2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

OSJおんたけウルトラトレイル100K 2016 〈100マイル〉その②

OSJおんたけウルトラトレイル100K 2016 〈100マイル〉その②

お待たせしました!
その①からの続きです。

【レースレポート】


スタートまで

6:30頃
いつもの山トコトリオで出発


14:30頃
スタート会場の松原スポーツ公園に到着

パルさん山の師匠は100K初挑戦

ミフィオも100K初挑戦に緊張のご様子

受付へ

テントを張って仮眠するつもりが
禁止のためこのスタイルで寝る(笑)

なんと寝てる間にBUNさんが!
彼もまた100K初挑戦です
(パルさん撮影)

18:00頃おとっつぁんに寝込みを襲われ起床。
寝起きすぐのWひゃっほい(笑)

19:15頃
スタートゲートへ

パイセンKaiにーさん

パイセンとは昨年おんたけ100Kで一緒に死んだ仲。林道に対し不安を抱いていたが、おそらく目指すは表彰台でしょう。KaiにーさんBUNさん天狗練習会で知り合った愛知のウルトラランナー。24時間走は200kmオーバーという実績の持ち主。もちろんおんたけ100マイルもすでに走破済み。

※ガチで臨んだのでレース中写真は一枚も撮っていません。潰れてからもカメラを出すという余裕は生まれませんでした(汗)。ですのでいつもよりさらに文字だらけですのでご注意下さい。



START→CP1
《松原スポーツ公園〜ループ①〜小エイド〜第1関門 約52km 5'56"48 区間順位17位》



20:00(00:00経過)
0km地点
松原スポーツ公園をスタート

スタートゲートに並ぶとゲートの先には両サイドに大勢の観戦者たちが見守ってくれているのが見えた。写真を撮る方、大きな声で声援を送ってくれる方、そして静かに見守ってくれる方もいる。思えば1年前、自分も彼らと同様に100マイル挑戦者達を見送る側にいた。その時、なんてカッコいいんだ!自分もあちら側に立って、闇夜を切り裂いて走り続ける100マイラーになりたい!と思った事を記憶している。あれから1年。今こうして挑戦する側に立つことができた。絶対に完走しなければならない。すると一人の観戦者に声をかけられた。

「長崎でお世話になりました!頑張って下さい!!」

長崎橘湾で出会ったワラーチランナーのヤマケンだ!彼(彼が登場する記事はコチラ)は100Kに挑戦する。同じ長崎を走った戦友として握手を交わし互いの健闘を誓い合った。同じく100Kに挑戦するパルさん、ミフィオ、そして山の師匠も寝る時間を削って応援に来てくれた。絶対に完走しなければならない。

パルさん撮影

恒例の祈祷が始まり、背後にある御嶽山へ向けてランナー全員が完走を祈る。静寂の時間。身が引き締まる。そして、その時が近づくとランナーの熱気がさらに高まった。カウントダウンが始まり、やがて100名を超える集団が大歓声の渦を切り裂くように走り始めた。

まずは舗装路区間が5kmほど続く。ゆるやかな登りで標高を上げていく感じだ。前を走るランナーの集団はキロ5を切るようなハイペース。背後には一列に光の列が伸びている。

「りょーくん?頑張って!!」

ヘアピンカーブのところで応援してくれる方に声をかけられた。モモさんだ!ボランティアで大会を支えてくれている。ありがとう!感謝の言葉しか出てこない。やがて舗装路が終わり林道へ入っていく。ここで主催者のタッキーが現在の順位を大きな声で報告してくれた。確か40番目だったと思う。

昨年は林道に入ると雨が上がったばかりのせいか、湿度が異様に高く真っ白なガスで覆われていた。そして山肌から水が溢れコース上の所々が川のようになっていたのを覚えている。今年は昨年とは打って変わり体感として湿度はそれほど高くなく非常に走りやすい。傾斜がきつくなっても鼻でゆっくり呼吸できるペースで登る。それでもじわじわと前を行くランナーを追い越して行けた。あれ?これぐらいの傾斜だったっけ?と思うほど楽に登れる。気温や湿度のせいもあるかもしれないが、1年前より走力が上がっている事を実感できた。

標高が1500mを超えた辺りまで登りつめると下りが始まる。やはり2週間前の美ヶ原トレイルレースでの怪我(その時の記事はコチラ)が頭をよぎる。一時はおんたけをDNSすることもやむを得ないと思ったが予想以上に回復が早く現在は傷が塞がり痛々しい痕が残っているだけだ。ゴロゴロとした石に足を置く度にグローブをしている手がじわっと汗ばむのを感じる。まだ精神面での回復はしていないのだろう。あの流血が頭をよぎる。自動的に減速。しかし結果的にはこれが功を奏した(その理由はのちほど分かるはずだ)。下りに入ると登りで抜いたランナーに次々抜かされ始めるが、一休さんのように唱えながら走る。

焦らない焦らない・・・


21:48(1:48経過)
約17km地点
ループ①入り口を通過

100マイルのコースは100Kのコースと同じなのだが、途中に20kmの周回コースを3つ設けることで距離を100マイル(約160km)としている。したがって、今来た道をもう一回ぐるっと回って走らなければならない。約9割が林道という変化の無いコースに加え、この後ろへ引き戻されるというループ箇所でメンタルがボロボロにされるというのがおんたけ100マイルの最大の特徴だと言えるのではないだろうか。

