2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

第42回 大阪府(ダイトレ)チャレンジ登山大会 2016 後編

第42回 大阪府(ダイトレ)チャレンジ登山大会 2016 

お待たせしました!
前編からのつづきです。


《大和葛城山〜水越峠〜金剛山(一の鳥居)  1時間04分》

葛城山から水越峠まで一気に標高を下げます。いわゆる激下りってやつです。まさに下り始めた時、後ろからついに足音が聞こえてきました。恐る恐る振り返ると…

大杉さん!!
そう国内トップクラスのトレイルランナー大杉哲也選手です。まぁ本大会5連覇されている方ですから抜かれて当然です。結果、もちろん今大会も優勝!3時間16分という驚異的な速さです。これでなんと6連覇達成!!(驚愕)自分みたいなランナーでもこうしてトップ選手の走りを目の当たりできるのは鬼ごっこレースの素晴らしいところです。あっさりと道を譲った後、必死で追いかけますがやはり速い!!少しずつ離されていき、やがて見えなくなりました。

この下りでもコンタクトレンズの力にだいぶ助けられました。今までここを何度も走ったことがありますが、これほどのペースで駆け降りたことは一度もありません。レースなのでアドレナリンドバドバの状態ということも考えられますが、やはり視界がクリアなので安心して着地させることができます。

そしてついにズーミンを捕獲!!ロードでは相手にもされませんが、トレイルの経験では負けていません。しかも今はコンタクトレンズマンなって全ての情報が頭の中へ入ってきます。危険箇所には大会スタッフの方が待機されていて注意を促してくれますが、緩めることなく飛ばしました。もちろん安全に考慮しながら。

8:25(01:45経過)
水越峠を通過

葛城山から水越峠まで14分。これほどのタイムを出したことは無いでしょう。大杉さんに抜かれたこと、ズーミンを抜いたこと。こういったことで拍車がかかりスピードアップできたと言えます。

しかし現実はそう甘くなかった…

チェックポイント⑤の水越峠で一瞬だけ大杉さんに追いつくも、そこからの緩い林道の登りで一気に離されます。ここの林道はダイトレを勝負するなら大事な区間です。ここできちんと走らなければ、今まで積み上げてきた貯金が一気に無くなってしまいます。気合いを入れて走り始め…ん?あれ?!

おっそ!!(涙)

身体がめちゃくちゃ重い。ここまで実力以上のペースで来てしまった代償が襲い始めました。気持ちだけでも負けないよう無理矢理にでも身体を動かしますが、徐々にメンタル面も蝕み始めます。


これから金剛山の登りが始まるし仕方ないよな・・・

さすがに歩く事はしませんでしたが、想定よりも遅いペース。キロ6-7分ペースになっています。上位選手はこういう走りやすいところは遅くともキロ5で登ってくるはずなので、このままでは追いつかれるのは時間の問題。そしてようやく林道が終わり、金剛山への登山道へ入るところで嫌な予想が的中します。

ざっざっざっざ

ざっざっざっざ

この足音は…。振り返らなくても誰だか分かります(笑)

???「りょーさん、めちゃめちゃ頑張ってるやないっすかー」

オレ「やりすぎてもうたわー。でも抜かれへんでー(空元気)」

もう誰か分かっているのでお互い顔を見ずに金剛山を登りながら会話します。先行されないようにペースアップして先行されるのを阻止!しかし、この状況で逃げ切れるはずもなくついに道を譲りました。もう誰だか分かりますよね。そう、



パイセン!!

もちろんこの会話を最後にゴールまで会う事はありませんでした。結局3時間27分でフィニッシュ!惜しくも優勝は逃しましたが、昨年より10分近く縮めているとのこと。この調子でいけば王者の大杉さんを倒すことも十分可能かもしれません!

どんどん遠ざかっていくパイセンの背中を見ながら、金剛山の登りをヘロヘロになりながら登りました。少しでもパワーウォークをしようと前傾姿勢で登りますが、あまりにヘロヘロのためただ腰の曲がったおじいさんが歩いているような感じだったと思います。そしてさらに恐れていたことが現実になります。九十九折の登山道なので後ろが見えるのですが、下から徐々にあの人の姿が近づいて来ました。


ズーミン!!

