したのでしょう(笑)長崎のこのコースを表すならば、やはりこの一文字に集約されるでしょうね。

海岸沿いの堤防を走り、途中で左折し、山手に向かって走り始めます。ここからは先ほど上記で紹介した標高差グラフの激登り部分に入っていきます。2kmで150mほどの標高差を一気に駆け上がるわけです。さすがにこの激坂ではS部門やM部門の選手のほとんどが歩いています。なぜかこの時の自分はもの凄く元気でした。この2km区間ずっと走り続けました。市街地で抜かれたS部門やM部門の選手を次々と追い抜きます。後方からは「すげぇ」という声が聞こえてきたほどです。よく考えるとおかしな現象です。135km以上走ってきたランナーが、50kmや20km走ってきたランナーを登り坂でぶち抜いていくという状態(笑)自分でもこの時パワーが出た原因は何か全く分かりません。超ウルトラを走るとこういうトランス状態が時々発生するものなのかもしれませんね(笑)

なぜかあまり息も切れることなく、頂上が見えてきました。


サポーターの方が出迎えてくれました!そして・・・

10:17
138.8km地点の飯森峠香田エイドCPへ到着!!

ここでは「ぼたもち」が食べられました!美味い!!そしてコーラをがぶ飲みし、ハイドレの中にもコーラを投入しました。ここまで色々とトラブルはありましたが、この時は140km近く走ってきた身体の割には、もの凄く調子がよくどこまでも走れてしまいそうな気分でした。

しかし、ここは超ウルトラの世界。そう甘くはありません。ここまでは序章に過ぎなかったと言ってもよいでしょう。ここからが本当の超ウルトラの世界へ突入していきます・・・。果たして・・・・

ここまでです!次回更新をお楽しみに♪
次回は完結編になるかな?!(笑)
その⑤へつづく


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