2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第1回 ひろしま恐羅漢トレイル in安芸太田 2016 後編


第1回 ひろしま恐羅漢トレイル in安芸太田 2016 後編


前編からの続きです。
いよいよレーススタートです!今回は肝心のレース内容をお届けします。

その前に・・・少しだけコースの説明を。

前編でもお伝えした通り恐羅漢トレイルはA・B・Cループのラウンド(周回)コース設定になっています。なのでワンウェイではなく周回ごとにスタート地点に帰ってくるのがこのコースの最大の特徴です。大会HPを参考に各ループの特徴をまとめておきます。


〜Aループ〜
27km
トレイルと林道が織り交ざった比較的走りやすいコース。ラスト5kmは沢沿いを走る少しテクニカルなコースです。走れてしまうのであまり追い込みすぎるとBループで死ぬことになりそうです(笑)とはいえ、このAループで手を抜きすぎると上位とはかなり離されますので要注意!(←今回のオレ)ちなみにミドルクラスはこのAループのみです。

〜Bループ〜
27km
広島県最高峰の恐羅漢山・3位の十方山が待ち受ける累積標高2000m超の難コース。急登・激下りが連続し、トレイル率が高く、このループでいかに失速しないかがこのレースの肝になるでしょう。途中、歩行区間(800m)があります。また、今回は天候が悪く視界ゼロでしたが、晴れていれば癒しのトレイルが待っているそうです。

〜Cループ〜
10km
距離は短いものの、広島県内でも屈指の急登を誇る研石郷山が最後に待ち構えています。60km近く走ってきた身体にとってそれは単なる「壁」にしか見えないこと間違い無し!(笑)今回は悪天候によりドロドロツルツルになり、ロープを伝っても滑って前に全く進まないという路面コンディションの悪さ。主催者側が危険と判断し途中でCループは閉鎖されたため、ほとんどのランナーがBループで終了させられるという結果となりました。

【レースレポート】


さて、ここからが本題。皆さんを魅惑のトレイルの世界へとご案内致します(笑)

〜Aループ〜
恐羅漢スノーパーク~聖山~高岳~聖湖~田代川~恐羅漢スノーパーク 27km 3'00"35》



5:00(00:00経過)
0km地点
恐羅漢スノーパークをスタート

徐々に明るくなり青みがかった空のもとカウントダウン開始。

5・4・3・2・1・・・

約500名弱のランナーが一斉に恐羅漢スノーパークのゲレンデを駆け下ります!今回はできるだけ前方についていく作戦なので必死についていきますが、めちゃくちゃ速い!!あれ?その中でも青シャツに赤帽のランナーがアフォみたいに飛ばして先頭を走ってます。


パイセンやん(笑)

スタートして1.5kmくらいだったかな。いきなり事件勃発。先頭から10番目くらいを走っていたと思います。ここまで出だしをハイペースで走ったことがないのですでに息が上がり気味。とりあえずこの位置をキープしようと平坦な林道を走っていました。すると、、

あっ!!
ざざーーーーーーーーーー

何でもない小石につまづいて前から思いっきり転倒。野球選手が一塁ベースへ向けて全速力でヘッドスライディングする姿を想像してもらえたら分かりやすいかと思います。運良くうまくこけたので、何事もなかったかのようにそのまますぐに立ち上がって走り出しました。ふと転んだ場所を振り返ると…

あ、ゼッケンが…

胸につけていたゼッケンが完全に剥がれてしまっています。仕方がないので拾ってパンツの間に挟んで走ることに。せっかくのゼッケン番号「1」がいきなり無残な姿に(涙)まさに出鼻をくじかれたってやつです。このアクシデントにテンションが下がってしまいました。ゼッケンを拾っている間に2、3人に抜かれちゃいました。この事件のせいか最初からガッツリ飛ばす気持ちがちょっと萎えてしまい、いつものような少し抑え気味の走り方となってしまいました。


大会HPより

トレイルに入ってからは前のランナーのペースに合わせて走ります。後続のランナーと話をしていると、確かこのようにおっしゃっていたのを覚えています。

「先頭集団はかなり速いなぁ。みんな東さんに引っ張られてるやろうから、我慢して走れば何人かは落ちてきてくれると思うけど。」

※東さんとは広島出身の有名なトレイルランナー東徹さんです。この方は一般ランナーとは桁違いの強さを持っており、実際に2位とは40分以上の差をつけてフィニッシュしていました(驚愕)

