第3回 FAIRY TRAIL 高島朽木トレイルランニング in くつき 2016 その②

第3回 FAIRY TRAIL 高島朽木トレイルランニング in くつき 2016 その②

その① 〜概要と結果報告〜
からの続きです

【レースレポート】

※今回は楽しみながら頑張ることを目指したのでできる限り写真を撮るように心がけましたが、ブレまくり、どこ写してんねん！みたいな写真が多くあまり参考になりません。そして案の定、後半は写真どころではなくなりほとんど写真は撮っていません(汗)

START → AS1

《グリーンパーク想い出の森(0)〜朽木スキー場(10) 約10km 1:01'13》

朝6時過ぎ。スタート地点に並ぶとそこには山の朝独特のひんやりとした空気が流れていた。上を見上げると雲ひとつない空に朝日が差し込んでいる。所謂、今日はサイコーの天気だ！ってやつだ。ノースリーブから飛び出た腕には身を切るような寒さを感じるが、これから始まる快晴の下でのレースを予感したのか身体の内側から熱が込み上げてきた。レースプロデューサーの鏑木さんが壇上に上がってこのような台詞を述べていた。

"第3回にしてようやく晴れました！今日はどこかで某マラソン大会が開かれていますが、この最高の天気の下でくつき村の山々を走れる皆さんは幸運ですよ！！最高の景色をめいいっぱい楽しんで下さい！！"

某マラソン大会とは大阪マラソンのこと。そしてOSJ山中温泉トレイルレースも同日に開催されている。そのせいか昨年よりは人数が少ない印象を受けた。事実、昨年より参加者数は100名ほど少なかった(結果的に入賞できたのはこのおかげだろう)。そして…

6:30

プオォォォォォーーー！！

スタート直後は舗装路が続く

ショートコース出場の方やスタッフの方の声援を浴びながら約300名ほどのトレイルランナーが朽木の森へと旅立った。エイドステーション(以下AS)1のある朽木スキー場までは舗装路、林道、トレイルが連続し、登り降りを繰り返しながら少しずつ標高を上げていくようなコースだ。スタートしてから出来る限り先頭グループが見える位置をキープし続ける。前から12番手くらいだろうか。印象としてはアホみたいにぶっ飛ばしてる選手はいないが、前にいるランナーは無理せず坦々と走っている印象。こちらは息切れしないギリギリのペースで追いかけるような格好だ。

ブレまくり(笑)

何人かのランナーを抜いたが、次第に先頭集団は見えなくなった。7,8km地点くらいだっただろうか、前から1人のランナーが戻ってきた。「ロストしちゃいました！」どうやら彼は先頭を走っていたらしいが分岐を間違えてそのまま行ってしまったらしい。序盤のロストで大きく順位を下げるのは精神的にかなり辛い(ましてや先頭を走っていたのだから想像を絶する)が、その後挽回して結果はなんと2位！まだ20代でその精神力と走力を持ち合わせているのは凄すぎる。今後の活躍を素直に応援したくなったのは自分がおっさんになった証拠か…。後ろを振り返っても今まで抜いたランナーの気配は無い。40kmという距離のレースなので、ある意味ここで篩(ふるい)にかけられるのかもしれない。そんな事を考えながらスキー場の周りのトレイルをぐるっと走り終えるとAS1が現れた。

ゲレンデを一気に下るとAS1がある

AS1→AS2

《朽木スキー場(10)〜蛇谷ヶ峰〜イクワタ峠〜朽生(22) 約12km 1:30'03》

エイドに到着するとすでに前のランナーは出発した後で、先ほどロストしてしまったランナーの姿が遠くの方にかろうじて見えた。スポーツドリンクを一杯だけ頂くとすぐに出発する。ここまで約1時間。当初の想定より遥かに速いペースで来ているが体感的にはそれほどキツいという感覚は無い。爽やかな気候の下『前を追いかける』という楽しみを抱えながら走っていたせいかもしれない。ここからは蛇谷ヶ峰の山頂まで標高差460mを一気に登る。最初の難関と言ってもいいだろう。感覚的には前から8番手くらいを走っているイメージだったので、1人でもランナーを抜きたい一心で登り始めた。パワーウォークと走りを交えつつ結構攻める。頭の中ではなぜか藤井隆の『ナンダカンダ』がリピートされる。多分、行きの車内のラジオで流れたせいだ。