先ほどの激下りで抜いたズーミンです。小さい身体のどこにパワーが隠されているのか。いや小さいからこそ、軽快な足取りでヒョイッヒョイッといとも簡単に登ってきます。案の定抜かれてしまいました。もしかしたら最後のトレイルで抜けるかもと淡い期待をした自分が恥ずかしいです。レース後に本人から聞きましたが、だいぶトレイルの走り方が分かってきたとのこと。もともと持ってるスピードが違うので、トレイルの経験値を積めば確実に国内トップ選手となるでしょう。結局3時間54分でフィニッシュし、もちろん女子1位!2位と30分以上の大差をつけての圧勝です。女子で4時間切りしたのが歴代初めてというくらいですから、如何にズーミンが凄いかがお分かり頂けるでしょう。

こうなると一番恐れていることが実現してしまいそうで、登りながらひとり戦々恐々としていました。そうです。あのBUNさんのことをイヤでも考えなければなりません。明らかに自分がペースダウンしていますから、いつ追いつかれてもおかしくない状況。そんな時、天使の歌声のごとく前方から声が聞こえてきました。

「ここで階段は終わりですよー!頑張ってー❤︎」

人間、どん底にまで追い込まれると神の存在を信じる気持ちが少しわかったような気がします。自分にとってこの声援を送ってくれる女性が女神に感じました。

「ありがとう!おかげで元気出たわ!!(ところで番号教えてくれ…)」

カッコ内は余計ですが、女神のおかげでここからようやく気持ちにスイッチが入ってペースを戻せたように思います。


9:15(02:35経過)
金剛山(一の鳥居)を通過

チェックポイント⑥の金剛山にはたくさんの応援してくれる方が集まっていました。全員知らない方ばかりですが笑顔で拍手を送って頂けました。おかげでめちゃくちゃ力をもらえました。思えば2年前。自身初レースとなるダイトレに出た時、ここ一の鳥居のエイドで両太ももがガッチガッチに攣ってしまって立ち上がれなくなった記憶があります。マッサージしてもストレッチしても太ももに力が入ると攣って動けない。それ以降も歩きっぱなしでゴールがどれだけ遠かったことか。初レース初ダイトレの洗礼をまともに受けました。でも今は違います。エイドにあるバナナを手に取り、登りの遅れを取り戻すべく、ちはや園地へと続く舗装路を颯爽と駆け下りて行きました。



《金剛山(一の鳥居)〜行者杉〜紀見峠駅  1時間14分》

これは後で分かったことですが、金剛山到着がBUNさんと1分差まで縮まっていたようです。あともう少し登りが続いていれば確実に追いつかれていたでしょう。あぶなぁ(汗)

疲労は確実に蓄積していました。ふくらはぎや太ももが攣りそうなあのなんともイヤな感じが熱を持って両足に襲い始めます。やばい…。嫌でも2年前のことが思い出されます。効くかどうか分かりませんが、とりあえず急いでジェル(Mag-on)とアミノ酸(粉末タイプ)を補給しました。これらはどちらもミフィオが鳥取マラソン一般女子の部で優勝した時の戦利品。気前よく分けて頂けました。

効いてくれ 効いてくれ…

と念じながら、粉末のアミノ酸を一気に口の中に流し込むと

ゴホっ

あかん

ぶーーーーーーー

乾いた喉の状態で口に放り込んだもんだから、一気に水分が奪われ、呼吸困難。グレート・ムタの毒切りのごとく思いっきり吹いてしまいました(笑)あぁ〜ミフィオの戦利品がぁ〜(笑)

しかし、祈りが通じたのか、不思議とあのイヤな攣りそうな感じが引いていきます。金剛山を過ぎると延々と続く登りは無くなるので、ゴールの紀見峠まではとにかく我慢して走り続けなければなりません。気を抜けばBUNさんに確実に捕獲されそうなイヤな空気を背中に感じていました。細かなアップダウンとはいえ、一部には、距離は短いですが壁のように立ちはだかる階段を乗り越えて行かなければなりません。ペースは落としつつも下りになると一気にペースを上げます。

9:49(03:19経過)
行者杉を通過

ここで補給をしているうちにランナーに追いつかれてしまいました。もしやBUNさんか?!と焦りますが、赤シャツで確か坊主の方だったので絶対に違います(笑)ホッと安堵しますが、裏を返せば、後方からランナーが迫ってきているということです。急いでエイドを出発し、赤シャツのランナーを追いかけます。が、速い!追いつかない…。どんどん距離が離されていきます。おそらくですが、この方は自分と同じ40分出発のランナーだと思われます。壮年の部で上位に入られていた方ではないでしょうか。間違っていたらすいません。

行者杉から紀見峠までどれくらいあったっけな…

もう少し予習しておく必要がありました。もちろんダイトレは練習で何度も走ったことがあるのですが、最近はほとんど行っていません。距離が掴めていればペースを微調整しながらうまく走れていただろうと思います。大きな反省点ですね。レースを本気で狙うなら試走して、地形や距離などをしっかり頭に叩き込む必要があると本気で思いました。しかも近場の場所なんだから目を瞑ってでも走れるようにしとかねば…

昨年までゴール地点が天見駅だったので最後は走りやすい区間が続きましたが、今年からはゴール地点が紀見峠駅に変更となり、最後に階段の激下りが待ち受けています。スタッフの方も常駐されていて注意を促されていました。追い越し禁止という貼り紙もあったので、混雑している中走るのはなかなか大変だと思います。

階段の激下りを終えるとフィニッシュ地点までロード区間になります。ここで確か序盤の葛城山で追い抜いた長身のランナー(30分スタート)に抜きかえされてしまいました。しかし自分の方が後発なのでタイム的には勝っているはず。焦らずマイペースで最後の激坂をぶっ飛ばしました。

すると前方にパルさんミフィオの姿が!!