約12.5km地点の高岳を登り終えると一気に下って、16km地点のA1(エイド)へ降りてきました。ここで今後のレース展開を左右する致命的なミスをしてしまいました。本来ならまだ16km地点なので簡単に補給(もしくはスルー)してすぐに出発するつもりだったのですが、なぜかつい長居してしまいました。もみじ饅頭を食べながら無駄に時間を過ごしたように思います。エイドの居心地が良かったからなのか、余裕をぶっこいていたのかわかりませんが、後続のランナーに追いつかれてしまいました。先ほど会話したランナーにも先行されてしまいます。あの時きっちりついていければ!今ブログを書きながら激しく後悔しています。


大会HPより

約22km地点からは沢沿いのトレイルを走ります。結構面白いエリアで大きな岩を乗り越えたり沢を渡ったりと飽きないコース設定でした!集中していると、あれ?もう終わり〜?!と思っちゃうほどあっという間に終わってしまいました。そしてまたスタート地点へ戻ってきます。ここでまたゲレンデをぐるっと走らされます。ここを走られた方なら分かってもらえると思いますが、これが地味にキツい。歩きたい欲求と戦いながら、なんとかAループ終了!


〜Bループ〜
《恐羅漢スノーパーク〜恐羅漢山〜十方山〜那須〜内黒峠〜恐羅漢スノーパーク 27km 4'15"18 》


8:00(03:00経過)
27km地点
恐羅漢スノーパークを通過

Aループが終わってスタートゲートへ戻ってくると、アナウンスで名前を呼んでもらえてランナーを盛り上げてくれます!そしてミドルクラスの方や応援の方が「お!1番!がんばれー!!」と声を掛けてくれました。そしてここには大きなエイドがあって、おはぎやレモンの蜂蜜漬け、おにぎりなどがありました。しっかり補給して出発!


大会HPより

まずは広島県最高峰の恐羅漢山(標高1346m)を目指します。この恐羅漢山の山頂からは800mほど歩行区間があるので、そこで休憩しようと、恐羅漢山への急登はしっかり攻めるつもりでした。


が、キツい…。
あまりペースが上がらない…。

一向にペースが上がらないまま山頂へ。こういった登りをガツガツ攻めれるにはやはりバーティカルの練習が必要かも。そして歩行区間は立哨の方が各所で数名立っておられて見張られています(笑)コース外へもはみ出さないようできるだけ気を配りながら歩きました。
旧羅漢までくるとトレラン再開です!下りを気持ち良く走ると、ウォーターステーション(35.5km地点)に到着します。ここには文字通り水しかありません。

簡易エイドを出発すると、広島県第3位の標高を誇る十方山(1318m)へ登り返します。徐々に体力と精神力が削られていくのを実感しながら登りました。十方山をクリアすると、

こ〜んな素晴らしい景色や

大会HPより

こ〜んな素晴らしい景色が・・・・

大会HPより

待っているはずでした(涙)

う〜ん。今思い出してみても上記画像のようなところは無かったような。この時雨が降っていたかどうかは覚えていませんが、周りはガスで覆われ真っ白だったことだけは確かです。来年もう一度走ってこの絶景を堪能してみたいです。

気持ちの良いトレイルを走り抜けると、ここから標高574mの那須まで一気に下ります。いわゆる激下りってやつですね。確かこの時間帯頃から雨がしっかり降り始め路面は徐々にヌルヌルと化していきました。この時ある一つの失敗に気づきます。

シューズのグリップ全く効かねぇぇっ

まさにこの文言通り、滑りながら叫んでいたと思います。シューズはダイトレ以降お気に入りのinov8 F-lite235。実はこれロード用シューズなんです(死)だから泥やぬかるみなんかは全くグリップが効きません。雨だと分かってるのにコレを履いてきた自分が阿呆なんですが、まさかここまで滑るとは!!

