2023-24 STMダブル760K ②結果まとめ

岩湧山耐久戦

岩湧山耐久


【概要】

《日程》
2016.2.7 13:00スタート

《コース》


滝畑ダム⇄岩湧山山頂
1周約11km
登り : 千石谷林道(約7km)
下り : ダイヤモンドトレイル(約4km)
累積獲得標高:約600m

《ルール》
しんどくて歩いてしまったらその周回で即終了
(もちろん特別な場合を除く)

《結果》
3 
約33km+3km(駐車場までの往復)
4時間17分58秒
累積上昇高度 1884m 

累積下降高度 1879m


《駐車場》
滝畑ダム無料駐車場
※自販機無し、トイレ有り

《温泉》


【まえがき】

実を言うと、この日はアワイチ(淡路島一周)の下見へドライブがてら行くつもりでした。しかし当日になって「山へ行きたい!」という欲求が勝ってしまったので、急遽以前から温めていた企画を実行してみることに。それは、岩湧山耐久戦。名前だけ見ると如何にもかっこよく感じるが、実際は滝畑ダム・岩湧山山頂間をひたすら登り下りして走り続けるという地味極まりないコース。耐久戦というネーミングには意味があって、それは、ひたすら走り続けるということ。これが唯一無二のルール。道を譲ったり写真を撮ったりなど特別な場合を除いて歩いてしまったらその周回で終了です。要するにしんどくなって歩いたら終わりってこと(笑)いたってシンプルです(笑)

走り続けるとなった場合、登りがトレイルだとこれはかなりきつい。おそらく1周目で終了でしょう。では、どうするか。

皆さんは、今、若者の間で人気の千石谷林道をご存知でしょうか?

この林道を使えば足場も悪くないので走って山頂まで行くことが可能です。ただ途中恐ろしく急勾配な斜面があるのでそこが鬼門になりそうですね。この林道は以前に坂好練習会での練習会でパルさんから教えてもらいました。さすがはパルさん。自称滝畑マスターじじぃと名乗るだけのことがあります。そして、山頂を踏んだ後はダイトレで下ります。よく整備された走りやすいトレイルなので走り続けることは可能です。そして下山すると、この千石谷林道にぶち当たるので、また林道を使って駆け上がる。すると、あら不思議。体力の続く限り走って周回できちゃいます(笑)では本題へ。



【岩湧山耐久戦】

《スタートまで》
仕事終わりということもあって、滝畑ダム無料駐車場へ到着したのは13:00前。もちろん耐久戦なので装備はデポせず、ザックに詰め込み背負って走ります。遅いスタートなので、ヘッドライトも入れておきました。



《滝畑ダム無料キャンプ場〜千石谷林道出合  約1.5km》
13:00
滝畑ダム無料駐車場をスタート


ここからGPSでの計測を開始。スタートするまでは少し億劫に感じることもありますが、こうして山の風景を見ながら走り出すと「あぁ、やっぱり来て良かった!」と心底思えるから不思議です。

《1周目  約1時間13分 avg.6'38/km》


岩湧山ダイトレ入り口から少し登山道を進むと、林道に出ます。これが千石谷林道です。さてここからがいよいよ本番。呼吸を整えながら無理のないペースで走ります。大滝という滝が現れるまではあまり勾配がきつくありません。この区間が全コース中一番走れる区間だと思われます。

午前中に少し降った雨のせいか横を流れる川の水量が豊富です。山肌からは雫がポタポタと落ちてきています。空気はひんやりしていますが、いつもの半パン半袖アームウォーマーでも大丈夫。走っていれば寒いと感じることはありません。鼻で冷たい空気をめいいっぱい吸い込むと頭の中がスッキリします。あぁ!やっぱり来て良かったぁ!!周りには誰もいません。

大滝

しかし大滝を越えると徐々に勾配がきつくなってきます。もちろんスピードは落ちますが出来る限り一定ペースを維持。目の前の激坂を次々に攻略していきます。あれ?こんなもんだったっけ?よく考えてみると、今までこの林道を走るときは中百舌鳥から滝畑ダムまでの25km強を走ってきた上で、この激坂を登っていました。しんどいのは当たり前ですね。今回は滝畑ダムスタートなのでまだ走り出して5km。しんどいはずがありません。千石谷林道はヘロヘロになって走っていたイメージがあるので少し拍子抜け感がありました。(しかしコレは大きな間違いだったことが後でわかります。)