ナンダカンダ  叫んだってー  やりたいーことやるべーきでーす

アンタナンダ  次の番はー  やりがいーあふれるレースでーす

自分で言うのもなんだがかなりペースよく登っていたはずだ。しかし一向にランナーの気配が無い。つづら折りになっている箇所では、「ハァハァ。かなり攻めたぞ。そろそろランナーの背中が見えるだろう。」と期待を込めて上を見上げるが、誰もいない。やはり上位陣はこれ以上のペースなのかと自分の不甲斐なさに少し落胆しながら登る。それでもわずかな期待を込めて攻め続けた。標高を上げて尾根沿いに出ると思わず声が出た。

ひゃっほーーーーい！！

木々の合間から見事な景色が垣間見える。トレイルレースで快晴だったのはいつぶりだろう。思えばずぅっっっと天気が悪かった。曇り。雨。濃いガス…。だから登りの疲労も何処へやら。油をさしたばかりの歯車のように足は滑らかに回転し続けた。するとスタッフの声が聞こえてきた。結局ランナーを誰一人抜くことなく山頂へ。やはり頑張ってもここまでか…と思われた矢先だった。スタッフから発せられた一言に文字通り耳を疑う。

スタッフ「3位ですよ〜」

ほえぇ？？

オレの前方には7,8人のランナーがいたはず。

そしてこの登りでは誰も抜いていない。

ってことは…

そう。レース後に聞いたことだが何人かが途中でロストしてしまったらしい。その間にオレが前に躍り出た、いや躍り出てしまった形だ。「このまま走り続ければ表彰台？！」などと考えてしまった事をどうかお許し頂きたい。もちろんそんな妄想はあっという間に打ち砕かれる事になる。ただこの時は360度広がる絶景と現在3位というまさかのサプライズに舞い上がり、まるでスキップするかのごとくトレイルを駆け下りた。いや、もしかしたら本当にスキップしていたかも…(恥)

遠く見えるのは伊吹山だろうか＠蛇谷ヶ峰山頂

ここからは走りやすいトレイルが続く。昨年は雨でドロドロだったが、今年はフカフカの落ち葉の上を走れるので本当に気持ちよかった。ただ気をつけねばならないのはロスト。自然のブナ林の中では大会のテープを見つけにくく、また、落ち葉で踏み跡が分かりにくくなっている箇所があったりと何度もスピードを落として確認しなければならなかった。でもこれがトレイルレースであって通常のロードレースには無い面白さだ。ルートを見極めながら足元に注意して走る。フェアリートレイルのコースは終始これが求められたような気がする。事実40kmという距離にも関わらず、レース後両目が真っ赤に充血していた。トレイルレースでさらに順位を上げるためには、走力だけでなく集中力や動体視力の高さが必要かもしれない。

もうすぐイクワタ峠というところでランナーに抜かれた。ひょいひょい！といとも簡単に登っていく。次元が違う走りだ。結果的に彼が優勝することになる。表彰台なんていう妄想に一瞬でも取り憑かれてしまった事が恥ずかしくなり現実に引き戻された。

順位なんて意識せず、

とにかくレースを楽しんで自分が今できる限りのことを精一杯やろう！

イクワタ峠を越えると、ここから中間エイドの朽生(とちゅう)まで標高差650mを一気に駆け下りる。文字通りの激下り。中間エイドを過ぎてからアフォみたいな激登りがあるのが分かっているので無理せず転ばない程度で走った。町が近づきトレイルから林道に変わったあたりで一人のランナーに抜かれた。

自分は昨年の経験から川へ入るコースを知っていたが、彼はまさかこんなとこで川を走らされるとは思ってもみなかったのだろう。分岐をそのまま行ってしまった。「おーーーーーい！！こっちこっちー！！」とありったけの大声を出すと気づいてくれた！！

先行する形で川へ入っていく。冷たっ！！両足とも完全に水没。分かってはいたけども足の感覚が無くなるほどの冷たさ。バシャバシャ進んで川から出ると、足の冷たさも忘れるほどの暖かい声援で溢れるAS2(22km地点)に到着する。

次回更新をお楽しみに〜〜♪
その③へつづく

〜おまけ〜

フィニッシュ後

いつもコメントをくれる

横田デブナビ兄貴と久しぶりの再開♪

今週末の長崎楽しんできてくださーい！