しかし

ヌルヌル地獄はまだ序の口に過ぎなかったのです・・・

さてみんな大好きヌルヌルエピソードはもう少し後で語るとして、那須のエイドA3(45km地点)まで一気に高度を下げてきました。実はBループに入ってから何度も同じ方を抜いたり抜かれたりの状況を繰り返していました。中でも印象に残っているのは黄色いウエアの方緑のウエアの方(この方はゴール後にお話しして梅田のFULLMARKSで勤めておられる方と判明)です。A3のエイドでもこの方々と合流しました。

このエイドを出発するとBループ終了まで残り9km。気合いを入れ直して出発するもいきなり登りの林道が始まります。どうも自分はロングになった場合、林道や舗装路の方が走れる傾向にあるかもしれません。逆にトレイルの登りとなるとパワーウォークで攻めることが苦手だと今回よくわかりました。実際に林道はしっかりと走って黄色のウエアの方を抜いてトレイルに入ったのですが、登りの終盤で黄色のウエアの方に抜かれてしまいました。おそらく原因はこれ。

山の練習量 ウルトラ(ロード)の練習量

トレイルレースで上位に入ろうと思えば今の練習方法を改善する必要があります。六甲やダイトレなんかをもっと頻繁に走らなければなりません。じゃないと山の登りを攻めることができないでしょう。林道やロードが多いコースなら対応できても恐羅漢のようなトレイル率が高いコースではやはり遅れをとってしまいます。

スタートゲートへ戻るゲレンデの登りでようやく黄色のウエアの方緑のウエアの方に追いつきました。周りのランナーは歩いていましたが不思議なもので林道や舗装路の登りは多少勾配がきつくても走ることができます。スタートゲートをくぐってBループ終了!


〜Cループ〜
《恐羅漢スノーパーク~横川~砥石郷山~恐羅漢スノーパーク 10km 1'43"12》



12:15(07:15経過)
54km
恐羅漢スノーパークを通過

スタートゲートに戻ってくると、ミドルを走り終えた方や応援の方がたくさんいて盛り上げてくれます!中にはハイタッチしてくれる方も!!こういう演出は元気がもらえてほんとにありがたいです。エイドの方のオススメでコーラの中にレモンの蜂蜜漬けを入れてみました。

うまぁぁぁぁあああ!
※画像とは関係ないですがこんな感じですw

ここまでほとんどコーラを飲まずに我慢してきたのでこのうまさは格別。最後に待つ「壁」に備えて梅おにぎりを片手に取り、むしゃむしゃ食べながらエイドを後にしました。

緑のウエアの方と肩を並べてロードを下ります。お互い体力がどれだけ残っているのか分かりませんが、重力に任せて結構良いペースで走りました。そしてトレイルへと突入します。しかし壁はまだです。緩やかに登るトレイルなんですが、ここで緑の方より前に出て先行させてもらいました。

大会HPより

あれ?走れる!!

こういった緩やかな登りならまだまだいくらでも走れそうな体力が残っているのをありありと実感しました。ここにきて元気になるのはどういうことか?!あくまで自己分析ですがこれには二つの要因が考えられます。


①超ウルトラ向けの身体になっている

まず一つ目は良い点です。パワートレイルでの補給の失敗以降、しっかり食べながら走ることをすれば、腹の底にまだまだガソリンが残っているような感覚で失速することなく一定ペースで走れるようになりました。これは長崎橘湾とこの恐羅漢で実証済みです。

②前半で攻めきれていない

もう一つは反省点ですね。しっかり食べれば前半ある程度追い込んだところで失速しないはずです。にもかかわらず、今回も守りに入った走り方をしてしまいました。やはり最初のエイドから余裕をぶっかましていたのがこのレースの敗因だと思っています。順位がどうこうではなく、最初に決めていた『前半から勝負する走り』ができなかったことは大きな反省点です。

しかし、過ぎ去ったことをクヨクヨしていても仕方ありません。大事なのは今です。少しでも前に追いつきたい一心で登りもできる限り走り続けました。途中ミドルを走る方と交差する場所があるのですが、その方々の応援も気持ちに拍車をかけてもらえました。

ミドルの方と交差

しかし
現実はそう甘くありません

理由は「」です。Cループにはラスト4km地点から砥石郷山への鬼の急登が待ち受けています。どれくらいかと言うと約1kmちょっとで約500mもの標高差を登ります。すでに60km近く走ってきている身ですから、この急登はまさしく「壁」にしか見えません。しかもランナーに追い討ちをかけるように雨で路面がドロドロ。

ここで問題です。(じゃーじゃん♪)

Q、壁のような斜面が雨でドロドロになるとどうなるでしょうか?