標高を上げると雪がチラチラと舞い始めました。日の当たらない場所には溶けきっていない雪が点々と残されています。景色を楽しんでいると視界が開けてダイヤモンドトレイルと合流します。ハイカーの方たちと挨拶すると、「元気やね〜」と満面の笑みで声をかけて頂けました。まぁこの時期に半パン半袖で山頂を走っているのですから変人に思われても仕方ありませんが(笑)


山頂までは階段が結構きついですがルールにのっとり歩かず走り続けます。そして山頂へ!雲は出ていますが、空気が澄んでいるせいか遠くまでくっきりと見渡せました。あとこの風景を何回見ることになるのか。写真を数枚撮って足早に山頂を後にします。

1回目

ここからは、登りの林道とは打って変わりオールトレイルで!しかも登りが一切なく一気に下山します。これが気持ちいい!登りとは違って重力に任せて走れる。

ひゃっほおおおおおおい!!
目の前のトレイルに夢中になっているとあっという間に下山し、林道へ戻ってきました。

再び林道へ

《2周目 約1時間17分  avg.7'00/km》
林道に戻ってきても、始めは比較的平坦なので、スムーズにトレイルから林道へ身体を馴染ませることができるのがこの周回コースのいいところ。ぐぅぅ〜。腹が鳴る。昼飯を食べてなかったことに気づきます。ハンガーノックになると元も子もないので、急いでジェル1本とブラックサンダー2個を放り込みました。


1周目の時よりも足は少し重く感じました。まだ13kmほどしか走ってませんが、よく考えてみるとほぼ登りと下りしか走っていない。負荷のかかり方がロードとは大きく異なります。下りで攻めすぎると結構後になってダメージがきますね。これは超ロングを走る時なんかは気を付けなければなりません。去年のKOUMI100ではこれで失敗したようなものですから。


勾配がきつくなると一周目ほどスピードが出にくくなってきました。走力も大事ですが同じコースを走るのでメンタルが大きく左右します。先週の24時間走の時と同様、気持ちが弱くなるとそれがスピードに如実に現れます。先週の二の舞にならないよう出来る限りペースを維持。しかし、実際には1周目と比べて落ちていました。


そして2回目の山頂へ!!今度はハイカーの方に異様な目で見られてしまいました。こんな格好で山をウロウロしてると時々、「怪我したら死ぬぞ!」とか「アキレス腱切れて動けなくなったら凍死するで!」とかクギを刺されることがあります。確かにごもっともです(笑)自分ももともと登山をしていた人間です。しかも保守的な考え方だったので、山を走るなんて言語道断!手薄な装備で山を舐めとるのか!!と思っていた人間です。だから言いたくなる気持ちがよくわかります。でも山を走ることの魅力も知ってほしい。自分は実際にやってみてその魅力に気づきました。もちろん怪我のないように日頃から訓練する必要がありますが。

↑↑こんな事言ってますが、後で山を走ることの危険性について思い知らされます

2回目

山頂を通り過ぎ下山開始。トレイルは1周目でだいたいコースをつかんでいるので、強弱を入れながら走り続けます。そして下山して林道へ。

《3周目 約1時間24分 avg.7'38/km》
足に疲労がだいぶ溜まり始めているのが林道での走りに出てきました。少しでも気を抜くと大きくペースダウンし始めます。気持ちを強く持てば足が上がるのですが、ふと気を抜いた瞬間に走り続けてはいるものの歩幅が小さくなり、気づいた時には歩いた方が速いんじゃないか?!というほどまで落ち始めました。時間も遅くなれば日が落ちて寒くなり始めます。なんとか4周目までは行きたい!そのためにはこのペースで3周目を走るわけにはいかない!そう思ってからは、上り坂でもしっかり足を上げて走る事で、ぐんぐん前へ進み始めました。あきらかに2周目より速いペースです。


しかしそこまでの走力やメンタルはまだ持ち合わせてないようです。後半の急斜面で一気にペースが落ちます。
歩きたい!
歩かせて〜!!