ループ①は正規ルートの合流地点まで下りが続く。やはり下りではランナーに抜かれる。しかし気にしない。まだ始まったばかりだ。ジェルと塩熱サプリを摂りながら考える。100K14時間切りのランナーばかりにも関わらず完走率がかなり低いレース(ちなみに2015年大会は30%ちょっと)。前半実力以上のことをしてしまえば後半に容赦なく悪夢が襲いかかる。のちにこの言葉通りのことが現実になるので、しっかりとこの言葉を覚えておいて欲しい。


合流地点でスタッフの方にゼッケンにマジックでチェックを入れてもらう。これで周回コースを走った証になるようだ。ここからは先ほど走った道をもう一回登り返していく。下りで抜かれたランナーを次々とパス。しかも息は全く上がらない。自分でも不思議なほど軽やかに走れた。いつもなら下りは「ひゃっほーい!」なんて言いながら忍者のように下っていたはず。しかし、今回は転倒による怪我を恐れて自動的にブレーキがかかりスローペースで下る。そのおかげで結果として、下り・登りに振り回される事なく一定ペースを維持しながら走ることができた。

いくら1時間に1つジェルを摂取しているとはいえ、100mマイルともなるとこれだけではハンガーノックになる危険性が高い。なので3時間おきに固形物を必ず食べるのをルールにしていた。時計に目をやると23時。もうスタートから3時間も経とうというのか。感覚としてはかなり早かった。個人的にこの感覚はレースに集中できている証拠である。チンパンジーというエネルギーバーを取り出し小分けにゆっくり咀嚼しながら走る。キャラメルナッツ味だ。なかなかうまい。半分ほど食べるといつものように咀嚼するのがしんどくなり始める。しかしエネルギー摂取は怠ってはならない。無理矢理水で流し込んだ。


30kmを過ぎ、国民の森エリアへ入っていくと細かなアップダウンが続く。しかし下り基調なので比較的走りやすい。 この頃から前後にランナーがいないことが多くなり、時折前方にぼんやり灯ったヘッドライトの明かりを見つけてはじわじわ追いついていくことが多くなった。いつの間にやら日付が変わる。今頃100K組がスタートしただろうなぁ。パルさんやミフィさんが無事に完走してくれることを祈る。どこかで出会えたら嬉しいんだけどな。そんなことを考えながら漆黒の闇に包まれた林道を孤独に走っていた。

快調

この時の状況を一言で言い表すならばこの言葉が適切だろう。実際に「この調子を維持できればひょっとするかも」と走りながら独り言のように呟いたほどだ。足も重くなく発汗の量もそれほどではない。内臓の調子が悪いわけでもなく、空腹感があるわけでもない。食料や水分も計画通りしっかりと摂れている。それでいてペースも一定を貫けている。何も問題がない。なかば浮かれたような気分に包まれた中、小エイドへ到着した。

0:35(04:35経過)
約43km地点
小エイドを通過

到着するなり簡易トイレに入り小便を足す。「よかった!」尿の色と量を見て安心する。今までの経験上、尿の色が黄色く濃い時はかなり無理している時であり量も少ない(昨年の村岡ダブルフルでは黄色を通り越して血尿が出た)。しかし今は透明に近く量もしっかりと出ている。腎臓に負担はかかってないし脱水にはなっていないはずだ。トイレを出て周りを見渡すと、疲労からか眠気からか座り込んでいるランナーがちらほらいる。ボトルに水を給水してすぐに出発した。

この小エイドからCP1までは約10km。緩やかながらもしっかりと登りが続く。依然として快調だが調子に乗りすぎないよう意識しながら淡々と登り坂を走っていく。登りを歩いているランナーが多くなるので自然と抜いていける形になった。そんな中、見たことのある後ろ姿が…。もしや、あれは?!

パイセン!!

明らかに足取りが重そうだ。どうやら序盤から眠気に襲われ始めて戦意喪失しているようだ。まさに1年前と同じようなシチュエーション。違うのはオレが頗る快調だってことくらいか。「眠気だけなら必ず復活できる!」とは声をかけるものの睡魔に襲われた時の無力感は痛いほど分かるので無理はさせられない。一緒に走りながらランとは関係のない◯◯な話をしながらパイセンの復活を期待する。しかし、体調も芳しくないようで徐々に遅れ始めたので、互いの完走を誓い合い、そのまま先行する形となった。
※結果的にパイセンは第3関門(72km地点)で無念の初リタイアとなった。必ずやUTMFでリベンジしてくれるだろう!!

パイセンと別れてからもぐんぐん登っていく。すると『もうすぐ第1関門』と書かれた立て札が林道わきに立てられているのを発見。時計を見ると6時間弱。昨年のリザルトから18時間切りするためにはCP1まで6時間以内で到着することが目標だったので完全に予定通りだ。すると前方に一際明るく輝く広場が現れた。CP1である。
※しかし今年のリザルトを見ると、18時間切りされている方のCP1通過は5時間35分以内だった。コース変更による影響だろうか。。

2015 おんたけ100マイル リザルト
2016 おんたけ100マイル リザルト




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CP1以降の様子はその③でお届けします!
次回更新を乞うご期待!!

その③へつづく


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