はい。
答えは簡単ですね。

A、天然のすべり台と化します(笑)  ※大人の遊び場と化すでも正解。

大会側がこういった事態も予想してロープを至る所に垂らしてくれているのですが、それを掴んでも地面に置いた足がツルっと滑って全く前に進ませてくれません。何度もその辺の草をガッと掴んで何とか滑り落ちるのを防いだほどです。かなり危険と言っていいほどでした。事実、この状況を危険と判断し、大会側は途中でCループを閉鎖。Cループへ行けたのは30名ほどで女子は全くいなかったと聞いています。

このたった1kmにかなりの時間を要しました。文字通り泥だらけになって頂上へ着くと、残りは下り。しかしこの下りもくせ者で、部分的にめちゃくちゃ滑るところがあります。あの部分に足を突っ込むともう物理法則なんて存在しないんじゃねーの?!っていうくらい摩擦がなくてツルッといっちゃいます(笑)

最後の下りで抜かれてしまっては情けない!ということで気を抜かずに走りきりました。時折後ろを振り返りますが誰も来る気配はありません。トレイルを抜けるともそこはゴール手前のゲレンデです。ミドルクラスの方達が歩いている横を走ります。最後です!頑張りましょう!!とお互い声をかけあいながら。

そして…

FINISH!!

64km(累積標高4100m)
8時間59分45秒
総合12
年代別4位

ゴール後、さやかねーさんのお母様がおられたので図々しくも上記写真を撮って頂きました。雨の中すいません、何枚も(笑)パイセンはどないやったんやろうろウロウロしているともう着替えてゆっくりしているじゃああーりませんか!!

表彰式

聞くとなんと8時間13分40秒で総合3位!!足が不調とか言いながらこの結果を叩き出すとは恐るべし!Aループで一時は12番手まで落ちたそうだが、そこから巻き返しての表彰台!真似できまへん。いやぁこれならモテるのもうなずける!プライベートもレースも完敗じゃ(笑)


セクシー頂きました!(笑)

悪天候によりCコースは途中で閉鎖されたため、さやかねーさんは残念ながらBコースで終了!残念そうでしたが、この泥だらけコースに大満足のお顔をされていました♪次はおんたけでお会いするのを楽しみにしています!ちなみに、女子でCループに間に合った人は1人もおらず、女子の順位表彰もありませんでした。

おたふくが協賛していたからか
広島風お好み焼きが無料配布されてました!
うまうま♪


【あとがき】

前編・後編にわたって読んでいただき有難うございます。レース中写真を撮っていないので今ひとつ分かりにくいとは思いますが、なんとな〜くの雰囲気だけでも感じ取って頂ければ書いた甲斐があります。

今回も反省点が多く納得のいく結果にはなりませんでしたが、2位以降のタイムが全員8時間台なのでこれまでのように「絶対追いつくかぁぁーい!」というほどは離されていません。しっかり頑張れば入賞タイムにも十分手が届くような手ごたえをじわりじわりと感じれるようになったのは、少なからずとも前進している証拠かなとも勝手に思ったりもしています。ちなみに1位の有名なトレイルランナーの東さんは2位と40分以上差をつけてのゴールだったので、こういう方とは相変わらず「絶対追いつくかぁぁーい!」という次元の違いを思い知らされました(汗)



次回は7月にある美ヶ原トレイルレースです。恐羅漢と同じFieldsが主催の80kmのロングトレイルです。先日の奥三河パワートレイル、今回の恐羅漢での失敗や反省点をうまく改善できれば、ひょっとすると勝算があるかもしれません。あるいは、ぶっつぶれるか…。しかし今までのことを考えると、『ぶっつぶれるほど自分を追い込むことができるか』が勝負の分かれ道となるでしょう。いずれにせよ美ヶ原は素晴らしい景色らしいので、思う存分ひゃっほいしてきたい(訳:楽しんできたい)と思います♪



第1回 ひろしま恐羅漢トレイル in安芸太田 2016 







コメント

Yoshikame さんのコメント…
どーもkameです(笑)
またごついレースに出てはったんですねー!!
レースに向ける真摯さと、行間に溢れる面白さで今回も興味深く読まさせていただきました((о´∀`о))

次の大会、是非思いの丈のひゃっほいで!!
私も来週初めてのみかた残酷です。超頑張るぞー!!
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
kameちゃんありがとうございます!
第1回大会だったので前情報なしの大会はやはりワクワクしました!
「行間に溢れる面白さ」いやぁなんだか褒め上手ですね〜。気持ち良くなりましたwまた誉めて下さいww

お!残酷出られるんですか?!いいですね!!坂と思う存分格闘してきてください♪あ、「ひゃっほぉぉーーい」も忘れずに(笑)またどうだっか教えてもらえると嬉しいです!