でも頂上まであともう少し。山頂へ行けばあとは下りだけ。こうして、なんとか歩かずに3度目の山頂へたどり着きました。

3回目

山頂にはこの時間になるとハイカーの方は誰もいませんでした。明るいうちに撮っておこうと山頂でセルフ撮影。3回目の山頂でしたが、岩湧山の山頂は景色が本当に素晴らしい。全く飽きがきません。パルさんが岩湧山の事を彼女と呼んでいましたが、その理由が少し分かったようにも思います。しかしまだまだ岩湧山の新参者。彼女なんて言うには恐れ多い。


そんな事考えながら下山開始。順調に下れば4周目へ明るいうちに行ける!この時足には疲労が溜まっていたので足が上がっていなかったのだと思います。

あっっ!!

突然目の前に大きな石が迫ってきました。本当にスローモーションになるんですね。あぁ終わったな…。石と身体が接地した瞬間、一気に体中に圧がかかってきました。胸と石が激しく接触しているのを感じます。その後から無理な体勢になったのか両足が攣ってしまいました。

どうやら、石につまづき、勢い余ってそのまま身体の真正面から真っ平らな大きな石へ乗り上げる形で突っ込んだようです。足を攣ったことよりも胸との接触が本当に恐ろしかった。とりあえず呼吸ができるか確かめる。すーはー。うん、大丈夫。次に唾を吐いて血が出ていないか確かめる。うん、大丈夫。そしておそるおそるTシャツをめくりあげると、擦り傷による出血がありましたが、青くなったり腫れ上がったりはしていません。おそらく手のついた位置と胸につけていたボトルとデジカメがクッションとなって擦り傷だけですんだのだと思います。もし石が真っ平らでなければ・・・。今頃胸を強打して骨折していたり頭を打っていたことも考えられるので最悪命の危険性まであったと思います。それくらい激しい転倒の仕方でした。

助かった・・・。

両膝もぶつけてしばらく痛みで歩くこともままなりませんでしたが、徐々に痛みが消えてきました。全体に被害が分散して特別重症を負わずにすんだ形です。下りは気をつけねばなりませんね。まだまだ技術が無いということでしょう。下山まであと1.5kmというところでした。気の緩みがあったのかもしれません。4周目へと気持ちが急いでしまっていました。しかし今や4周目を走るという気にはもうなれません。残念ですが3周目で終了です。

《千石谷林道出合〜滝畑ダム無料駐車場 約1.5km》

駐車場まで1.5kmを走って戻りました。走ってるうちに足の痛みも消え、胸の異常も特に無いようです。無事に帰って来れたことが心底うれしかったですね。あの時、もしも・・・と考えると恐ろしくて今でも身震いします。


〜結果〜
3 
約33km+3km(駐車場までの往復)
4時間17分58秒
累積上昇高度 1884m 
累積下降高度 1879m

1周目:約1時間13分
2周目:約1時間17分
3周目:約1時間24分
終了理由:転倒による戦意喪失のため



【あとがき】

思わぬ理由で終了となってしまった第1回岩湧山耐久戦ですが、予想以上に楽しい企画でした。またやってみたいと思っています。次は最低でも4周を目標としたいですね。あれから胸に内出血や打ち身的な痛みは全くありません。擦り傷だけで済んだことが奇跡です。これを機にもう少し丁寧な山の下り方を勉強したいと思っています。速さだけじゃなくて丁寧な下り方。実践あるのみなんですが、今でも目を瞑ると、あのシチュエーションが目の前に広がってしまいます。正直少し怖いですね。また山に行っていいイメージに変えていきたいです。

月並みですが

健康であること

その素晴らしさを思い知らされました。




コメント

むらさん さんのコメント…
りょーくん、無事で何よりです。
読んでてびっくりしました。
またどっかで一緒にひゃっほいするまで無事でいてよ。
身体あってのスパルタスロンですよ。
ひゃっほい太郎 さんの投稿…
むらさん、すいません!ご心配おかけしました!
大した怪我でなかったのは、山の神様が「もう少し頑張れ」とおっしゃってくれたと勝手に解釈しています。

むらさんとはランよりも夜の街でひゃっほいする日の方が近そうですね(笑)