いらっしゃいませ〜(笑)

なんとパルさんとミフィオがダイトレの応援のためにわざわざ来てくれました!来てくれると聞いていたので、見つけた時は今までの苦しみから解き放たれ、嬉しさのあまり思わず抱きついてしまうところでした。もし抱きついてたらミフィオにミゾオチを一発入れられて気絶していたと思いますが・・・

パルさんのブログにダイトレ応援のことが書かれているので以下をご参照下さい♪次郎誕生の瞬間には笑いました(笑)


そしてついに・・・・

フィニッシュ!!

3時間49分50秒
一般男子10

【あとがき 〜フィニッシュ後も交えて〜】

南海紀見峠駅がフィニッシュ地点かと思いきや、少し手前の広場がフィニッシュ会場になっていました。気づいたら上記画像の黄色いテープを越えていた感じです。タイムはスタッフのおじさんにタイムが書かれた紙きれを渡されて、係りの人にそのタイムを記入してもらいます。よく考えるとかなりローカル感満載の大会ですね。ゴールゲートがどかーんとあってお祭り騒ぎみたいなのもいいけど、やっぱ手作り感のあるアットホームな感じが個人的に大好きです。

さてゴールした瞬間一気に集中力が切れたのか、足がワナワナワナ……(笑)

タイムを確認すると3時間台!!えー?!マジで?!自分でも驚きです。2年前のボロボロになった時に、大会結果を見て上位陣が3時間台で走っているのを知り、正直「こいつら頭おかしいんちゃうか?」と思ってました。頭おかしい連中の仲間入りしたとはいえ今となっては、今度は3時間30分を切るランナーが同じ人間とは思えない・・・(笑)

すると、あの人が帰ってきました!!


BUNさん!!

10分差ハンデの鬼ごっこには勝利しましたが、タイムでは6分差の3時間43分で完敗!しかし、トレイルレースで上位入賞することが多いBUNさんと少なからずとも競り合えたことは大きな自信に繋がりました。来年は負けへんで〜〜!

そしてフィニッシュ後には様々な方と知り合うことができました。フィニッシュ後については書ききれないので写真でお楽しみください♪


シュピ殿キックーーーw

豪華メンバーでひゃっほい!

ズーミンさんを通じて
ダイトレキングの大杉さん
若手ホープの和田さん(ダイトレ2位)

と知り合うことができました♪
今後とも宜しくお願いします

    
応援にきてくれたミフィオとパルさん!!
パルさんはこの後仕事のためお別れ(涙)

紀伊見荘バイキングでドカ食いw


これから(超個人的に)立て続けに始まるロングトレイルレースの開幕戦と位置づけていたダイトレ。目標はタイム云々ではなく、

最初から最後まで全力を尽くせるかどうか

正直に言うと、コレについては達成できたような、達成できなかったような気がします。走り終わった瞬間は「出し切ったぁぁああ!!」「ようやったわオレ!」という気分でしたが、このブログをまとめながら、「やっぱあの時もっと頑張るべきだったなぁ」とか「あそこはサボってたな」などと色々反省点が次から次へと出てくる出てくる(笑)しかし確実に言えることは、

今までで一番頑張った!!
今までどんだけサボりってたんや…

そしてもう一つ言えることは、ファンランでのんびり走ろうが、アフォみたいにめちゃくちゃ追い込もうが、これに尽きます。

やっぱ山は楽しいーー!!


ってこと(笑)最後にゴール後の塩吹き顏で気分を悪くされちゃった方がいらっしゃれば申し訳ありません。苦情はこの写真を撮ったパルさんに言ってくださいね(笑)さて、次なる第2戦は奥三河パワートレイル。厳しいコース設定のようなので、今から楽しみです。出られる方がいらっしゃれば一緒におもいっきり楽しみましょう!!



あっそうそう。
ひゃっほいミチコ(母)ですが、10時間で完踏しておりましたわ!!





第42回 大阪府(ダイトレ)チャレンジ登山大会 2016 前編
第42回 大阪府(ダイトレ)チャレンジ登山大会 2016 後編

コメント

もりもりサラダ さんのコメント…
いや~凄いですね。
みちこさん!

みちこ、今流行りの山ガール(^.^)
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
もりサラさん、ありがとうございます!この結果にはひゃっほいミチコも満足そうでした♪自分もあの年になるまで山を続けるのが目標です!!